日曜日, 9月 20, 2026
ホームつくば2,3回目も質問や意見途切れず 洞峰公園事業説明会

2,3回目も質問や意見途切れず 洞峰公園事業説明会

知事発言に異議も

つくば市二の宮にある県営の都市公園、洞峰公園(約20ヘクタール)のパークPFIを利用したリニューアル計画で、2日に引き続き12日と21日、県による2回目と3回目の説明会が同市谷田部の谷田部総合体育館で開催された。両日とも参加者からの質問や意見が途切れず、予定時間を30分延長した。2回目は約30人、3回目は約50人がつくば市内外から参加した。

参加者からは、大井川和彦知事による6日の記者会見での発言に対し、異議を唱える声が12日、21日の説明会で複数の参加者から上がった。大井川知事は2日開かれた第1回目の説明会を念頭に「反対だという方は会場内にはいらっしゃいましたが、明確な理由はあまりなかったのかなというふうに報告を受けております。とにかく、変えてほしくないから変えたくないと言っているというふうにも聞こえます」と発言。会場からは「知事に、市民の声が正確に伝わっているか疑問」だなどの声が出された。

ほかに、施設での飲酒による治安への影響、樹木の伐採による自然環境への懸念のほか、「慣れ親しんだ洞峰公園を変えてほしくない」という意見や、収支計画の不透明さへの不満など、計画に対する否定的な意見が数多く出た。一方で愛犬家からは、ドッグランへの期待など、肯定的な意見も出た。

一方、参加者からたびたび質問に上がった、年間8000万円が必要とされる公園施設全体にかかる大規模修繕費の内訳について、2日の説明会で県担当者は「ウェブサイトに公表できるかも含めて検討する」と述べていたが、21日には回答方法は未定であるとした上で「後日、公開する」と答えるにとどまった。

県、現計画を「より良いものに」

また今回のパークPFI事業に対して「知事はゴーサインを出したのか」との質問に対して県は「もちろん、そういうこと」と回答した。21日の参加者からの「説明会を開いて(参加者の声を聞いた上で)今後どうするのかを決めるのかと思っていた」という声に対しては、「PFI事業は4月1日からスタートしている」とし、「県民、市民の皆さんの声を伺い、現状のPFI事業をより良いものにしていくことで、皆さんのご理解をいただきたいと考えている」と説明した。

最終回となる4回目の説明会は、31日(日)午後2時~4時 洞峰公園体育館(つくば市二の宮 2-20)で開催される。

会場で記入可能なアンケートについては、県のウェブサイト(「洞峰公園パークPFI事業に関する説明会及びアンケート調査の実施について」)を通じて回答できる。(柴田大輔)

儲ける公園 あり得ない」「市の許可出なかったら 出来ない」

21日の第3回説明会の参加者と県・事業者との主なやりとりは以下の通り。

約50名が集まった21日の説明会=同

参加者1 現在の洞峰公園利用者の、目的別人数、人数比率などのデータは、県・長大は持っているのか。例えば、スポーツ目的とか、散歩目的とか。

 お金を払って利用していただいている方は把握をしているが、散歩や広場で遊んでいる方の数は把握していない。有料施設の来園者数は年間27万人程度。

参加者1 目的別の人数を把握していないにも関わらず、茨城県、長大は「公園の魅力向上」「満足度向上」「にぎわいの創出」「収益」「コストダウン」ということをうたっている。果たしてにぎわいの創出が公園利用者にとってプラスになっているのかもわからない状態でこの言葉を使っているのは、あまりにも非常識ではないか。にぎわいをつくってうれしいのは、県と事業者だけでは。公園利用者は、静かでのんびり、いい空気を吸って、鳥をみて、花を見てということを希望しているのではないか。本来、公園というのは、行政サービスの最たるものであって、コストダウンや収益という言葉はそぐわないものだと思う。繰り返すが、散歩やウォーキング、憩いの場として使っている人にはにぎわいというものは全く不要。この件に関してどう思われるか。

 貴重なご意見として承り、参考にさせていただきたい。さまざまな意見をいただいているので、そういったものを含めて、いろいろと検討させていただきたい。

参加者1 このPFI事業は、県知事はGOサインを出しちゃっているんですか。洞峰公園でやることは決定になってるんですか。

 その方向で進めさせていただいているので、こういった説明会をさせていただいているという状況。

参加者1 分かりずらい。県知事はゴーということで、もうハンコは押してるんですか。

 もちろん、そういうこと。

参加者2 質問が2点。まず1点、インクルーシブ遊具はさまざまな市町村等で導入されていることはよく耳にしているが、その際にトイレの方も拡張していただきたいという思いがある。(利用者の)ご家族の皆さんは、遊具によって公園に入りやすくなる分、排泄が困難だと、せっかくある遊具を有効に活用できない。トイレは障害のある方にとって大変重要なもの。その件については再検討をお願いしたい。もう1点、シンプルになるが、県職員の皆様、事業者の皆様、是非、洞峰公園の利用をお願いしたい。言葉を聞いている限り、皆さんから(実際に洞峰公園を)利用したという声がまったくない。県内で働いている皆さんが積極的に洞峰公園を活用していただいて、利用した感想を、県職員の声というものを聞いてみたい。事業として、都市公園法の下で進めていることもわかるが、公園をプライベートで使ったこともないのに公園のことを語る資格はないと思う。県職員の皆さんが公園をプライベートで活用していただいて、その声を県職員として活用していただくことが、筋だと思う。

