月曜日, 1月 5, 2026
ホームコラム鎌倉街道とひまわり迷路《土着通信部》51

鎌倉街道とひまわり迷路《土着通信部》51

【コラム・相澤冬樹】某局の大河ドラマにあやかり、「鎌倉街道の13km」のタイトルで原稿を書いてもらえないか、研究者にお願いした。土浦市の上高津貝塚ふるさと歴史の広場の学芸員、比毛君男さんはかねて、「中世のみち 鎌倉街道」の企画展を担当し、市内の旧街道を熟知している。ちょうど土浦市内通過分が13km程度だろうとあたりをつけて持ち掛けたら、ほぼ的中の距離感だった。

比毛さんによれば、「茨城県内では、利根町、牛久市から阿見町・土浦市・かすみがうら市にかけて、つくば市の西部、桜川市の一部、ひたちなか市などに鎌倉街道と呼ばれる古道が伝えられて」いるそう。

土浦市内には鎌倉街道の伝承路があり、一部が「旧鎌倉街道」として市史跡に指定されている。そのルートは、市の南部では阿見町荒川本郷・荒川沖東・大房・中村西根・永国・天川・上高津周辺から桜川を渡ったと想定されているということだ。

で、頂戴したのが別掲の地図(本コラム用に再作成している)。ちょうど自分の仕事場近くだったので、少し歩いてみることにした。

土浦市南部の鎌倉街道=比毛君男さん提供に基づき作成

花室川べりまで行って「源兵衛橋」を探しあてた。車で通れないこともなさそうだが、橋のたもとにたどり着くのが大変だろう。路肩や河岸は雑草に覆われている。橋の北には永国台の住宅団地が広がる。この造成の際、発掘調査で部分的に古道の一部が調査されたのだという。

上高津の高台には土地改良区の水路が通っていて、桜川からポンプアップされた水がつくば市など近隣の水田に供給されている。鎌倉街道はこの水路沿いに通り、上高津丘陵を下った先で史跡の高井城跡脇に出て、6号国道に交差する。イオンモール土浦は目と鼻の先だ。

ここまでのルートはつくば市下広岡と接するあたりを通る。永国台より古い住宅団地、桜ニュータウンを除けば、開発の手はほとんど入っておらず、いかにも市境らしい放置された姿をさらす。耕作放棄地やソーラーパネル群、里山を侵食する竹林などなど。

そうした街道すじを歩くと、今度は迷路に入り込んだ。「ひまわり迷路」が開設を告げている。1年前はたしか梅雨明けに合わせてオープンしていたから、今年はひと月ほど早い。

すでに人の背丈以上に伸びたヒマワリが大輪の花を着けている。運営する中根農園直売所(中根剛代表)に聞くと、今年は約30アールの農地に10万本以上のヒマワリを植えたそうだ。1年前は大した入場料も取っていなかったが、今季は料金箱を設置し、大人200円、中学生100円(小学生以下無料)を求めている。駐車場なども整備した。

中根さんによれば「ヒマワリ以外にもトウモロコシやコスモスを植えて、11月ごろまで下広岡一帯でさまざまな迷路が楽しめる」ようにした。元来が休耕地対策として始めたものだが、農地として再開墾して作物を栽培する手間と時間はなかなかに大変。特にこれからは「除草」に半端ない労力がかかるという。

鎌倉街道も深い草いきれの中に埋まろうとしている。21日は夏至、今年の夏も暑くなりそうだ。(ブロガー)

