木曜日, 3月 5, 2026
ホームつくばネット配信に工夫凝らし 24日まで科学技術週間 つくば

ネット配信に工夫凝らし 24日まで科学技術週間 つくば

「発明の日」の18日に始まった科学技術週間は24日まで。つくば市内の教育・研究機関でも、各種イベントが展開中だ。新型コロナ感染対策から、施設公開やトークイベントなどをオンラインで行う一方、研究開発に取り組む現場の映像を配信するなど、工夫を凝らしたインターネット上での紹介が大半を占めている。(橋立多美)

宇宙と物質の謎配信 高エネルギー加速器研究機構(KEK)
22日に東海村からサイエンスカフェ「大強度陽子加速器施設(J-PARC)で探る宇宙と物質の謎」を生中継する(午後6時~8時、要事前申し込み)ほか、つくばキャンパスの常設展示施設「コミュニケーションプラザ」にある霧箱を使って「宇宙からやってくる自然放射線を観察する」(午後5時半~8時)。23日は量子を題材にしたアニメの紹介や加速器のオンラインツアーが企画されている(午後1時~3時半)。いずれも参加は無料。配信はYouTube(KEKチャンネル)1日目=https://youtu.be/3muAqQSO04E 2日目=https://youtu.be/POV1rikg284   
https://www.kek.jp/ja/

ショートムービー&トークライブ配信 産業総合技術研究所(AIST)
日々研究に奮闘する現場にカメラを持ち込んで仕上げたショートドキュメンタリームービーを21日まで連日配信。題して「研究の日常は、非日常だ」。ムービーは研究部門ごとに編集され、驚きとワクワクにあふれた非日常空間を楽しめる。22日午後7時半からはムービー出演の研究者たちによるトークイベントが開催され、研究成果を生み出すための地道な作業などが語られる。ショートムービーは産総研公式 Twitter(https://twitter.com/AIST_JP)または YouTubeで。トークイベントの視聴はサイエンス・スクエアつくばのホームページから。参加無料。

研究現場を伝える産総研のショートムービーのワンシーン。「0.03ミリまで岩石をけずる」 (産総研提供)

食と農の科学館オンラインツアー 農業・食品産業技術総合研究機構(NARO)
「食と農の科学館」をバーチャルで体験できるオンライン特設サイトを5月8日まで開設する。2021年度に新たに展示された植物工場の模型、超極細シルクドレス、農作業事故体験VR(バーチャルリアリティー、仮想体験)を動画で紹介などする。クイズやプレゼント企画などもある。特設サイトはこちら

非常識な『ミカタ』~材料の科学者はこう考えた~ 物質・材料研究機構(NIMS)
24日午前10時から、最先端材料開発の現場から装置や技術をYouTube、ニコニコ動画で配信する。非常識な「ミカタ」から生まれた材料がいっぱいのNIMSのラボからラボへと生潜入。最先端材料開発の現場から、研究者のユニークな視点・発想で生まれた材料・装置・技術を紹介する。登録なしで誰でも視聴できる生放送「ラボぶら」はこちらから。

特設サイトで発信 国際農林水産業研修センター(JIRCAS)
一般公開用の特設サイトを設け、農業や食料をテーマにした6人の研究者によるミニ講演や、360度カメラで撮影した「動物目線から見た景色」、スタンプラリークイズなど、子どもから大人まで楽しめる企画を用意。24日午後1時からパネルディスカッション「変わりゆくアフリカ~研究者が現地で見たアフリカの農業・食料」のライブ配信が行われる。視聴は国際農研一般公開特設サイトで。

オンラインでつながろう! 国際協力機構(JICA)筑波国際センター
21日午後6時半~8時、「国際協力のおしごと座談会!」(対象:高校生・大学生・一般、定員50人)。23日午前10時~11時45分。「つくってみよう世界の料理!~ガーナ“ジョロフライス”」(対象:小学生=保護者同伴=から一般、定員15組)、ZOOMによるオンライン開催。内容はこちら

視覚障害に配慮した学び体験 筑波技術大学春日キャンパス
視覚と聴覚障害者のための国立大学法人・筑波技術大学が科学技術週間のイベントとして、視覚に障害のある学生たちが勉強している春日キャンパスを一般公開する。キャンパスには視覚障害の学生が在籍する保健科学部があり、障害に配慮された学習環境を見学するだけでなく、触覚を用いる教材や音声読み上げソフトウエアなど、さまざまな支援機器を体験できる。公開は22日午後1時~4時半、正面玄関脇の図書館入り口で受付。団体の場合は大学総務課広報・情報化推進係に問い合わせ(電話029-858-9311)を。https://www.tsukuba-tech.ac.jp/department/hs/

