火曜日, 2月 3, 2026
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「気韻生動」という写真集 《写真だいすき》10

【コラム・オダギ秀】またまた昔の話で恐縮してしまうが、古い写真集の話をする。ボクにとっては貴重な写真集で、見ていると、つい涙してしまうのだ。

「気韻生動(きいんせいどう)」という写真集がある。(この意味は、気品がいきいきと感じられること=広辞苑)

旧土浦中学(現茨城県立土浦第一高校)の、まさに気韻生動なゴシック本館を、昭和30年前後に卒業した奥村好太郎氏と大久保滋氏が6年にわたって撮影し、設計をした駒杵勤治(こまぎね・きんじ)と建築を請けた石井権蔵(いしい・ごんぞう)とにささげた写真集である。小さな自費出版写真集なのでほとんど知られていない。だが、この写真集からあふれる熱い思いには、ボクはいつ見ても、涙するような気持ちになるのだ。

「気韻生動」と名付けられたこの写真集は、昭和63年以来撮影され、平成6年に刊行された。

旧土浦中学校本館は、明治37年、駒杵勤治氏によって設計され、石井権蔵氏によって建築された美しいゴシック様木造建築で、90年にわたり勉学の場となっていて、昭和51年、国の重要文化財に指定された。質実剛健の時代に、この建築の斬新さ、美しさはひときわ魅力的であったろう。

今なおきちんと保存されており、この地には、この校舎で学んだという者が少なくない。だから、奥村、大久保の両氏が、雪の日の1枚、夜の1枚、花の1枚、枯れ葉散る1枚に、光に影に、どれほどの熱意を込めて撮影されたのかと思う。この校舎で学び暮らした筆者(卒業生)も、ここにこそ自分の青春があったという思いに駆られ、つい涙してしまうのだ。

四季の移ろい、桜散る学び舎、樹木のやすらぎ、凛(りん)然とした教室の1枚1枚が、ここで学んだ日々を、鮮明に甦(よみがえ)らせる。

かけがえのない写真

この写真集は、昭和が終わり平成に替わった頃の撮影だから、奥村、大久保の両氏は、ひときわ時の流れを感じながらの制作であったのかも知れない。両氏の眼には、単なる校舎ではなく、自分たちの青春、いや人生の様々な場面そのものが見えていたに違いない。だから、限りない情熱を傾けて撮影されたのだろう。

写真集のなかには、雪景を撮った日の苦労話や、設計者・駒杵勤治には実子がなかったが、81歳の養女・駒杵幸子さんが広島から駆けつけられたことなどが記されている。

建築の技存分に発揮して本望ならん死したる父は 駒杵幸子(同集序から)

写真の評価は、基本的にその技術では決まらない。大切か、佳(よ)い写真か否かは、その写真を見る者、所有する者によって大きく左右されることが多い。他人には面白くも何でもない孫や子の写真が、その親や祖父母にとっては、かけがえのない大切な写真であることが少なくないのと同じだ。

土浦一高を卒業したボクらにとっては、この写真集は、自分の人生を懐かしむにとどまることなく、人生そのものを写した、大切な写真集となっている。

あなたにも、かけがえのない写真があると思う。写真は、時の証しであったり、人生の、いや人生そのものであったり、励ましであったりする。過ぎてしまった人生のシーンを甦らせてくれる人生の証しそのものなのだ。いつまでも、写真は大切にしてほしい。

「気韻生動」という写真集が存在してくれたことに、ボクはたまらなく感謝している。(写真家、日本写真家協会会員、土浦写真家協会会長)

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仏英に海外出張 五十嵐つくば市長 目的、費用など初めて事前公表