◆比毛君男さん執筆の「鎌倉街道の13km」は総合科学研究機構(土浦市)の「CROSS T&T」誌71号に掲載される。発行予定は7月1日ごろ。

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

2 コメント

2 Comments
フィードバック
すべてのコメントを見る
スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

筑波山神社宮司 上野貞茂さん《ふるほんや見聞記》12

【コラム・岡田富朗】上野貞茂さん(64)は、桜川市にある神社が御実家で、笠間稲荷神社で権禰宜(ごんねぎ)を務めたのち、4年ほど前から筑波山神社の宮司を務めています。筑波山神社は、古くから信仰の歴史を持つ霊峰筑波山を御神体と仰ぎ、「常陸国風土記」や「万葉集」にも記されている古社です。 境内は中腹の拝殿から山頂を含む約370ヘクタールにおよび、山頂からの眺望は関東一円に広がります。筑波男大神(いざなぎのみこと)、筑波女大神(いざなみのみこと)を祭神とし、縁結びや夫婦和合の神として広く信仰を集めています。結婚式や縁結び、交通安全、厄除けなどの祈祷も毎日行われています。 年越祭 年末年始からお正月の期間は、新年を祝う多くの参拝客でにぎわう筑波山神社ですが、2月には「年越祭(としこしまつり)」が開催されます。年越祭とは、新年最初の満月を迎え小正月と節分を祝う追儺(ついな)豆まき神事です。拝殿でお祓(はら)いを受けた年男・年女が福豆とともに、たくさんの福物をまき、春の訪れを祝います。 1年の家内安全や商売繁盛、厄除(やくよけ)けなどを祈願する祭礼で、本来は旧暦の正月14日に行われてきましたが、現在は毎年2月10日と11日の両日に開催されています。大相撲大島部屋から大島親方(元旭天鵬)をはじめ、力士の方々も豆まきに参加されます。 御座替祭 古来より春と秋、4月と11月には「御座替祭」(おざがわりさい)という筑波山神社の例大祭が開催されます。「神衣祭(かんみそさい)」「奉幣祭(ほうへいさい)」「神幸祭(しんこうさい)」の三種の神事が執り行われ、大神様の依代である神衣の御神座を新たに奉り、御神徳のいっそうの高揚をいただく最も重要な神事です。 午後の「神幸祭」では、御山の神様を里に迎え五穀豊穣(ほうじょう)を祝い、国の安寧を祈ります。祭装束を整えた神職・氏子総代、総勢約150名の氏子崇敬者が猿田彦を先頭に太鼓や雅楽の音色の中、神様が坐します神輿(みこし)とともに町内を巡り、筑波山神社拝殿に宮入します。御座替祭の日に限り、茨城県重要文化財である「御神橋(ごしんばし)」(徳川家光公寄進)を御神輿とともに一般の方も渡ることができます。 徳川家と筑波山神社 徳川家康が江戸城守護の霊山として筑波山を祈願所と定めて以来、筑波山神社は将軍家の崇敬を厚く受けてきました。国の重要文化財に指定されている吉宗銘の太刀は、三代将軍・家光の寄進によるものです。境内には、日枝神社、春日神社、厳島神社、さらに参道の中央に架かる神橋など、1633(寛永10)年に家光によって寄進された諸社殿も立ち並んでいます。 歴史が長く貴重な文化財が数多く残る筑波山神社ですが、その分維持や管理には大変さがあるそうです。取材した日も、厳島神社の屋根の修復作業が行われていました。 2033(令和15)年には、徳川三代将軍家光が諸社殿などを寄進してから400年の節目を迎えます。日枝神社本殿正面には、「見ざる・言わざる・聞かざる」の三猿の彫刻が施されており、この作は日光東照宮のものよりも前の作であると言われています。 貴重な文化財が今後も大切に守り継がれていくためにも、より多くの方に筑波山神社の魅力を知っていただきたいと感じました。(ブックセンター・キャンパス店主) <年越祭> 2月10日(火)、11日(水)の2日間、午後2時、3時、4時に開催。年男年女の参加料は2万円。