 ありがとうございます。1点目のインクルーシブ遊具に関しては、障害者を支援している団体などからも何度かお話しを伺い、その際にもトイレのお話は伺っていた。トイレについては、既存のものを改修することに今後なる。その際は、その辺りの配慮は考えていかなければいけない。今後検討させていただきたい。それから我々県職員も、この洞峰公園を利用して、肌で感じることは重要だというご指摘、そういったことを感じながら、この計画を進めていき、説明会、アンケート調査等で寄せられた様々な意見を踏まえて、より良い公園にしていきたいと考えている。

参加者3 (洞峰公園を県は)稼げる公園にするというビジョンを持っているということでいいのでしょうか。

 稼げるというか、今回の計画の大きな柱として、公園内の区域を利用し、収益を上げて公園の管理費に充てるというのがパークPFI制度の大きな特徴。稼ぎながら適切な管理をしていくというのが趣旨だと考えている。

参加者3 収益を上げられるから、適切に管理できるというわけですね。公園というのは自治体の仕事。自治体が提供するサービス。警察や消防署と同じ役割があると思っている。なので、収益を上げなければ運営できない状況にしてしまうのは、自治体の怠慢じゃないかなというのが私の意見。特に、この洞峰公園はつくば市の中心にあり、街づくりの中心を担う公園。他の小さな公園とはまた役割が全然違う。そういった都市計画の中心的な公園を、簡単に民間に渡してしまうということに、私はとても不信感を持ち、残念に思っている。税金を使ってもいいので、ちゃんと運営してほしい。

 ご意見ありがとうございます。

参加者4 安全管理について伺いたい。不審者対策について、管理人が24時間常駐とのことだが、不審者というのは、通常の出入り口から出入りするとは限らない。壁を乗り越えるなど、それ以外から入ることも考えられる。これをどう防ぐのか。また、客同士のトラブル、飲酒をした際のトラブルはどう対処するのか。それを管理人が抑えられるのか。

 基本的には、事業所が説明している防犯対策、治安対策でまずは対応する。それ以上のことに関しては、今後、警察などと相談しながら検討していく余地はあると考えている。

参加者4 騒音調査について、酒を飲むと騒ぐ人がいる。宴会、音楽を流すなどでの騒音調査はしたか。

 騒音のシミュレーションをどういった条件でやったのかについては、土浦にあるグランピング施設で実際の騒音をチェックした。その際に、グループでの利用者など一般的な利用状況を踏まえて騒音状況を測定した。

参加者4 24時間のトレーニングジムは非常に危険だと思う。無人だ。もし利用者が心臓まひを起こしたり、けがなどした場合にどう対応するのか。また深夜の利用者同士のトラブルや犯罪につながるのではないか。

 24時間のジムが危ないのではということについては、実際に民間でも24時間のジムはある。詳細については、私の方からはなんとも言えないが、今の時点で考えられている安全対策がとられると考えている。

参加者4 パークPFIによる指定管理での収益還元の割合が分からない。あるいは、金額で想定されているか。どれくらいの割合の収益還元を考えているか。

 収益還元の割合は、改めて確認の上で回答する。

質問者4 グランピングの提案っていうのはそもそも県が提案しているのか。それとも長大の提案か。

 県が提案したものではなく、公募の段階で事業者から提案があった。

参加者4 茨城県の総合計画が、2022年から25年まで第2次のものが行われている。そのポイントとして「県民の声をすいあげていく」とある。県だけで決めるのではなくて、県民と協力しながら、協力・連携のもとでこの総合計画を進めていると思う。地域づくりの方向というのは、基本的に、その地域住民の自主性を尊重していく、その地域の住民の声を尊重していくということが書かれている。計画の中には「人に優しい魅力ある街づくり、快適で美しい街づくり、レクリエーション、交流空間を創出するための都市公園」とある。まさに洞峰公園がそうだと思うが「都市公園等の整備を通じ、地域の魅力を活かした街づくりを推進する」とある。静かな、緑の木々のある洞峰公園が魅力。それをにぎわいなるもので壊すことが、地域の魅力を活かした街づくりになるのか。是非、再考していただきたい。

 総合計画で位置付けられている県民の声を聞いてということについては、まさにこういった説明会やアンケート調査が、県民の声を聞くために行っていると認識している。

参加者5 グランピング施設の中で自由に飲酒できるか。

 それ(飲酒)は可能。

参加者5 ということは、飲酒した人が自由に(グランピング施設の区域外の)園内に出られることも考えられる。外からグランピング施設に入る人は監視できるが、中から酔っ払いが外に出て、例えばジョギングをしている女性や、早朝通学している子どもたちにさまざまな影響が出る。つまり、安心して夜の散歩やジョギングができないような環境が必然的にできるのではないか。グランピングするなら、飲酒した人はグランピング内から外に出させない。それができないなら、グランピングはやめるべき。普通の人が朝から夜まで楽しんでいたものが使えなくなってしまう。それが心配だ。