このほかの主な公開は次のとおり。

▽筑波大学 スーパーコンピューターと学際計算科学の最前線など研究室紹介の動画配信。宇宙史研究センターによる「宇宙の誕生から銀河の形成」は力作。宇宙の始まりから銀河の形成、さらにその先まで、宇宙の歴史の5日の場面でとらえ、その最新研究の様子を届ける。視聴はこちらのメニューから。

▽JAXA筑波宇宙センター 科学技術週間期間中、館内休憩室でJAXAの取り組みや最新の情報をショートムービーで紹介する。現在、一般見学は事前予約制、見学の案内サイト(https://visit-tsukuba.jaxa.jp)

▽産総研・地質標本館 2021年に発信した特筆すべき研究成果14件をまとめてウェブ会場から紹介。地質標本館は3月16日深夜の地震により一部不具合が生じ、点検と必要な修繕のため臨時休館中。6月末までの新たな来館予約を停止している。

▽国立公文書館つくば分館 春の企画展「ゆっくら温泉ー江戸時代の湯めぐり」は終了した。新旧憲法、終戦の詔書(しょうしょ)などのレプリカ展示は常設で行われている。午前9時15分~午後5時、土日祝日休館。

▽国土技術政策総合研究所 津波越流に対する海岸堤防に関する実験や、災害時の道路交通維持に貢献する道路基盤実験施設など、Webでの公開のみ。視聴はhttp://www.nilim.go.jp/

▽土木研究所 研究所の紹介、免震橋や津波でも流出しにくい橋などの実験を配信。Webでの公開のみ。

▽NTTアクセスサービスシステム研究所 細いガラス製の「光ファイバ」でさまざまな情報を伝える仕組みや、通信基盤を支える技術を紹介する。

▽国土地理院「地図と測量の科学館」 企画展「緯度経度 世界共通の正確な『ものさし』へ」を開催。測量用航空機くにかぜの内部公開は21日午前10時~午後3時、雨天中止。

▽つくばエキスポセンター=企画展「錯視の世界~あなたは今度もかならずだまされる」、科学のポスター展、科学技術映像祭など科学の不思議を体験できる。科学技術週間中は入館料が割引(大人200円、子ども100円)。

▽筑波実験植物園=24日まで「さくらそう品種展」。100種類を超えるサクラソウの園芸品種を、江戸時代から続く伝統的な方法で展示する。一般320円(税込み)、高校生以下・65歳以上は無料。入園は午前9時~午後4時半。https://tbg.kahaku.go.jp/

