水曜日, 3月 29, 2023
ホーム つくば 自動配送ロボット、スーパーの商品を配達 つくば駅周辺で28日から

自動配送ロボット、スーパーの商品を配達 つくば駅周辺で28日から

無人運転の自動配送ロボットが、つくば駅周辺のペデストリアンデッキ(遊歩道)など公道を自動運転で走行し、食品スーパーの商品を自宅前まで配達するサービスが28日からつくば駅周辺で始まる。

楽天グループ、パナソニック・ホールディングス(HD)、西友の3社とつくば市が、7月30日までの毎週土曜日、計10日間実施する。同市竹園の商業施設デイズ・タウン内の西友つくば竹園店の商品を配送する。

自動配送ロボットが公道を走行して配達するのは、楽天など3社が今年3月と4月に神奈川県横須賀市で実施したのに次いで全国2カ所目という。

つくば市では、西友つくば竹園店から約850メートル範囲内の、ペデストリアンデッキに面した吾妻1~4丁目と竹園1~3丁目のマンションや一戸建て住民など約1000世帯が対象となる。

生鮮食品、冷蔵・冷凍商品、弁当、惣菜、日用品など約2000点の中から注文することができる。配達時間を指定できるほか、注文から最短30分で届けることもできる。配達手数料は1回110円(消費税込み)。商品の受け取りは、自宅前の公道に出てロボットから取り出すことが必要になる。

道交法改正見据え

楽天が、自動配送ロボットやドローンによる配送サービスを行うために開発したスマートホン向けの専用注文サイトから注文する。支払いは楽天ペイのみ。

少子高齢化により配達員が不足する一方、配送ニーズは増え、配送コストが上昇すると予測されること、現在開会中の国会で道路交通法の改正が審議され、来年から自動配送ロボットなど遠隔操作型小型車の運行が現在の許可制から届け出制になるなど、自動配送ロボットの公道走行が加速するとみられることなどを見据えた。

将来は、街のレストランの食事を配達したり、楽天が運営するインターネットショップの商品を配送することなども想定しているという。

さらにつくば市が「スーパーシティ」特区に指定され、荷物搬送ロボットによる配達が事業の一つになっていること、つくば駅周辺に安全性が高いペデストリアンデッキが整備されていることなどから、今回、つくば市でサービスを実施する。

自動配送ロボットはパナソニックHDが開発した「クロスエリア ロボ(X-Area Robo)」で、高さ115センチ、長さ117センチ、幅65センチ。車体の色は赤で、商品を入れる容量は114リットル。

あらかじめつくば駅周辺を走行して作った地図データをもとに、センサーやカメラで安全を確認しながら、歩く速さとほぼ同じ時速4キロで自動走行する。同時に、つくば市から約60キロ離れた東京都中央区にある遠隔管制システムで、遠隔監視や操作をして安全を確保する。

車両は原付バイクと同じ扱いで、運行のため道交法上の道路使用許可を取り、遠隔操作による道路運送車両法の保安基準緩和の認定を受けた。万が一事故が発生した場合は遠隔操作者が責任を負うことになるが、これまで公道での事故はゼロという。

時速4キロでペデを走行

26日、楽天グループ・コマースカンパニーの向井秀明ジェネラルマネージャーと、パナソニックHD・モビリティソリューション部の東島勝義部長らが記者会見し発表したほか、同市竹園のデイズ・タウン前から吾妻のマンション前まで、自動配送ロボットが実際にペデストリアンデッキを走行するデモンストレーションを実施した。

デイズ・タウン前のペデストリアンデッキでは、商品を積み込んだ自動配送ロボットが「通ります」などの音声を発しながら出発、保安監視員として、つくばまちなかデザインのスタッフがロボットの後を付いて歩いた。つくば市での配送では毎回、保安監視員が後を付いて歩くという。

途中、人が前に現れると停止したり、「お先にどうぞ」と音声を出しながら、約15分間走行し、吾妻のマンション前で停止した。注文者には、現在ロボットがどの場所を走行しているか通知されるほか、到着時間直前にも通知される。吾妻のマンション前で商品を受け取ったパート、藤沢直子さん(44)は「自宅で仕事をしており、仕事や子育ての合い間の時間に商品を取りに受け行くだけでいいので便利」などと話していた。