 貴重なご意見として承り、ご参考にさせていただきたい。

参加者6 アンケートの集計結果の公表はされるのか。その日程と方法を示してほしい。というのも、第1回終了後の知事の定例記者会見の知事の発言は、説明会でのやりとり全てが知事にきちんと伝えられたとは思えない内容だった。アンケートの集計結果を含めて、知事に伝えられた内容を我々が共有して初めてアンケートの信頼性が保たれると思う。計画そのものに対する反対意見を含めて(アンケートの)選択肢にない、その他の質問などのスペースに書かれた一字一句が知事に伝えられるのかとても心配。つくば市と共有すれば県民に対してアンケートの透明性を保持できると考えているのか。

 アンケートの取り扱いについて、まずはつくば市と共有するということでアンケート調査を行なっている。結果を公表しないということは全く考えてない。集計の上で、なんらかの形でお示しすることになるかとは思うが、現段階で、どういった形で集計して発表していくかというのは、今後もつくば市と相談しながら検討していくことになる。知事へもその結果というのは当然報告する。

参加者6 グランピングのエアコンの排気について、室外機について調査されたということが以前の説明会でなされたが、排気による気温の上昇については調査されたか。夏場のエアコン排気はヒートアイランド現象の要因の一つ。これまで草地だった野球場にグランピング18棟と共用棟などの人工物が設置されることで、風通しが悪くなるだけでなく、エアコンからの高温の排気が24時間垂れ流されることになる。グランピングの施設はテントタイプ、コテージタイプ共に断熱効果の期待できない造りであり、快適な室温に保つために周囲のランニングコースの気温が上昇することは明らか。これでも従来の利用者が尊重されているといえるのか。

 グランピング施設のエアコンによる排気については、具体的に何か検証したわけではない。一般論として、根拠があるわけではないが、ある程度のエアコンから出る排気については、許容される範囲ではあると個人的には考えているが、必要に応じて検討する必要があるとは考えている。

参加者6 県からは電力需給のひっ迫により節電するよう再三要求されている。世界的にCO₂削減が叫ばれている中で、地球温暖化を促進するような事業を推進することの整合性についての説明を。

 温暖化についても同様で、一般的に新しい建物が造られればエアコンは付いてくる。それに対して電力がひっ迫している中でそれを止めるというのは、ちょっと論点が違うのかと、個人的には思っている。

参加者6 これまでの質問で答えをいただけなかったことに対しては、ホームページでお答えいただくと伺っている。もうホームページで回答はされているのか。

 その回答につきましては、全4回の説明会が終わってから、なるべく早く整理をしてホームページに掲載したいと思っている。

参加者7 洞峰公園は自然の中でぼーっとするのが好きなのでよく行っている。先ほどから聞いていて、春ごろに見た地図と今日拝見した地図で、計画の変更があった。皆が取り入れてほしい計画に内容を修正したようだが、結果、それで非常につまらなくなった。グランピングって自然の中でおいしいものを食べて、お酒を飲んで、アウトドアの気分を楽しんだりするんでしょうけど、いろいろ配慮をして、部屋から出るなとか、酒飲むなとか、柵を立ててそこから出るなとか、そんなふうな計画になってるので、そもそもこの場所に造ることに無理があるのではないか。

 我々も洞峰公園にとってどういった形がいいのかというのは常に考えながら、事業者も計画の見直しを考えて、3月のオープンハウスでお示ししたものから、今日ご説明したものへと修正を行なっている。そのせいで使い勝手が悪くなるのではないかというようなこともあろうかと思うが、その点もバランスを見ながら検討しており、今日いただいたご意見を参考にさせていただきたい。

参加者7 県と事業所の方が、皆同じような年齢で、男性ばかり。(会場の)住民の方々はいろんな年齢、立場、女性もいる。計画を進める方にも、いろいろな年齢や性差が入ってくれたならば、もうちょっと細かいところが見えるのかなと思う。私たちは有志で自腹でここにきた。私たちは真剣に、今まで慣れ親しんだ洞峰公園のこの現状を変えてほしくないという意志でこれだけの人が集まり、様々な意見が出ている。

参加者8 プール、体育館の大規模修繕に年間8000万円かかっているというご説明だったが、その8000万円をかけてどういったことをするのか説明してほしい。リニューアルしてものすごい施設ができるのか、現状維持のために8000万かかるのか。

 大規模修繕にかかる費用の根拠としては、プールや体育館に限らず、公園全体の将来的な維持管理、修繕に関わる費用を平均して算出している。例えば、フィールドハウスという建物の改修費用、プールなどの目に見えないところもある。そのほかに修繕しなければならないところも将来出てくるため、そういったところも見込んでいる。で、あくまで修繕費用であって、建て替えなどは考えていない。建て替えが必要となれば、さらに費用が必要になると思う。最低限の維持管理、修繕。施設をなるべく長生きさせるためにも一定の費用がかかるということで、積み上げ試算をした。内訳については、後日お示しする。

