筑波銀行(本店土浦市、生田雅彦頭取)は20日、40代の元男性行員(死亡退職)が、2018年5月から今年9月までの4年5カ月間にわたり、同行水戸営業部(水戸市泉町)に口座がある高齢者の預金から、4746万5000円を着服していたと発表した。
同行によると、今年9月、高齢者の親族から問い合わせがあり、発覚した。
元行員は水戸営業部勤務時に担当した高齢者から、筑波銀行や他行のキャッシュカード計3枚を預かり、ATM(現金自動預払機)で、高齢者の預金を計186回にわたり総額6746万5000円引き出し、そのうち4746万5000円を着服したとされる。一部は高齢者に届けていた。
元行員は数年で他部署に異動したが、異動後も引き続きキャッシュカードを預かっていたとみられる。同行は、行員が業務上、顧客のキャッシュカードを預かることは原則としてないとしている。
発覚後、元行員は着服を認めず死亡した。死因は非公表。同行の調べによると、元行員は着服した預金を投機資金や債務返済に充てていたという。
同行は被害に遭った高齢者の親族に対し、事実関係を説明の上、謝罪し、被害額すべてを同行が弁済したとした。
元行員に対しては、死亡したが、懲戒解雇に相当する厳正な対応を行ったほか、同行の経営責任、管理・監督責任について厳正に処分した。さらに警察に通報し相談している。
一方、調査の結果、現時点で、今回被害に遭った高齢者以外の被害は確認されてないとしている。
同行は「信用を第一とし、高い倫理観が求められる金融機関として、痛恨の極みであり、役職員一同、厳粛に受け止め深く反省しています。被害に遭われたお客様を始め、皆様に多大なご迷惑をお掛けしたことを深くお詫びします」とし「今後、不祥事を決して発生させないという強い決意の下、再発防止に向けた内部管理態勢のより一層の強化・充実を図り、健全な業務運営に努めます」などとするコメントを発表した。