日曜日, 2月 22, 2026
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全国1600人の一人として【防災介助士ってどんな仕事?】上

防災介助士という職種がある。NPO法人日本防災士機構が認定する防災士とは異なり、公益財団法人日本ケアフィット共育機構(東京都千代田区・畑中稔代表)が育成、資格登録する検定ビジネスの一環で2011年12月に生まれた。防災士は災害時に所属団体・企業や地域の要請を受け避難、救助・救命、避難所の運営を行う。介助士はその活動を支援しつつ、障がい者や高齢者といった「災害弱者」の安全を守る。

同機構が認定しているサービス介助士を防災専門に特化させたものだが、サービス介助士が全国で10万人を超える中、まだ認定資格者は1657人(11月時点)という新しい分野だ。

つくば市在住で防災士・防災危機管理者の資格を持つ金栗聡さん(55)は、防災介助士としても活動している。防災介助士とはどんな仕事なのか、金栗さんを訪ねた。

防災士とは異なる災害弱者への支援

「防災介助士は、災害について理解し、どのように備えるか、平常時の啓発、災害が起きた時にどのように避難し、行動するのかを学び、災害時に実践することを委ねられています。例を挙げると防災対策・訓練でハンディキャップのある、災害基本法が示す要配慮者や避難行動要支援者への応対があります。高齢者、障がい者が、起こりうる災害にどんな助けを必要とするか。災害の状況は刻々と変化しますから、初動の避難誘導、避難所での安否確認と救護、健康維持支援などを通して地域の人々の支えになることが職務です」

防災介助士資格取得のためのテキスト

防災介助士は、防災・災害におけるバリアフリー・ユニバーサルデザイン化にも知見を発揮するという。バリアフリー・ユニバーサルデザインが備えられた地域社会であるかどうかは、災害弱者にとって重要なだけではなく、災害時に負傷した健常者にもかかわってくるインフラであり、ライフラインとなる。

「介助と応急手当と搬送は、その場にいる誰かが行わなくてはならない。災害時、平常時にそのノウハウをお伝えし、或いは実践的に行動することが防災介助士の役目ですが、災害に対する法制度が逆に妨げとなる場合もあります。そのときどう判断すれば被害をいかに軽減できるかという知識も、防災介助士は学んでいます」

街のユニバーサルデザインを情報発信

金栗さんは、2018年に資格を取得し、自身の行動半径として、つくば市内の公共空間にどんな施設があり、そこが被災時にどんな規模の避難所機能を持つか。同時に避難経路の考え方や、施設に付帯している公衆トイレやエレベーターの設備内容を調査し、自らホームページ「やさしい防災」において紹介している。

このサイトでは、つくばエクスプレス(TX)の車両編成ごとにどこに車椅子対応スペースがあるか、つくば駅のホーム側ではどのホームドアが対応しているか、点字誘導や誘導鈴・誘導チャイムの種類に至るまで、実地調査や鉄道サイトからの引用できめ細かに解説しており、さらにつくば駅のバスターミナルから筑波山に出かける際の案内へと連載が続く。

フィールドワークで街のユニバーサルデザインを調査する=TXつくば駅前

注目すべきは、バリアフリー・ユニバーサルデザインの視点で調査紹介する内容が、車椅子生活者とその介助者に向けた情報発信であることだ。公共空間に埋め込まれた、社会的弱者のための記号や具体的な設備インフラは、統合して紹介されている場が少ない。点字経路に従うとしても、地下からどのエレベーターでどの出口に向かえば良いかは、車椅子生活の人々の身になって考えると、予備知識無しでの移動は困難だと感じる。

「私の書く文章がわかりやすいかどうかという問題も検証する必要がありますが、街なかの些細な情報も一つずつ、多くの人に知ってもらいたいのです」

金栗さんがなぜ防災介助士となり、こうした活動に従事しているのか。そこには金栗さん自身の体験が動機となって背中を押している。(鴨志田隆之)

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戦争と差別に反対 若者たちがスタンディングデモ つくば駅前