参加者8 6000万円の経費を削減するという。また指定管理面積が減るから、指定管理費が2000万円減ると。その分、事業所がそこを維持管理する。残りの4000万円が「にぎわい創出」によるものであるという想定かと思うが、この4000万の内訳を教えてほしい。

 4000万円の収入増の内訳は、駐車場拡張による単純な収入増、テニスコートの拡張による利用増、また、もろもろの「魅力向上」による今の体育館やプール、テニスを含めたスクールに通われている方の増加を、事業所が想定し、約4000万円の増収というものを見込んでこの収支計画が建てられた。

参加者8 このパークPFIをやろうとやるまいと、(結果として)体育館やプールがなくなることが一番悲しい結末だと思っている。そのリスクをどのようにお考えか。たとえば4000万円の収益が出なかった時にどうなってしまうのか。公金を使ってその分の維持管理費を負担するのか、事業者が負担をするのか、地域住民が利用料という形で負担しなければいけないのか。

 制度の仕組みとしては、万が一収入が見込めない場合でも、税金を使って、いわゆる指定管理料は10年間の固定の金額というのが決まっているので、そこで追加で税金を使って何かをするということはない。事業者が工夫し、この収入を確保しながら公園の維持管理をするということが前提となっている。

参加者9 地球温暖化について心配している。この事業は地球温暖化に無関心で、SDGsにも逆行している。グランピング施設建設により駐車場建設に伴い樹木が伐採されるが、これに反対する。グランピングやドッグランが野球場跡地に建設予定だが、あそこには木が一本もなく、木陰がない。こんなところでグランピングの稼ぎ時と考えられている夏には、朝から猛烈な暑さが予想される。人間にも犬にも居心地がいい場所ではないのでは。ドームテントには断熱材は使われているのか。ドーム内は炎天下に置かれた車内のようにならないか。管理棟を含めると40台以上のクーラーの設置になるかと思う。省エネを考慮していないものをつくるのは、地球温暖化に即したものであるのか、県、事業者それぞれの意見をいただきたい。

 回答はまた改めてさせていただきたい。

参加者9 大規模修繕については、まだ計画が立っていないという話だった。どのようにして8000万という数字が出てきたのか。

 指定管理者の筑波都市整備、東京アスレチッククラブの2社で指定管理をしてきた中での、いわゆる小規模の修繕とは別に、県の方から発注している修繕工事というのがあり、それを積み上げている。それを整理して、改めてそこはお示ししたい。将来の計画もないわけではなく、計画があるものを積み上げて算出している。そこはきちんとお示ししたい。

参加者9 年間8000万円で20年かければ16億。16億の金が、プールや体育館の修繕費に本当に必要なのか。普通なら最初に修繕費がいくらかかるか金額を出して、そこから逆算していくんじゃないか。16億というお金はについてどう考えているのか。

 (修繕費が)プールと体育館だけではないということを先ほどからご説明している。公園全体の修繕費というのはそれなりにかかってくる。その中でも体育館とプールというのは、高額だというように考えている。

参加者9 しかし「ここにいくらかかる」という具体的なものが一切出てこない。私たちはこの金額をどう信用すればいいのか。

 出さないと言っているのではない。出させていただく。なぜ後から出させていただくかと言えば、参加者の中には1回目だけ出席されて、その後(別の回に)出席しない方もいる。そういった方に公平に情報を提供するためには、(質疑やアンケート等で)提案していただいたものを、私共でまとめて、説明に来ていただいた方全員に提供するという趣旨で、個別の説明会での説明を避けている。(4回目の)説明会が終了し次第、速やかに公表する。しばらくお待ちいただきたい。

参加者10 洞峰公園はつくば市だけではく日本が誇る公園の一つになっていると思っている。自然の中を散策し、森林浴、セラピーとしてのリフレッシュなどの効果が出ている。そういった中で、利用者にとっての共有地を切り売りするような、儲けるための公園っていうのはありえないと思っている。グランピング、ドッグラン、トレーニングセンター、ビール工房は、(公園外の)至る所にある。なぜそれを公共の土地でやらなければならないのか。さらにPFIで業者が収益を上げる前提だが、それが崩れるということは有りうる。どのくらい還元させるのかといえば、それも答えがない。私は、(県と事業者が)説明会を開いて今後どうするのかを決めるのかと思っていた。でもそうじゃないらしい。もう決まっているんですよね。もう一度立ち止まってほしい。こんな状況で進めるのは無理がある。この説明会の意図を説明してほしい。

 説明会の意図というのは、何度も説明しているので、出席回数の多い方はご存知かと思いますが、今回の説明会、それからアンケートについては、事業の内容について丁寧に説明し、県民・市民の意見を聞きたいというのが唯一の趣旨だ。

参加者10 私たちの意見をどう反映させるのか。

 ですので、どう反映させるかを含めて、説明会が一旦終わって意見を取りまとめ、その上で対応について告知をさせていただければと考えている。その方法については、ホームページに載せるのか、改めて説明をするのか、その他の公表という形でやっていくのかは、現在決めているわけではないので、その方法については改めて発表させていただきたいと思っている。

