屋外で楽しむビールとグルメのイベントが25日まで、つくばセンター広場(つくば市吾妻)ペデストリアンデッキで開かれている。「プレミアムビールとうまいもの祭り2022」実行委員会(宮本昭典実行委員長)によるイベントで、昨年は新型コロナウイルスの感染拡大で中止となり、2年ぶり8回目の開催になる。10日間にわたる会期中、台風の影響でイベントの終日中止に見舞われた日もあったが、最終盤の3連休に追い込みをかける。
イベントは、市内飲食店の出店を中心に2014年から毎年初秋に開催されているビール祭り。屋外に設置されているオープン座席でビール、ハイボール、スペアリブや牛すじなど、ビールとグルメを満喫できるほか、休日にはステージパフォーマンスを楽しむことができる。
今回は新型コロナの感染対策のため、座席数を以前の500~600席から250~300席に縮減し、出店店舗数も15店から8店に減らした。さらに来場者や関係者のマスク着用、各テーブルを1メートル離す、接触を減らすためのキャッシュレス決済の導入、会場内の複数箇所にアルコール消毒の設置などの感染対策が講じられた。
今年の特徴として、地域通貨機能があるスマホ向けアプリ「クラフトつくば」が新たに導入され、注目されている。1万円をチャージすると1万2000円分のコインが貯まり、会場内のドリンクやつくば市内の登録店舗で利用することができる。
近くに住む会社員の女性(26)は「SNSで知り初めて来た」と話し、友人の会社員男性(26)は「居酒屋でしか飲んだことがないので、屋外で飲む雰囲気が楽しめる。初めての飲む種類のビールもある」と話した。筑波大の教員3人と来場した東海村の研究者(50)は「コロナ禍なのでオープンエアで飲もうということで来た」などと話していた。
回復基調 センター広場3つの飲食イベント
祭りの実行委員長を務める宮本昭典さん(46)は、同市春日でお好み焼き店「より味ち」を経営する。「2年ぶりの開催を楽しみにしていただいたことに一番喜びを感じている。お客様が年々増えていて、みなさんに喜んでいただけたらという思いがあるからこそ毎回続けてこられた。飲食店が集まるイベントは地域経済の活性化にも繋がるのではないかと思う」と話す。
手作りのベーコンやハムのくん製、もつ煮などを販売する筑西市の食肉製造加工会社「風實(かざみ)」は14年当初から出店を続ける。同社の栗島俊一社長(65)は「つくばの人と相性が良くて、イベントで出会ったのをきっかけに、筑西のお店に来ていただけたお客様もある」という。
市学園地区市街地振興課によると、つくばセンター広場での飲食イベントは、毎年7月に開催の「つくばクラフトビアスト」、9月の「プレミアムビールとうまいもの祭り」、11月の「食と酒東北まつり」の3つがあるそう。いずれも恒例イベントとして定着しており、2020年と21年はコロナ禍で開催できなかったものの、今年復活にこぎつけた。
中でも会期が10日間と長い「プレミアムビールとうまいもの祭り」は、コロナ前の19年に3万人の来場者があった。渋谷亘課長は「主催者に地域を盛り上げたいという思いがあり、イベントにお客さんが楽しめる工夫がある」とイベント定着の理由を話し、「センター広場でのイベントが市民に求められており、特にお酒や食事のイベントの人気が高い」と語る。(于小玥=YU XIAOYUE=ドットジェイピー茨城エリアつくば支部インターン生、筑波大学情報学群 知識情報・図書館学類2年)