マンション前に出て注文した商品を受け取る藤沢直子さん=同市吾妻

つくばでのサービスでは、走行の安全性や利便性のほか、配送手数料はいくらが適正かなども検証するという。

◆つくばでの配送は1台の自動配送ロボットが行う。配送日時は5月28日(土)から7月30日(土)までの毎週土曜日、1日8便まで。

40 コメント

guest
名誉棄損、業務妨害、差別助長等の恐れがあると判断したコメントは削除します。
NEWSつくばは、つくば、土浦市の読者を対象に新たに、認定コメンテーター制度を設けます。登録受け付け中です。

40 Comments
フィードバック
すべてのコメントを見る
スポンサー

注目の記事

最近のコメント

最新記事

音楽家たちに発表の場を つくばのカフェで演奏会

カフェやレストランなどを使って音楽家が発表する場をつくりたいと、つくば市内で飲食店を経営する飯泉智弥さん(49)が音頭をとり、同市竹園の商業施設、ヨークベニマルタウン内のエヌズ カフェ(N's Café)で20日、家族連れや関係者を招いたミニコンサートが開かれた。 飯泉さんは2017年に、小学1年生から大学生までの「筑波ジュニアオーケストラ」の立ち上げに尽力した(2017年10月27日)。21年にはつくば駅前の商業施設トナリエつくばスクエア・クレオに地元の音楽愛好家たちのためストリートピアノ「つくぴあ」を設置した。 その後、ストリートピアノの利用者たちの間から、定期的な音楽会をやってみようという声が上がったという。 飯泉さんは、どんな形で開催できるか、まずは試しにやってみようと、自らがオーナーとなっているカフェをプレ・イベントの開催会場とした。 店内のどの場所で演奏するか探りながら、当日はカフェの中央にステージを作った。来店客は、テーブルに座って食事をしながら音楽を聞く形になった。

3回目の桜《短いおはなし》13

【ノベル・伊東葎花】 早春の公園。青空に映える満開の桜。 私は公園のベンチに座って、砂遊びをする息子を見ていた。 「見事に咲きましたなあ」 隣に座る老人が話しかけてきた。 老人は、息子を見ながら言った。

数センチの隆起や沈下を面で可視化 「地殻変動の地図」公開

国土地理院 人工衛星データを解析 国土地理院(つくば市北郷)は28日、日本全国の大地の動きを可視化する「地殻変動の地図」を公開した。宇宙航空研究開発機構(JAXA)が運用する陸域観測技術衛星2号「だいち2号」の観測データ8年分を用いて作成された変動分布図で、地形のわずかな隆起や沈下を彩色によって分かりやすくとらえられるようにした。 公開された全国地殻変動分布図は「地理院地図/GSI Maps」により一般にも簡単にアクセスし閲覧できる。 地殻変動分布は「だいち2号」の合成開口レーダー、SAR(Synthetic Aperture Radar)技術によって得られた。人工衛星から地表に向けて電波を照射し、戻ってきた電波を受信し、往復にかかる時間により地表までの距離を面的に観測するセンサーの一種。人工衛星では、地球を周回しながら同一地点に異なる方向から電波を2回、照射し観測することで、大きな開口を持ったアンテナと同様な解像度を得る。 微小な地形の変化を正確に読み取るには、統計的処理のために大量のデータが求められた。2014年8月から8年以上の観測データを得て、時系列解析を行った。国土地理院宇宙測地課、佐藤雄大課長によれば、衛星からの撮影は約1500回に及び、画像枚数にして6400枚のデータを得たという。

仕様書不備で落札決定取り消し つくば市

つくば市が3日に開札を実施した同市佐地区と上菅間地区2カ所にある生活排水路浄化施設の維持管理業務の一般競争入札で、同市は28日、業務委託の仕様書の中で、汚泥の処分方法を「産業廃棄物として処分する」など明記すべきところを明記していなかったとして、落札者の決定を取り消し、入札を不調にしたと発表した。 市環境保全課によると業務委託の内容は、2カ所の浄化施設を今年4月から来年3月までの1年間、維持管理点検し、汚泥を清掃し処理するなどの業務で、2月10日に一般競争入札が告示された。予定価格は約276万円で、3者が入札に参加。今月3日に開札が行われ、落札業者が決定していたが、28日までに仕様書の記載内容に不備が確認されたとして、落札者の決定を取り消す。 今後の対応について同課は、入札業者に事情を説明すると共に、4月以降の業務について、数カ月間は随意契約とし、その間に入札の準備を進めて、改めて入札を実施するとしている。 再発防止策として、仕様書を作成する際は複数名により記載内容の確認を徹底し、適正な仕様書を作成することで再発防止に努めますとしている。

記事データベースで過去の記事を見る