参加者10: パークPFIは決まっているという前提なのか。これは覆ることはないのか。

 事実、パークPFI事業は4月1日からスタートしている。覆らないのかと言えば、現在進んでいるものについては、もうスタートしているというお答えになる。ただ、こうして県民、市民の皆さんの声を伺い、反映させるべくやっているのは、全てを覆させるのかどうかというのは別にして、より良いものにしていくための検討を、私共の方でもさせていただきたいという趣旨で意見を聞かせていただいているというところ。そういったことでご理解をいただければ。それから、PFI事業が覆らないのかとのことについては、現状のPFI事業をより良いものにしていくことで、皆さんのご理解をいただきたいと、考えている。

参加者10 公園自体は、私たちだけでなく、次の世代が使っていくもの。やっと40年かけて森が育ってきたんですよ。そういった視点で是非考えていただきたい。

 併せて、私どもで説明してなかったと思うんですが、4月に事業がスタートしているんですが、事業自体が進行しているかというと、今のところストップしている状況。県が説明している中で事業を進めるのはよろしくないだろうということで、今は止めている。

参加者11 南側駐車場の拡張について伺いたい。グランピングには各棟にシャワー・トイレなどがつくと思うが、配管はどこを通すのか。

 詳細の設計はこれからということで、今は説明できる材料がない。

参加者11 配管の設計もなくて、ここまで(計画を)出すというのはおかしくないか。グランピングの位置まで全部書いているのに、配管をどこに通すかというのがないというのはおかしい。これ、当然(設計を)やってますよね。沼には流さないというのはさっき聞いているが。

長大 今のご質問ですが、変更後の概略設計を、今、手続き作業をしているところだが、我々は設計者ではないから、現時点で回答できる概略図面等の材料を持ち合わせていないため、後日改めてご回答したい。

参加者11 では、配管の行き先はどこか。上・下水道の本管はどこに。

 既設のつくば市の下水道に接続する。大通りの方に本管が通っていますのでそこに接続する。

参加者11 沼に出さないということは(配管は)駐車場の下か、園路を通すのか。

 駐車場であったり、園路の下であったり。

参加者11 園路は壊さないという話だった。園路には影響は与えないという契約と聞いていたが。そうすると、駐車場の拡張というのは、みなさんが駐車場のことで困っているからというよりは、自分達の配管を通すためのものだったのでは。

 園路を壊すということはないが、実際に園路の下を通すかどうかわからないが、仮にそうなった場合、必要な工事の後に現況に復旧するというのは通常これまでの維持管理の中でやっていることで、許容されることと考えている。

参加者11 質問を変える。この駐車場の拡張の際に木を切らないよう努力すると長大さんはおっしゃっていたが、拡張エリアに木は何本あるのか。

 そこもこれから調査して、なるべく影響がないように設計していく。

参加者11 私、前に数えたんですが、400本あった。長大さんの計画に入る別の場所も合わせると全部で600本。これを全部伐採しないと計画を進められないと思う。これはものすごく影響があると考えている。

 実際、樹木の調査に入れていないのが現状。これから適地がどこかということも含めて、なるべく影響が少ないようにするいう考え方のもと(計画を)提案させていただいている。

参加者12 洞峰公園を変えてほしくない。グランピングなんて誰も来ない。ビール工房とかつくったり、なんで公園の中で酒を提供したり、こんな施設をつくらなければいけないのか。全然、つくば、茨城らしくない。私がやるなら、にぎわいとしてやるなら、北側駐車場の方に科学の展示物を置いて、茨城は農業県だから農作物が買えるような場所をとりあえず駐車場の方に置いて、道の駅みたいに農作物が買えるようにする。(公園の)中はいじる必要はない。駐車場は広げる必要はない。土日は利用料を倍にするなど値上げすればいい。利用者のほとんどは土日だから。それだけで稼げる。グランピングなんて儲かると思えない。とにかく酒とか、そんなの公園じゃない。やめてください。

 貴重なご意見ありがとうございます。検討いたします。

参加者13 今回の指定管理事業とパークPFIの中で、声高々にインクルーシブ遊具を語るのをやめてほしい。そういうことは本来、私たちが払っている税金でやらなければいけないことで、パークPFIをやらないとインクルーシブ遊具を入れられないというのはおかしい。福祉、誰も取り残さないなど言葉はいろいろあるが、やっぱり、皆が楽しめるっていう、ハンディキャップっていうのは、メンタルのこともある。そういう人にとってもにぎわいがあるところでよくなるのかと。仕事に疲れた人とかがいう視点だと、癒しとかっていうのがベースにあって、そういうところから公園というものを考えていただきたい。