選挙結果に危機感 2月8日投開票の衆院選で与党が大勝した結果を受け、戦争や差別への懸念を訴える若者たちが21日、「戦争と差別 もうたくさん!」などと書かれたポスターを手に、つくば駅前のつくばセンター広場で街頭に立った。外国にルーツを持つ若者を中心に80人余りが、それぞれが抱く経験や思いを語りながら、「声を上げ続けることの大切さ」を訴えた。 大学院生が呼び掛け スタンディングデモを呼び掛けたのは、つくば市在住の大学院生、ハナさん(25)。日本とナイジェリアにルーツを持ち、つくばで生まれ育った。2週間前の衆院選で、与党の自民党が大勝した結果について、「自分にとっては衝撃的だった。食べ物は高く、賃金は低い。毎日生活が苦しい状況で、軍事費を上げようとする。日本が戦争に向かっているように感じた」と語る。 ハナさんは、近年強まっていると感じる排外主義や差別に対する危機感も、デモ開催の理由の一つだという。ハナさん自身も、生活の中で差別を感じた経験がある。物件を探していた際、「アフリカ系のハーフだから難しい」と断られたことがあり、不動産業界でも外国人風の人を断る家主が増えていると説明されたことがある。 選挙戦の中では、つくば駅前で外国人排斥を訴える候補者を見ることもあった。「多様な人が暮らすつくばで、外国人を追い出せという声があるのは悲しい。ネット上でも差別的な言葉をよく見るようになった。それが訂正されないまま広がっているのが怖い」とし、「外国人や性的マイノリティ、女性など弱い立場の人が切り捨てられ、スケープゴートにされ、対立があおられていると感じる」と話す。 中高生らも参加 デモには多様な背景を持つ学生が参加した。中国で生活し、現地で反日デモを目撃した経験を持つ中学2年の参加者は「今の日本の状況には複雑な気持ちがある」と話す。「日本人だけど、中国語が話せるというだけで嫌なことをされたり、言われたりしたことがある。それはおかしいと思う」。一方で、多様な言語や文化に触れる経験は自分の世界を広げたとも語り、「いろんな人を受け入れる社会になってほしい」と訴えた。 市内在住の高校3年ジボフスキー・ニキータさんは、「外国人への嫌悪と闘いたいと思って参加した」と話した。同じく高校3年のマッコイ・キリアンさんは「私の家族も差別を経験してきた。差別のない平和な世界をつくっていきたい」とし、高校2年の荒木茉莉花さんは「戦争や差別のない世界にしたい。一つの国のことを語るにも、その国の中にもいろいろな立場の人がいることをしっかり考えなくてはいけない」と、国や立場によって単純に善悪を決めつけない視点の大切さを強調した。 「市民運動の力示したい」 ハナさんは、2年前から仲間たちと声を掛け合い、パレスチナ連帯を訴えるスタンディングを毎月開催してきた。そこで感じてきたのが今回のデモのテーマの一つでもある「市民運動の力」だとし、「選挙結果を見ると、みんなが差別に賛成しているように見えるかもしれない。でも、実際には反対している人は多い。パレスチナに関してもそう。その声を見える形にしたかった」と話す。また、外国にルーツを持つ人が政治について発言すると批判されることがあるとしながら、「日本に住んでいる人なら誰でも、差別は嫌だと言う権利がある」と強調し、「裏金問題や統一協会との関係など、批判されるべきものが批判されないまま、憲法改正が押し進められようとしている。私たちは、そんなこと望んでいない。差別は嫌だ、戦争は嫌だという当たり前のことを、当たり前に言える社会にしたい」と訴えた。 会場には、通行人も自由に思いを書き込めるように付箋と大型の模造紙が用意された。スピーチも誰でもできるようにし、「みんなの声を可視化する場にしたい」という思いが込められた。 来場した牛久市の細谷一明さん(62)は「23歳と17歳の子どもがいるが、彼らを戦争に行かせたくない。雰囲気に流されないよう、声を上げることが大切」と語った。(柴田大輔)

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つくば市平沢で林野火災 女性がやけど

【差し替え:22日午前11時】20日午後2時14分ごろ、つくば市平沢の山林で火災が発生、約3800平方メートルが焼けた。この火事で70代女性がやけどを負い病院に救急車で搬送された。 火は同夜11時42分、延焼の危険がない鎮圧状態となり、21日午後0時半時点でほぼ鎮火、22日午前8時50分に完全に鎮火したことが確認された。 市消防本部によると、現場は社会福祉法人筑峯学園北側の山林で、20日は市消防本部と消防団から消防車両14台と消防隊員ら81人が出動し、ドローンによる調査とジェットシューター(背負式消火水のう)などで消火活動を実施したほか、県防災ヘリコプターが上空から計10回4400リットルを放水した。 鎮圧後の翌21日も、残り火やくすぶりを完全に消し止める残火処理を午後0時半まで実施。さらに再出火防止のための巡回を続け、22日朝、鎮火が確認された。 市消防で出火原因を調べている。20日は筑峯学園の利用者らが一時避難した。 五十嵐立青市長は、林野火災の多くは、たき火や野焼き、たばこの吸い殻のポイ捨てなどが原因で、22日朝は市全域に林野火災注意報を発令しているとして、屋外での火気使用を極力控えるよう呼び掛けている。