つくば駅前で市民らがスタンディング 米国のベネズエラ軍事行動に抗議

米国によるベネズエラへの軍事攻撃とマドゥロ大統領拘束に反対する市民による抗議行動が4日、つくば駅前のつくばセンター広場で催された。主催したのは同市の市民グループ「戦時下の現在を考える講座」。参加者らはメッセージボードを掲げてスタンディングを行い、暴力への反対を通行人に訴えた。 行動を呼び掛けた主催グループの加藤匡通さん(57)が活動の実施を決めたのは前日の夜。SNSで事態を知り、「戦争は許せない。理不尽な口実で武力行使が行われ、国際法を軽視する流れが広がることに強い危機感を覚えた」と話す。今回の軍事作戦が「成功」と評価されること自体が誤った前例となりかねないとし、「『ふざけるな』と声を上げなければならないと思った」と語った。 加藤さんは、抗議の場所につくばを選んだ理由について「自分たちが生活している場所だから」と話し、「通行人が行動を目にすることで、『自分も声を上げていいんだ』と思ってもらえたり、異なる人同士の議論のきっかけにつながれば」とし、「米国大使館や国の主要機関がある東京だけでなく、全国のさまざまな地域で市民が声を上げていることが見える形になることが大切」と話す。 また2003年に始まった米国によるイラク戦争にも言及し、「大量破壊兵器という口実で戦争が行われ、その混乱は今も続いている」と指摘する。「戦争が始まれば当たり前の生活は成り立たなくなる。『仕方がない』という考え方に流されず、誤った行動には『それはだめだ』と声を上げ続けるべき」と加藤さんは強調した。 一方で、ベネズエラの政治状況については「人権の抑圧や選挙不正の疑いなど、マドゥロ政権にも問題がある」としながら、「だからといって軍事侵攻が許されるわけではない。本来は国際社会が対話で対応すべきだ」と述べ、「私たちはすべての戦争に反対する。戦争に対する歯止めが効かない世界を生きるということは、いつ自分の身に降りかかるか分からないということ。日常の暮らしを守るためにも、戦争を容認しない社会を維持しなければならない」と訴えた。(柴田大輔)

つくば市には純金小判! ふるさと納税返礼品《水戸っぽの眼》8

【コラム・沼田誠】年末年始は、普段じっくり話せない友人や知人と飲む機会があります。その場でふるさと納税のことが話題に上りました。そこで、自分が住んでいるつくば市はどのような返礼品があるのだろうと、ネット検索してみると、なんと!「純金小判」が出てきました。 ふるさと納税は、本来、応援したい自治体に寄付を届けるという理念で2008年に始まった制度。昨年10月からは、仲介サイトによる「ポイント付与」が原則禁止されました。過熱する自治体間の寄付獲得競争に国が歯止めをかけた形です。 少し話が逸れますが、この制度を自治体のどの部署が担当しているかは、そのまま首長や行政組織(特に財政部門)の考えが反映されるものになっています。制度の趣旨、あるいは自治体間競争の面から考えれば、観光やシティプロモーション担当部署が担うのが自然であるように思います。岐阜県飛騨市では、関係人口創出や移住・定住などを担当するふるさと応援課が担当部署になっています。 私が在職していた水戸市では、税務部門の市民税課が担当しています。ふるさと納税を「税務事務」の範囲内で適正に処理したい―との考え方からです。ところがつくば市は、民間企業との連携やSDGsを担当する企画経営課の持続可能都市・官民連携推進係が担当しています。官民連携を活用した資金調達と、ふるさと納税を捉えているようです。 税収確保のための「防衛戦」? 最先端の研究機関が並ぶ街で、つくば市はなぜ純金小判を返礼品にする必要があるのでしょうか? それは、つくば市が県内でも数少ない地方交付税不交付団体だからだと思います。 つくば市民が他自治体に寄付して流出した住民税(2024年度は約28億円)に対し、国からの穴埋めは1円もありません。これに対し、交付団体である水戸市は、流出額の75%が翌年度以降の交付税で補填(ほてん)されます。つまり、つくば市にとって、ふるさと納税は税収確保のための「防衛戦」なのです。 その防衛戦のためには、一度の寄付額が大きい高付加価値商品をそろえることが合理的―という判断が、純金小判なのではないかと思います。しかし、この防衛戦のコストは軽くありません。寄付額の半分は、返礼品代、ポータルサイトへの手数料、職員人件費などに充当されますから、「毎年10億円ずつ税収が増えている」(2024年10月23日掲載のNEWSつくば記事)とはいえ、「非常にもったいない」と思います。 カタログから他県の特産品を選び、「等価交換」で得をした気分になる一方、その代償として削られているのは、自分が踏みしめる道路の補修費であり、子供たちが通う学校の設備費なのかもしれません。私たちが手にする肉や魚や米は、本来受けるべき公共サービスと引き換えに差し出されたいびつな「等価交換」の結果なのです。 「受益と負担」という地方自治の原則を根底から揺さぶるこの制度について、私たちは一度立ち止まって、そのあり方を考えるべきでしょう。(元水戸市みとの魅力発信課長)