 貴重なご意見ありがとうございます。

参加者14:事業者募集の際に、Q&Aというのが県のホームページに出ている。建築基準法第48条のただし書きに基づく許可を受けるための事前相談について、いつ、どのような書類で相談すればいいかという問いに対して「提案書提出前に、配置面積等の概要が確認できる資料で県に事前相談の上、つくば市に確認協議」ってお答えされてるんですよね。で、このことが6月のつくば市議会で問題になった。(洞峰公園は)宿泊施設が本当は建てられない場所。だからグランピング施設を建てるとしたら、つくば市の許可が必要。もしもこの許可が出なかった場合、今回のメーン事業であるグランピングができない。だけど、このグランピングを前提とした事業者を県は選定されて、年間8800万円の指定管理料で足りると、10年間の契約をしたわけだが、もし市が許可を出さなかったら、この事業、成立しない。それを分かって県は契約した。この許可が出るという前提でやっているのか。市とそんな相談してるのか。市はどこかで「できますよ」って言ったんでしょうか。そうでないとしたら、やれるかやれないかも分からない事業を、県は契約したということ。つくば市は許可を出すって言ったんでしょうか。許可が出なかったら誰が責任を取るんですか。

 まず建築基準法上の手続きとして、48条の特例許可が必要になってくるのですが、その中で、48条の許可を下すのは、つくば市になりますが、つくば市も「建築審査会」という第三者委員会に諮らなければならない。では事業者募集の段階で、正式にそこに諮れるかというと、まだ正式に決まってもいないのに、それはできない。だから(事業者は)県に一声かけて、事前に市の建築指導課に相談をしてくださいということ。当然、つくば市も、建築審査会にかけているわけではないので、できる、できないの判断はできない。それは事実。ただ、こういう手続きを踏めば、可能性はありますよと我々は認識し、事業者も認識し、それに沿って手続きを進めてきた。そこでできるとも、できないとも、市は判断していないが、一般的に建築基準法48条の特例許可を受けるための要件というのはあるので、その要件に照らし合わせれば、この計画は決してダメな計画ではないということが分かる。そこはつくば市から「絶対できない」というような回答は得ていないので。もちろん、絶対できる、できないということはないが、その可能性はあるということで、この(グランピングを含む)計画を(県が)認定したということ。

 つくば市の判断を待っては事業者の決定はできないため、事前の相談の上、対応しましょうというのが、パークPFI上のやり方でございます。

※12日開催の2回目説明会については、ハウリング等の録音の不備により、質疑の主なやりとりを掲載しませんでした。

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【コラム・小泉祐司】土浦全国花火競技大会は「スターマイン日本一を決める大会」といわれる。スターマインとは、いわゆる速射連発のこと。筒を数多く並べ、数百発もの花火を短時間に次々と打ち上げる。1本の筒から多数の玉を連続して打ち上げる「早打ち」とは異なる。 この名称は和製英語とされる。「Star」は花火の光の粒、「mine」は地雷を意味し、星が地雷のように次々と爆発するイメージから名付けられたといわれるが、明確な考案者の記録はない。 速射連発の起源は古く、1877年、明治天皇の長野行幸の際、伊那の花火愛好家たちが「菊畑(きくはた)」と呼ばれる連続打ち上げを披露したのが始まりともいわれる。翌1878年から、笠間稲荷でも、こうした連発仕掛けが打ち上げられていたとの説がある。 「速射連発(スターマイン)」という名称が記録に登場するのは昭和初期。1927年の長岡大花火大会の記録にもその表記が見られ、このころには花火業界で使われていたことがうかがえる。 スターマインの聖地、土浦 スターマインの歴史を語る上で忘れてならないのが土浦である。かつて速射連発は、仕掛花火の「裏打ち(引き立て役)」として扱われることが多かった。それを土浦では、1959年の第28回大会から「速射連発の部」として独立した競技部門にした。1982年に「スターマインの部」と改称され、全国の匠(たくみ)が技と誇りを懸けて競い合う舞台へと発展していくことになる。 幅40メートルの区画に組み立てた数百本の筒から、コンピューター制御によって音楽とシンクロし、圧倒的な物量と絶妙な間合いで夜空に描かれる芸術。全国から選ばれた22人の花火師が、スターマインの聖地 土浦に集い、優勝者に授与される経済産業大臣賞を目指し、その技を競い合う。 「土浦花火づくし」の誕生 さらに2000年、「土浦の花火」に新たな歴史が刻まれた。内閣総理大臣賞の授与開始とともに、大会提供のワイドスターマイン「土浦花火づくし」が始まったのである。 この企画に携わったのが、土浦の花火大会運営に長年関わってきた湯原洋一氏(8月16日掲載)だ。当時の上司から「今度70回大会なんだよな。なんか花火でできることねえか」と声を掛けられた。 そこで湯原氏の頭に浮かんだのが、当時、大曲で行われていた大会提供花火だった。これを参考に、日本煙火協会茨城地区会と協議を重ね、「土浦らしい花火を見せるには、ワイドスターマインにしよう」と企画を結実させた。 幅500メートル、9カ所から打ち上げられる約2000発、約6分間に及ぶ壮大なドラマ。視界全体を覆い尽くす圧巻のパノラマ感は、今や大会を象徴する名物となった。 速射連発から芸術的なスターマインへ。そして、その技術を競う舞台として発展してきた土浦花火の歩みは、日本のスターマインの発展を映す歴史そのものなのである。本日はこれにて打ち留めー!(花火鑑賞士、元土浦市副市長) <参考文献>「ドン!と花火だ」(武藤輝彦、三空出版、1994年)「日本の花火のあゆみ」(武藤輝彦、あずさ書店、2000年刊)「花火と土浦」(土浦市、2018年)「土浦と大曲の友情物語」(コージーセレクション、2023年製作)「越後煙火史」(長谷川健一、文芸社、2025年)※青字部はクリックするとYouTube動画が見られます。

