つくば市が出資する第3セクター「つくばまちなかデザイン」(同市吾妻)の内山博文社長は6日記者会見を開き、つくばセンタービル1階東側に、働く人を応援する場「co-en(コーエン)」を7日開業すると発表した。つくばセンタービルのリニューアルの一環で実施した。
内山社長は、貸しオフィス、コワーキング(共同仕事場)、キッチン、イベント、ギャラリー、物販の6つの機能を備えるとし「つくばの中心部に多様性を享受できる場をつくりたい」などと話した。
延床面積約2000平方メートルで、貸しオフィスは7区画、コワーキングスペース(約295平方メートル)50~60席、会議室5部屋、カフェ&バー(約60席)、シェアキッチンなどがある。
改修費は約3億2000万円。内山社長は「資材費の高騰で厳しかったとし、コストマネジメントの中で、小上がり(縁側)などは仮設性のものを設定した」とした。
当初「多様な働き方を支援する場」として目玉の一つだった子連れワーキングスペースは、事業者との調整を見直したことからオープンが遅れる。
貸しオフィス7区画は4月にすでにオープンし、つくば市内のベンチャー企業など5社が7区画に入居または入居準備中。1社は3区画を使用する。
地元食材使うカフェ&バーも
7日オープンするのはコワーキングスペースとカフェ&バーなど。5月はコワーキングスペースの無料体験期間といい、6日時点で20~30人の予約がある、有料になる6月以降は10人程度の申し込みがあるという。利用料金は24時間365日利用できるフルタイム会員が1万6500円。
カフェ&バーは、「つくばサービスデザイン(フィンラガン)」が運営する。営業時間は午前7時30分から翌日午前2時まで(火~金曜)など。食材は、農業生産者の浅野与五右衛門、ごきげんファーム、筑峰学園、然なり、TKFの野菜やコメ、沼屋本店のみそとしょうゆ、ベッカライ・ブロートツァイトのパン、つくばブルワリーのビールなど地元生産者の食材を使用する。
さらに、新たに飲食店を開業したい人などにシェアキッチンを貸し出し出店してもらったり、店を開きたい人や自分が作っている雑貨を売りたい人などにワゴンで出店してもらったり、廊下沿いの白い壁に学生や市民らのアート作品を展示などする。
ほかに、市内でコワーキングスペースを運営する「しびっくぱわー」がイベントを企画などする。
記者発表には五十嵐立青市長、小久保貴史市議会議長のほか、つくばまちなかデザイン株主で沼尻産業の沼尻年正社長、関彰商事の関正樹社長と、約3億円の融資をしたファンド(投資信託)出資者の常陽銀行、民間都市開発推進機構(民都機構)、ファンド運営会社のオハナパナの役員らも出席した。
五十嵐市長は「ついにこの日を迎えることができてうれしい。中心市街地活性化ビジョンをつくったが、決定的に足りなかったのは地域全体を運営していくプレーヤーがいなかった。(つくばまちなかデザインは)会社が始まってわずか1年で(地下駐車場の)駐車料金を下げたり、(つくばエキスポセンターの)ほしまるカフェをリニューアルオープンさせた。官ではできない」とし「(中心市街地の活性化)すべてをつくばセンタービルがまかなうことは不可能で、吾妻70街区は『スーパーシティ』のモデル街区として整備していくよう財務省と協議しているので、相互に役割分担しながら取り組んでいきたい」などと話した。