議会の指摘受け つくば市の五十嵐立青市長は2月1日から8日までの8日間、フランスとイギリスに海外出張する。職員5人が随行し、航空運賃や宿泊費などの概算費用は計約450万円。フランスのグルノーブル市で開催される国際会議に登壇などするという。 市長の海外出張をめぐっては昨年、議会から「回数が多く、期間が長い」などの指摘があり、東京都知事の海外出張に関する運用指針にならって、つくば市でも運用指針を策定するよう注文が付いていた。市は今年1月に運用指針を策定。指針に基づいて今回初めて、事前に目的や出張概要、概算費用などが市ホームページで公表された。 五十嵐市長が海外出張に行くのは今年度は今回が初めて。当初予算では2回分の予算を付けていた。 公表資料によると、つくばの魅力を世界に発信し優秀な人材に目を向けてもらうことを目的に、フランスのグルノーブル市で開かれる国際会議「ハイレベルフォーラム」に招待されたことから、同会議に登壇し「つくばエコシステムの最新動向」というテーマで話す。さらに、グローバルな知見を市政運営に生かすことを目的にイギリスを訪れ、マンチェスター市で労働者協同組合による地域課題解決の仕組みを、バーミンガム市で生物多様性施策の推進に向けた取り組みを視察する。 市長の具体的な日程は▽1日夜、羽田空港を出発▽2日、フランスのリヨン着。陸路でグルノーブル市に行き、国際会議「ハイレベルフォーラム」のレセプションに参加する▽3日は、同ハイレベルフォーラムに参加し登壇するほか、グルノーブル市長に面談する。夜は再びレセプションに参加する▽4日は、グルノーブルからリヨンに移動。飛行機でイギリスのマンチェスターに移動する▽5日は、労働者協同組合発祥の地、マンチェスター市のロッヂデールで、自治体と連携した同協働組合について話を聞いたり意見交換し、数カ所の組合を視察する▽6日朝、バーミンガム市に列車で移動、市長を表敬訪問し生物多様性施策の推進について意見交換するほか、図書館と生物多様性関連施設を視察する▽7日朝、列車でロンドンに移動し、帰国の途に就く▽8日夜に帰国するという。 随行職員は5人で、秘書課職員1人が全日程の8日間、市長に随行するほか、科学技術戦略課職員2人が6日間、国際都市推進課職員と市長公室政策員の2人が5日間随行する。 概算費用450万円の内訳は、五十嵐市長が約170万円、随行職員5人が計約280万円などで、航空運賃、宿泊費、日当、現地の移動費、海外旅行保険、wifi賃借料など。五十嵐市長はビジネスクラス、職員はエコノミークラスで渡航する。出張費用については議会の指摘を受け策定した運用指針に基づき、各課いずれも3社から見積もりをとったという。 帰国後は速やかに、出張費用の詳細と出張報告を公表するとしている。 市長の海外出張をめぐってはこれまで、山中真弓市議(共産)が昨年の市議会一般質問で取り上げ、直近3年間で計5回の海外出張を行い、2365万円の市税を使っていたと批判、「回数が多く、期間が長い」などと問題点を指摘していた。さらに昨年9月の定例会議では、市長の航空運賃の条例改正をめぐって、ファーストクラスまで利用できるとなっていた市長提案の条例案を、市議会がビジネスクラスまでと修正。その際、山中市議のほか小森谷さやか市議(市民ネット)から、市長海外出張の運用指針を策定し①出張の目的を明確にし、事前に目的、出張概要、概算費用を公表する②航空券の手配は複数の事業者から提案を受け経費節減に努める③出張後は速やかに出張経費の項目ごとの内訳、数量を含む詳細な情報と、出張の成果を公表するーなどの内容の指針をできるだけ早く策定するよう求めた経緯がある。 山中市議は「運用指針が作られたことは前進だが、日程を見ると、海外に行ったついでにあれこれ予定を詰め込んでいるように見え、市長が行く必要が果たしてあるのか疑問」だとし「国際会議に招待されているなら相手方が旅費を出してくれるはず。その他の視察先をさらに入れることで旅費がかさんでおり、節減に努めたと感じられない」などと話している。(鈴木宏子) 【訂正:3日午前10時】第一段落、イタリアはイギリスの誤記載です。関係者にご迷惑をお掛けしました。

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