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

3 コメント

3 Comments
フィードバック
すべてのコメントを見る
スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

粘土で広がる世界 自閉症の粘土作家・松橋克希さん つくばで個展

6日から 自閉症スペクトラムなどの障害のある粘土作家で、水戸市在住の松橋克希(よしき)さん(20)の作品展「イマジネーション クリエイト 想像から創造へ」が6日から、つくば市千現、二の宮公園前のギャラリーネオ/センシュウで始まる。アニメや映画などのキャラクターをモチーフにした新作を含む約250点の粘土作品とイラスト15点を展示する。22日まで。 普段は地域の保育園などで毎週、子どもたちに作品作りを教え、「よっちゃん先生」の愛称で親しまれている。制作活動を通じて自分の世界を広げてきた松橋さんの十数年の歩みに触れる作品展だ。昨年12月には、障害のある人の芸術活動を支援する拠点として県に設立された「障害者芸術文化活動支援センター」が、県つくば美術館で開いた作品展「めぐる展2025」に出展。創作実演や対話型鑑賞会も行われ、多くの来場者の関心を集めた。 地域の中で活動を広げる 克希さんは、粘土で作った小さなパーツを一つ一つ繋ぎ合わせてオリジナルのキャラクターを生み出している。その数は、数千体。頭の中には、常に新しいキャラクターのイメージがあふれているのだという。 幼い頃から創作に打ち込んできた。幼稚園のころから小麦粘土や折り紙を用いた工作に夢中だったと、母親の裕子さん(54)は振り返る。地域の小学校に進学すると、支援クラスの教員や放課後に通った学童保育の担当者らが制作活動に寄り添った。さまざまな粘土を試す機会をつくり、時には1日6時間に及ぶ制作を共に見守った。 幼い頃はコミュニケーションが難しく、裕子さんは戸惑うことも多かった。夕方になると長時間泣き続けることもあったという。しかし成長とともに落ち着き、作品を通じて人とのつながりが広がっていった。展示会では「すごい」「また見たい」と声を掛けられるようになり、それが創作の励みになった。 裕子さんは「当時、頭の中は大好きな怪獣でいっぱいだったのだと思う」と話す。克希さんは2、3時間に一つほどのペースで、思い浮かんだ怪獣を次々と形にしていった。 小学6年の時、障害のある他の子どもたちと地元のホテルで初めて展示会を開催。さらに水戸市内の空き店舗を使った販売会やワークショップにも参加し、地域との交流が生まれた。裕子さんは「できるだけ地域の中で、いろいろな人と同じ場所にいてほしかった。障害のある子どもは外との接点が少なくなりがち。だからこそ作品を見てもらう場をつくりたかった」と語る。 映画制作が転機に 活動の大きな転機となったのが、自身も出演し、克希さんの作品をもとに制作された映画「欲望の怪獣」(2019年松本卓也監督)だ。母親がイベントで出会った人との縁から企画が動き、映画制作の中で克希さんがオリジナルキャラクターを考えるようになった。「そこから自分の世界を形にする力が強くなった」と裕子さん。上映会などを通じて、さらに人との出会いが広がったという。 人との交流を重ねる中で、徐々に会話などのコミュニケーションも増えていった。「人に興味を持ってもらえることはとても大きい。作品について意見を聞きたいなど、人との関わりにも意欲的になった」と裕子さん。 克希さんの作品の源は、戦隊ものや海外映画、人気アニメ「ONE PIECE(ワン ピース)」などのアニメやゲームの世界だ。特に仮面ライダーシリーズの敵怪人デザインを多数手掛けた韮沢靖氏は大きな目標の一人。怪人や恐竜、特撮のキャラクターなど、独自のデザインを粘土や絵を通して生み出していく。思いついた瞬間に制作に取りかかる。多い時は短時間で複数の作品を作ることもあるという。 展示について克希さんは「デザインを見てほしい。作品を見た人から『かっこいい』『すごい』と言われるとうれしい」とし、「詳しい人が来たらアドバイスもほしい」と話す。将来については「なるべく認知されて、作品と自分のことをみんなに知ってほしい」と語った。出会いが増えたことについて尋ねると、「言い方が思いつかないんですが」と考えを巡らせながら、「うれしい気持ちです」と言葉を選んだ。 会場では完成作品だけでなく、キャラクターのアイデアやデザインのメモがぎっしりと詰まったスケッチブックも公開される。主催者でギャラリーの山中周子さんは「想像から次の創造へというタイトルに込めた思いとして、たくさんの作品とともに、よっちゃんの想像力が詰まっている制作過程がわかるスケッチブックの膨大なメモも含めて見てほしい」と話す。(柴田大輔) ◆松橋克希個展「イマジネーション クリエイト 想像から創造へ」は、つくば市千現1丁目23-4マイコーポ二の宮101、ギャラリーネオ/センシュウで、3月6日(金)から22日(日)まで開催。開館は金・土・日曜。開館時間は金曜は午後3~7時、土日は午後1~5時。入場無料。問い合わせは、メール(info@neotsukuba.com)でギャラリーへ。