公立幼稚園の再編案を撤回 保護者の懸念や反発受け つくば市

来年度の入園者数もとに見直し つくば市立幼稚園15園のうち、6園を休園とし9園に集約する同市の市立幼稚園再編計画案について、五十嵐立青市長は18日開かれた市議会全員協議会で、2028年4月から実施するとしていた再編案を撤回し、早急に結論を出さず、計画を見直すことを表明した。 今月12日から17日まで、同市が計3回実施した再編案の市民説明会で、保護者から懸念や反発が相次ぎ、再編案の議案を審議する市教育委員会にも計画の見直しを求める請願が複数の園の保護者から出されていた。18日、五十嵐市長は「短期間で早急に計画を実施することに対する戸惑いや不安の声が多く寄せられた。少し時間をかけて内容の一部見直しを実施したい。基本方針は継承しつつ、来年度の入園者数をもとに見直したい」などと話した。 6園を休園に 再編案は、2028年4月から、筑波、上郷、桜南、東、吾妻、桜の6幼稚園を休園とし、近隣の市立幼稚園に集約するなどの内容だった。併せて、現在15園中2園でしか実施していない3年保育を、来年度から新たに2園で実施し、28年度の集約後は9園中8園で実施するとしていた。 理由として、市立幼稚園を取り巻く状況を上げ、つくばエクスプレス(TX)沿線開発により同市では0~5歳の未就学児は増加しているのに対し、共働き世帯の増加などに伴い市立幼稚園の園児数は年々減少し、定員に対する充足率は今年4月時点で市全体で36%で、4歳児と5歳児を混合学級とした幼稚園が複数あるなどとしていた。 こうした状況から市は昨年9月「市立幼稚園のあり方検討会」(委員長 藤井穂高筑波大教授)を設置。今年7月「質の高い集団教育を維持するため(各学年6人以上など)適正規模化と集約化を図る」などとする答申が出された。答申を受けて市は9月、保護者との意見交換会や市民説明会を開き、15園を9園に集約する再編案を示した。その際、来年度の入園募集が始まる10月末には再編計画を最終決定するとし、説明と合意形成の期間を1カ月ほどしか設けなかった。 見直し求める意見や要望相次ぐ これに対し3回の市民説明会では保護者から「9月に説明会を開いて、10月後半の募集までに決めるというのはあまりにも拙速」「集約先に通えない子が出てくる。皆が通えるような計画を立ててほしい」「入園する子供を増やす努力はしないのか。園児数が減っているというが(現状の2年保育を)先に3年保育にしてから入園数の動向を見てはどうか」「筑波地区は幼稚園が全く無くなってしまう。保育園をこども園にすることを検討しないのか」「(今年4月の園児数を基準に集約先を決めたとしているが)休園にする吾妻幼稚園周辺にはこれから1000戸を超える大規模マンションが建つ。長いスパンでシミュレーションはされているのか」など、再編案の見直しを求める意見が相次いだ。 18日の市議会全協で久保田靖彦市教育局長は「説明会から1カ月(で決定というスケジュール)は急ぎ過ぎる日程だった。今後は丁寧に説明していく必要がある。保護者や地域住民と対話を重ねたい」とした。今後については、来年度の入園者数を見据えて検討するとし、現時点でのスケジュールは未定。3年保育については、来年度から予定していた大穂と竹園西の2園は実施する。 市や教育委員会に見直しを求める要望書を出した吾妻幼稚園保護者の石井エリイさんは、再編案の撤回について「9月初めに再編計画を知った時は寝耳に水だった。それから短期間に各園の保護者たちとつながって、保護者の仲間たちとそれぞれの園で、再編計画の見直しを求める要望書を出した。自分の園だけを残してほしいという人はなく、皆でつくばの公立幼稚園の大切さを訴えた」とし、今後の再編計画の見直しについては「数字で見えるものだけで判断するのではなく、地域にとっての価値なども検討してほしい。地域と一緒に、市と話し合いをしていけたら」と話している。(鈴木宏子)

