つくば市を拠点に活動する写真サークル「写真工房」(太原雍彦会長)の「2022写真工房写真展vol.19+(プラス)」が、同市吾妻のつくば市民ギャラリーで開かれている。
顧問を務める同市在住の写真家、斎藤さだむさん(73)が、つくばセンタービル1階改修工事の過程で露わになった地肌空間を撮影した写真15点を展示するなど、会員ら11人が思い思いのテーマで撮影した写真計約110点が展示されている。新型コロナの影響で3年ぶりの開催となった。
写真工房は、同市主催の写真講座に参加した有志が2002年に結成し、20年になる。会員は約15人で、毎月1回例会を開いているほか、年2回撮影会に出掛けるなどしている。
斎藤さんのつくばセンタービル地肌空間は「史(ふみ)のあかし」と題した作品だ。第3セクター「つくばまちなかデザイン」による改修過程で、骨組みの状態に戻ったつくばセンタービルの、曲線を描く天井のコンクリート地肌や、象形文字が記されているのかと見まごう太い円柱の柱の地肌などを撮影している。「地肌空間を行き来し、40年という時間に思いをはせながら撮影した」という。

会員の藤澤裕子さんは、自宅の庭に咲くヒルザキツキミソウの花や、セミの抜け殻、カブトムシの幼虫などを撮影し、写真を重ねたり、反転させたりした作品10点を展示している。「日常見る庭の植物や昆虫を、非日常的な植物や昆虫として作品化した」。
ほかに、2020年7月に亡くなった会員の佐藤乃理子さんをしのんで、佐藤さんが撮影した写真のほか、例会や撮影会の様子を撮った写真などを展示している。佐藤さんは、コンクリートの建物に止まるトンボなど、都市の昆虫を好んで撮影した。「最初は近代文明を批判した作品かと思ったが、どんな状況であっても、今生きているということを佐藤さんが優しく見ていたことが分かり、母性的なまなざしに驚いた」と斎藤さんは振り返る。
斎藤さんは「それぞれが自己を探求しながら表現方法を探った。それぞれの語り口の面白さをぜひご覧いただきたい」と話す。
◆会期は7月2日(土)~10日(日)。開館時間は午前10時から午後4時30分、最終日は午後4時まで。入場無料。