日本薬史学会の資料《くずかごの唄》155

【コラム・奥井登美子】うちの薬局の隅に、薬の歴史コーナーがある。薬研(やげん)、薬缶(やかん)、薬用の植物片などが置いてある。 やかんは、昔、薬をつくる時に使った道具なので、薬缶という。今、漢方薬はインスタントコーヒー並みに抽出液が粉末になっているが、昔、我々の祖先が医薬品として使用してきたのは熱い液体の抽出液である。 今の粉状の漢方薬も、お湯に溶かして匂いをかぎ、口の中で味わいながら飲むと、自分の身体に合うか合わないかがはっきり分かって、治療に役立つ。薬の歴史が面白いので、私は日本薬史学会に入っている。 義兄 誠一の遺稿集「いのち」 最近送られてきた学会誌に、前会長の森本和滋先生の論文が載っていた。論文の最後に、私が贈呈した奥井誠一の遺稿集「いのち」が役に立ったことが書かれていて、うれしかった。 45歳で皆に惜しまれながら病気で亡くなった義兄の誠一は、東京大学薬学部で、裁判化学の助教授だった。国鉄総裁の下山事件や森永砒素ミルク事件のほか、いろいろな事件の解明に関わった毒薬の大家である。 「霞ケ浦の水が水道水として使えるかどうか、聞かれて困っちゃった。霞ケ浦は広いから、取水の場所にもよるけれど、どこも水道水としてはぎりぎり。土浦港にアオコが発生しているが、アオコの毒性問題は、きちんと調査して発表した人がまだいないんだ」 当時、義兄とおしゃべりしながら、薬学と環境倫理学の視点を持ち、地球規模で考える難しさを私は知ったのだった。 難癖をつけられながら編集 「いのち」の本は、当時、近藤信行さん(中央公論社)の協力を得て出版されたもので、義兄の友人、知人、遺族ら76人の原稿が載っている。親戚の人たちにいろいろ難癖をつけられながら、私が編集を担当した。いつの間にか、その本が薬学の歴史的資料の一つになったのが、懐かしいだけでなく、私にとって意外な重みになってしまっている。(随筆家、薬剤師)

半世紀の集大成 光を描く水彩画家 中野瑞枝さん回顧展 つくば美術館

土浦市在住の水彩画家、中野瑞枝さんの回顧展が3日、つくば市吾妻の県つくば美術館で始まった。画家として歩んだ50年余りの集大成として、過去25年間に描いた作品を中心に180点余りを展示している。 北海道や東北の農村、ドイツやスイスの風景から、茨城県内の身近な自然まで。一貫して追い求めてきたのは光だ。「光はどこにでもある。光が全ての事物を美しく見せてくれる。なるべく身近なものを描いていきたい」と語る。 回顧展は、以前にも開催を考えたことがあったが、「まだ早い」と踏みとどまった。だが体の衰えと進行性の病気が重なり、「今やらないともうできない」と決断した。8日まで。 「白」に命を宿す 中野さんの描く光は、水彩紙の白そのものだ。「水彩画の白は、色を乗せない。周囲に塗り重ねた色が、白を浮かび上がらせる」という。描きたい光をあえて描かずに、周辺の影や背景を塗り重ねることでモチーフを際立たせる、透明水彩の技法「ネガティブペインティング」を駆使する。 「あの木を見てください」と中野さんが指差す絵には、斜めから射す陽光に輪郭が照らされる3本の白樺の木がある。幹の光る部分を紙のどこに置くか、描き始めたら動かすことはできない。「塗ったら白は終わり。どこに光を残すか、描き始める前に決めなければいけない。描いてしまったら、波も雲もピカッと光らない」。緊張感の中で、光に命を宿していく。 会場入り口正面に置かれた作品「帰り道」は、山形県西村山郡の岩根沢をモデルにした風景画だ。刈り取りを終えた田んぼに沿う小道が画面の奥へと緩やかに伸び、柔らかい穂をつけたススキが土手を覆う。夕日に染まる雲が一面を赤く包む。車移動を重ねながら「心に響く光」を求めて旅した北海道・東北の景色や、スイスやドイツで出合った風景も並ぶ。 一方で、暮らしに近い場所にある風景にも眼を向ける。豊かな緑に囲まれる湿地と森の奥にのぞく階段、広い敷地に咲き誇る桜の木々は、つくば市の自然公園「高崎自然の森」だ。「桜なんて、以前は描く気はなかった。でも教室を始めて生徒たちと行ってみると、やっぱりきれいで、この世界がやっぱりすごくきれいに見えるんです」と笑みを浮かべる。ほかにも、つくばみらい市の小貝川沿いにある「福岡堰」、牛久市岡見町の「上池親水公園せせらぎの里」など、地域住民に馴染み深い場所の絵が並ぶ。 けがが開いた絵への扉 東京 伊豆大島で生まれた中野さんは、幼少期から自然に親しみ、高校時代はアルピニストを夢見た。「リュックの中にいろんなものを詰めて、お弁当を入れればパッと山へ行けるようにしていた。明日学校で試験だと言っても山へ行っちゃう、そんな人間だった」。そんな高校時代にアキレス腱の断裂を経験、さらに治療中の感染症が重なり、登山を断念することになった。「山登りしたかった子がそうなったんだから、人生絶望状態でした」と振り返る。 大学卒業後、20代半ばに「元々関心があった」絵画を始めた。芸大を目指す高校生たちとともに美術学校で腕を磨き、「やり始めたらすごく面白かった。一度も描くのが嫌だと思ったことはない」。 わが子が幼い頃は、1年で1万枚を目指して毎日子どもを描いていた。1990年に初めて開いた展覧会を30年以上に渡り毎年開催し続けてきた。 「お裾分けできれば」 けがによって限られた選択肢の中で手にしたのが「絵を描くこと」だった。しかし、いつの間にか絵のない生活はありえないほどに人生そのものとなっていた。「絵を描くことで私はプレゼントをいっぱいもらった。絵そのものも頂き物、人との出会いもそう」 「(病により)1週間前にできたことが今日できないこともある。でも、そう生きている人は山ほどいる。老いや病は誰もが通る道。かわいそうだという見方はすごく嫌なこと。そこにフォーカスするより、私が絵を通して頂いてきたものをお裾分けできればいい。そんな思い」と静かに話す。 16年前、牛久市に転居したのを機に始めた絵画教室は、土浦に引越した現在も、つくば市内で月2回続けており、現在約10人の生徒が学ぶ。 「自分が培ってきた技術や、いろいろなものをできるだけ人に伝えていきたいと思うし、絵を通して人と関わることによって、与えたり与えられたりすればいいと思っている」と話し、「高校時代、足のけがで山に登れなくなったのは、今は本当に良かったと思っている。あのまま突き進んでいたら、雪山で命の保証はなかった。けがで命拾いをして、絵を描き始めた」。時間はかかったが、そう思えるようになったと微笑んだ。(柴田大輔) ◆「中野瑞枝水彩画回顧展」は、つくば市吾妻2-8 県つくば美術館で3月3日(火)~8日(日)まで開催。開館時間は午前9時30分~午後5時(入場は午後4時30分、最終日は午後3時まで)。入場無料。詳しくは県つくば美術館ホームページ内の展示会情報へ。