南下のシギとチドリを探しに《鳥撮り三昧》17

【コラム・海老原信一】9月になると、南下する数少ないシギとチドリを探して回る。稲刈りを終えて蘖(ひこばえ)が出始める田んぼ、収穫も済み水が少ないハス田を見て回る。このころに見られるのは幼鳥が多いが、時々、珍しい種に遭遇する。 この「シギ・チドリ回り」に際して心掛けていることがある。農家が作業中であるときには、近くには行かない。そのため、早朝とか夕暮れ時になることが多い。このことは撮影に好都合でもある。日射しが柔らかく、被写体を優しく照らしてくれるからだ。 農作業している方がいなければ、普通の時間帯でも観察する。要は、「農家の方の仕事場へ鳥を見に行かせてもらう」との心持ちが必要だ。肝心の鳥たちは、居そうな条件が合っても居るとはいかず、かなり広い範囲を見て回る。今日はここからとハスをのぞいたりすると、そこに居てくれたりする。 「必ず」がないことが鳥見の面白さであり、そんな繰り返しの中で、あるハス田をのぞき込んだとき、思わぬ出会いがあった。 いつも見る鳥とは違うぞ ハス田に近づいた私を警戒して、隣の区画に飛んだ鳥がいた。姿がはっきり確認できたわけではないのに、「いつも見る鳥とは違うぞ」との直感が働く。先輩方の「違和感が大事だ」という教えがいつも身中にある。 そっと双眼鏡を向けると、そこにはやはり見たことのない鳥の姿が…。緊張に少し興奮。帰宅して、急いで図鑑を開く。ページを繰るが、該当する種がない。「そんなはずは…」と探すが、見当たらない。図鑑にもない種なのか? 困って、先輩に画像を送り、助けを求めた。 答えは早かった。「コオバシギの幼鳥」だと。えっ、それなら図鑑にあるはずなのにと、再度、図鑑を探す。結果、そのページを飛ばしていることに気づいた。ちょい情けないドジっぷり。昨年のちょうど今ごろの話。(写真家)

元研究補助の男性が産総研を提訴 次世代発電の実験中に高濃度のアンモニア吸引 

産業技術総合研究所つくばセンターの研究補助だった男性(46)が2021年、福島県郡山市の産総研福島再生可能エネルギー研究所に出張し、実験作業中、人体に有害な高濃度のアンモニアを吸い込み、気道などに損傷を受け後遺症を負ったなどとして今年7月、産総研を相手取って、水戸地裁土浦支部に、慰謝料など計約490万円の損害賠償を求め提訴していたことが分かった。 男性は2015年12月に同つくばセンターの省エネルギー技術研究部門(つくば市並木)に採用され、ひと月のうちの2週間は福島に出張。石炭や天然ガスに代わり二酸化炭素を出さないアンモニアを燃焼させて発電する次世代の燃焼技術を開発する実験の補助をしていた。 2021年7月14日、液化アンモニアを燃焼させる実験終了後、上司の指示を受けて配管内に残った液化アンモニアを取り除く作業中、出てきたアンモニアを吸い込み、強い頭痛と胸の痛みに襲われた。数カ月するとせき込むようになり、強いせきが何度も出てろっ骨を折ったほか、わずかな量の化学薬品にさらされるだけでせきが止まらなくなるなどの症状が出るようになった。男性は労災認定されたほか、後遺障害にも認定。事故後は実験補助の仕事から離れ、つくばセンターでパソコンを使った事務作業のみの仕事になった。その後2025年3月末、雇用する予算が無くなるとの理由で雇止めになった。 聞き入れてもらえず アンモニアは吸引すると、皮膚や目を損傷し、呼吸器に障害が出るなどから、取り扱う場合は、労働安全衛生法などで保護具を着用することとされている。 男性によると、配管に残ったアンモニアを取り除く作業は、「除害槽」といわれるタンク内の水に配管のアンモニアを溶け込ませる。除害槽内の水は、アンモニアをこれ以上溶かし込むことができなくなる飽和状態になったことを確認したら、廃液回収業者に依頼して交換しなければならない。 事故のあった前日、男性は、前日までの実験により、除害槽の水がアンモニアで飽和状態となっているかもしれないと考え、上司に、除害槽の廃液回収の手配を依頼したが聞き入れてもらえなかった。事故当日、上司から作業の指示を受けた男性は、除害槽が飽和している可能性があると考えられたことなどから「危険」だと答えたが、上司から強い口調で「やってください」と命令があった。配管に残ったアンモニアを取り除く作業をする時は防毒マスクを着用しないよう指示されていたため、男性は防毒マスクを着用せずに現場に入った。そして事故に遭ったとする。 後遺症伝えると不採用に 事故により男性は通院治療を余儀なくされた。退職後、就職活動をする中、面接で「職場で化学薬品を使うとわずかな量でも反応し頭痛やせきの症状が出る」と伝えると不採用になった経験が複数あったなど、理不尽さをたびたび味わい「産総研の事故の影響で就職することがとても困難な体になったと思った」と話す。 男性は退職直前の2025年から弁護士を代理人とし、事故の責任について産総研と話し合いを始めた。しかし折り合わず、土浦簡易裁判所に調停を申し立てたが不調に終わり、今年7月、提訴に至った。 男性は「2021年の事故後も、私が退職する2025年3月末までの間に、福島に出張した職員が事故を起こし、実験が停止になる事案が5件発生している」と指摘。「アンモニア発電の研究は国が進めてきた水素社会の実現に向けた研究開発の流れの中で進められているが、このままでは、どのような事故が起こり、自分の身に何が起こったのかが知られることなく風化させられてしまうと思った。研究現場でどのような事故が起こり、私の体にどのような被害が出たのかを社会に知ってもらい、将来この技術を扱う人に同様の事故が起こることを防ぐため提訴した」と語る。男性の代理人でつくば市の飯塚皓弁護士は「粛々と裁判手続きを進めたい」とする。 これに対し産総研報道室は「裁判に関するコメントは差し控えさせていただきます」としている。(鈴木宏子)