つくば市の筑波地区支線型バス「つくばね号」が10月1日から運行を開始する。同市北条の筑波中央病院から臼井の筑波ふれあいの里入口まで延長18キロ弱の運行ルートには、新しい標識を設置した34の停留所が整備され、運行開始日を待っている。
200円均一、1日16便運行
「つくばね号」は、筑波山の山裾の集落をめぐり、中腹の観光スポットに至る地区を走行する。ワゴン車サイズで、乗客8人乗り。運行事業は新栄タクシー(つくば市篠崎)が行う。
概ね午前8時から午後6時まで、年末年始を除く毎日、1日16便(上下線各8便)運行する。筑波山の紅葉シーズンなどは、渋滞の影響を大きく受ける区間において、部分運休を行うという。運賃は200円均一(税込み、乗車時に先払い)。65歳以上を対象に、申請すれば高齢者割引もある。

2022年3月までの3年間、3つのコースで実施した「筑波地区支線型バス実証実験」の結果などを踏まえ、市の公共交通活性化協議会で同ルートが採用された。実証実験時のふれあいの里~筑波交流センターの1便当たり利用者数は、平日約0.8人、休日約0.5人で、他の2コースと比較して利用者数が多かった。沿線には、病院や学校、スーパーのほか、平沢官衙(かんが)遺跡、六所神社跡、筑波山神社、筑波ふれあいの里、宿泊施設などがあり、観光路線としての乗客増が見込めるとされた。
さらに、沿線の区長や民生委員たちと意見交換会を行い、住民に身近に感じてもらえるようなコースを新たに決定し、運行開始の運びとなった。筑波中央病院行きが17.5キロ、筑波ふれあいの里入口(つくば湯)行き17.7キロ。それぞれ53分、54分の所要時間を想定している。
「つくばね号」の愛称は、沿線の秀峰筑波義務教育学校の児童生徒から募集し、同協議会で審議して決定した。
六所地区区長、柳原敏明さん(66)は「これから超高齢化社会で車を手放す人も増えてくる、地域住民の足となってくれれば良い。乗客数はそんなに多くならないだろうけれど、筑波山の観光客に利用してもらえばなんとかなるのでは」と語った。(榎田智司)