「普通」だけに頼る危うさ《続・気軽にSOS》170

【コラム・浅井和幸】寒い日に寒いと言う。普通ですね。暑い日に暑いと言う。普通ですね。嫌なことを忘れたいと思う。普通ですね。好ましくない状況を解決したい、好ましい状況にしたいと考える。やっぱり普通ですね。 寒い日や暑い日にエアコンをつけて快適な室温にする。解決できますね。室温が低いから寒いと感じる。間違っていません。だから、エアコンで室温を上げれば解決する。外気が低いとか冬だからとか文句を言っていても、暖かくはなりません。文句を言えば、誰かがエアコンをつけてくれるかもしれませんが…。 寒い時に体が震えますね。あれは筋肉を震わせて体温を上げる反射だそうです。寒い日に運動をすれば体が温まり、寒いと感じないどころか、暑いと感じることもあるでしょう。寒いと感じるのは、体が冷えていることの方が本質に近いかもしれません。 部屋にいる状況で、外気が寒くても部屋が暖かければ寒いと感じない。部屋にいる状況で、部屋が寒くても体温が高ければ寒いと感じない。どちらも正しく普通だと思います。寒さを解決するには、エアコンをつけてもよいし、運動をしてもよいし…、他にもたくさんの解決法がありそうです。 嫌なことを忘れる方法 さて、嫌なことを忘れるにはどうすればよいでしょう。人には、忘れようと意識して忘れるという機能はないそうです。嫌な奴や出来事を忘れようと意識するほど、長い時間考えるほど、その意識か強く記憶に刻まれ、嫌な気持ちは大きくなり、よろしくない状況が起きそうです。 嫌なことは忘れようとすると、逆に嫌な気分が強くなることもあります。普通ということがいつも正しく、よいものではなさそうです。嫌なことを忘れる、いくつか方法がありますので、いくつか挙げておきます。これらがあなたの「新しい普通」になることを願いながら、詳しくは、機会に取り上げたいと思います。 (1) 嫌なことが思い浮かんでも、そのまま放っておき、別のことを行う。 (2) 嫌なことに少し近づき、思ったよりも嫌なことが起こらない体験をする。 (3) 身体的なリラックス方法を試してみて、呼吸をゆっくり行ってみる。 (4) 嫌なことを味方と思える人と共有して、安心できる時間や空間をつくる。 (5) 嫌なことを乗り越える対応策に悩み、計画を立て実行する。 (精神保健福祉士)