霞ケ浦 土浦港周辺をリゾート地域に 市・県有地を民間の力で整備

土浦駅東口に近接し霞ケ浦に面する土浦港とその周辺約9.5ヘクタールを民間の力で観光・レクリエーション拠点に整備する事業が2026年春にまとまる。土浦市と茨城県は25年10月、同エリアを「観光客が訪れる魅力ある空間」にする事業計画の提案事業者を公募した。12月中旬までに「複数の事業者から関心ありとの返答があった」(同市都市政策部)。市と県は26年3月に整備事業を実施する企業あるいは企業グループを選定し、霞ケ浦湖畔の土浦港周辺リゾート化計画を公表する。 「ラクスマリーナ」は事業者に譲渡 市と県が進めている「土浦港および周辺地区広域交流拠点整備事業」区域は▽A地区:湖底土砂浚渫(しゅんせつ)船などが利用する土浦新港(県施設)約2.7ヘクタール▽B地区:マリーナ(ラクスマリーナのヨットなどの係留・管理施設)と広場(市有地)約3.9ヘクタール▽C地区:「りんりんポート土浦(サイクリスト向け拠点施設)」区画(市有地)約1.1ヘクタール▽D地区:プレジャーボートなどが停泊する土浦港(県施設)約1.6ヘクタール―から成るエリア。 市はこの地域を霞ケ浦観光の拠点にすることを考えてきたが、市が手掛ける整備ではなく、発想や資金が豊富な民間業者に任せることにした。25年10月、複数企業から計画を提案してもらいベスト企業を選定する「公募型プロポーザル方式」で事業主体を選ぶと発表した。市と県は26年3月中下旬、事業者から出される提案内容を審査、同月末に1企業(グループ)に絞り込む。 担当者によると、市有地は選定された企業に売却せず、用地を賃貸する形になる。また、「りんりんポート土浦」は指定管理者制度の活用を想定している。一方、観光船やマリーナを運営する「ラクスマリーナ」(株式の100%を市が保有)については、湖畔整備を担当する企業に4065万円(予定価格)で全株を譲渡する。事業者から見ると、用地は自社所有にならないものの、マリーナ経営の自由度は確保でき、リゾート開発の「絵」は描きやすくなる。 会議場、マーケット、レストラン… 24年11月に市が行った「サウンディング(アイディア聴取)型市場調査」では、「水陸両用飛行機の発着場」(A地区)、「グランピング施設、温浴施設、会議場、スポーツ施設」(B地区)、「サイクルスポーツ施設」(C地区)、「マーケット、レストラン」(D地区)といった活用策が寄せられた。 市有地になっているB・C地区には、かつて、マリーナも経営する土浦京成ホテルが建ち、市を代表する宿泊・宴会・婚礼施設があった。ところが2007年春に経営難で閉鎖。その後、中堅不動産開発会社がホテル用地を買収、リゾート型マンションの建設を計画していた。しかし、2008年秋のリーマン・ショックで同社の計画は破綻。そこで2010年秋、市がラクスマリーナとホテル跡地を取得、霞ケ浦湖畔にふさわしい活用策を探ってきた。 土地取得から15年。市はやっと、①土地は売却せず賃貸②マリーナ会社は完全譲渡③県の2港施設も利用―をセットにした市有地活用案を策定、経営力がある民間事業者に湖畔のリゾート化を進めてもらうことになる。(坂本栄)