2100人の署名添え
つくば市にある県営の都市公園、洞峰公園(同市二の宮、約20ヘクタール)を、県が民間事業者に委託してリニューアルする計画(洞峰公園整備運営事業)を立てている問題で、公園周辺に住む住民らでつくる市民団体「地域参加型の洞峰公園整備計画を求める会」(木下潔代表)が13日、2109人分の署名を添えて、公園管理者と利用者などとの協議の場となる「協議会」の設置を求める要望書を、大井川和彦知事宛てに提出した。
「協議会」は、公園管理者と地域の関係者が必要な協議を行うための組織で、都市公園法で「公園管理者は、都市公園の利用者の利便の向上を図るために必要な協議を行うための協議会を組織することができる」(17条の2)と位置付けられている。国交省の同法運用指針では「公園管理者と地域の関係者が密に情報交換を行い、協議しながら、公園に応じた活性化方策や利用ルールについて取り決め、実行していくことが望ましい」とされている。
木下さん(61)は、公園整備の詳細が開示されず、公園利用者、地域住民の間に懸念や不安が生じているとし、公園利用者や地域住民、近隣の団体や学校関係者のほか、景観保全や生物多様性保全の有識者などを交えた協議会を設置してほしいとしている。
「求める会」は洞峰公園周辺の住民5人による会で、3月27日、パークPFI(公園設置管理制度)の新たな事業者に選定された「洞峰わくわく創造グループ」(代表法人・長大)が公園管理棟ロビーで開いたオープンハウス型説明会に参加して出会い、会をつくったという。
会では4月7日、知事に対して、説明会開催を求める要望書を出した。県から回答がないことから、4月29日から協議会設置を求める署名活動を開始した。
13日に提出した署名は5月8日までの第一次締め切り分で、口コミなどにより10日間で2109人分が集まった。「子育て中のママやシルバーのネットーワークなど、公園の近くに住む方々から(署名活動が)始まった。大型連休で帰省中だったと思われる他県に住む人からの署名も集まり、関心の高さを実感した」と木下さん。31日まで引き続き署名を集める。
木下さんはさらに「2000年につくばに来た。なんて美しい街なんだろうというのが最初の印象。今のこの環境を50年後まで維持したい。それが活動の原点。(求める会のスタンスは)これ(この施設)がいいとか、これが反対ではなくて、(計画を)正確に知って、一緒に議論していきたい」と話した。
一方、県の整備計画に対しては、地元の五十嵐立青つくば市長が3月と4月に、自身のSNSや記者会見でグランピング施設とバーベキュー施設に懸念を表明した。五十嵐市長は5月13日開かれた定例記者会見で改めて「駐車場の改善以外は、市として大きな課題があると認識していることに変わりはない」とする一方、「まず利用者の声を聞くということで(県と)合意したので(県と市は)同じ方向を向いていると認識している」とし、「利用者へのアンケートや説明会など、そういったものを調整しながら県と市が共同で実施する形のものになればいい」「まず利用者の声を(県と市が)互いに聞いて、分析して、方向性を見出していきたい」などと話した。
これに対し、洞峰公園の再整備を担当する県都市整備課は「(再整備については)広く意見を聞き、調整しながら進めていく。内容、手法についてはつくば市と調整し、準備している。(協議会設置の可否については)関係者と調整して判断することになるので、すぐ返事は難しい」とし、今後のスケジュールについては全く未定だとしている。(花島実枝子)