水曜日, 2月 11, 2026
ホーム土浦年越し売り出し中 そば焼酎「土浦小町」【人と仕事の回顧録'21】5

年越し売り出し中 そば焼酎「土浦小町」【人と仕事の回顧録’21】5

土浦市農業公社企画 明利酒類の製造販売

主原料に土浦産常陸秋そばを全量使用したそば焼酎「土浦小町」は、土浦市農業公社(同市永井)が企画し、明利酒類(水戸市)に製造と販売を委託。11月1日の発売以来、売れ行きは好調で、製造元の明利酒類では歳暮需要期を待たずして12月中旬に早くも出荷終了。残るは各小売店の店舗在庫のみとなっている。

常陸秋そば原料に

商品名の「土浦小町」は、土浦市新治地区に残る平安時代の歌人・小野小町の伝説にちなむ。お披露目が予定されていた土浦の花火大会(11月6日)の開催中止で、当初の思惑は外れたが、商品自体の話題性と品質の高さから滑り出しの売れ行きは上々。問屋筋からも「ぜひ来年もまたお願いしたい」と要望が相次いでいるという。

「土浦小町」(左)取り扱いの小町の館・阿部百合子さん。そば粉や外殻をむいた「丸抜き」のそばの実も販売する(土浦市小野)

原料の常陸秋そばは、全国のそば店やそば通に支持される一方、生産量は全国シェアのわずか6%という希少性から高いブランド力を誇る。県の奨励品種であり、主産地の一つ新治地区では、11軒の農家が100ヘクタール弱の作付面積で約100トンを生産。そのうち30トンを市農業公社が買い上げ、玄そばやそば粉にして販売する。顧客にはそば打ち職人グループなどが名を連ねる。

公社主任の露久保浩さんは「手前味噌になるが全国のそばの中で、味わいの豊かさや鼻に抜ける香りが一番高い。最もそばらしいそば」と話す。コロナ禍による余剰在庫を活用し、そば焼酎にして飲んでもらうことで、土浦産常陸秋そばの知名度アップにつなげようと企画した。

製造を依頼した明利酒類は清酒「副将軍」や県内各地の地域産物を使った焼酎・リキュール類で実績豊富。酒類販売部の川口幹夫さんは「良い農産物が揃っている茨城の中でも最高の食材を使い、良い酒を造って地産地消や地域PRのお手伝いをしたい」と引き受けた。

今回は600キロのそばから720ミリリットル詰の焼酎約2200本が造られた。常陸秋そばは実が大きく粒揃いが良いことも特徴で、そのせいか歩留まりも良く醸造は順調に進んだ。白麹(こうじ)仕込みにより素材の持ち味を生かし、抽出には減圧蒸留方式を採用。沸点が低くなるため雑味が抑えられ、クリアで軽快な味わいになるという。

家庭でも楽しめるそば湯割り

出来ばえについては「さわやかでキレがよく、すっきりとした味わいのある焼酎。そば特有の華やかな香りと、口当たりのやわらかさが特に感じられる」と川口さん。飲み方は、キリッとした飲み口を楽しむならロックやソーダ割り、まろやかで優しい味わいにするならそば湯割りが適するという。

11月に土浦駅ビル内の「IBARAKI佐藤酒店プレイアトレ土浦店」で試飲販売会が行われた際は、市内おおつ野のそば店「筑山亭かすみの里」がそば湯を提供した。「当店ではほとんどの方がそば湯割り。焼酎のカドをまるめておいしく飲める」と店主の長峰淳さん。そば湯は濃いめの方が合うそうで、そば本来の甘みと香りが増幅され、料理の味も引き立ててくれる。

「そば焼酎には一番のお薦め」というイカの塩辛を添えて=筑山亭かすみの里(土浦市おおつ野)

そば湯割りは、そば店ならではの飲み方と思われがちだが家庭でも簡単だ。水100ミリリットルにそば粉小さじ1程度を溶いて火にかけ、沸騰してとろみがついたら、軽く温めておいた焼酎と合わせて熱々のところをいただく。割り方はお好みで、ちなみに試飲会では焼酎6に対しそば湯4で提供した。

「土浦小町は地域の名を冠した『おらが焼酎』として多くの方に興味を持たれ、喜んでいただくことができた。今後も製造を続け、県内外に周知を図り、新たな土浦ブランドとして成長させていきたい」と露久保さん。来年度の仕込みへの期待も高く、詳細はこれから協議するが、度数の高いプレミアム焼酎などの方向性も検討したいという。(池田充雄)

◆本格そば焼酎「土浦小町」 720ミリリットル入り1500円(税込み)。取り扱いは県内の大型店、酒販店、土浦市庁舎1階の「きらら館」、同市小野の「小町の館」など約40店。東京では中央区銀座にある県のアンテナショップ「イバラキセンス」など。市のふるさと納税の返礼品にもなっている。通信販売は市農業公社ホームページ

[おわり]良い年をお迎えください。

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

デジタル技術を駆使 アニメ、ゲーム、広告デザインなど展示 日本国際学園大

日本国際学園大学(つくば市吾妻)でデザインを学ぶ3、4年生が、日ごろの学習の成果を発表する作品展「2026コンテンツ デザイン エキシビジョン」(同大経営情報学部ビジネスデザイン学科主催)がこのほど、同市吾妻、中央公園内のつくば市民ギャラリーで開かれ、アニメ、ゲーム、メタバースなど最新のデジタル技術を駆使した作品や、想定した架空の店舗や商品のブランド価値を高める広告デザインなどが展示された。 1月31日から2月6日まで開催され、学生17人が作品約40点を展示した。同展は毎年開催され今年で15回目。4年生にとっては卒業制作展になる。 展示されたのは、楽曲に合わせて容姿が変化していくキャラクターを描いたアニメ作品、音楽に合わせてキャラクターや背景を動かすなどデジタルアートの制作過程そのものを映像にした作品、AIを使って小説のシナリオとキャラクターを制作したノベルゲームなど。 広告デザインは、つくば駅近くに架空のカフェがオープンしたと想定し、店舗のロゴやチラシ、缶バッチやシールなどを実際にデザインしたものや、土浦や水戸、常陸太田、龍ケ崎など、県内各地の昭和レトロな商店街を実際に訪ね歩き、それぞれの魅力を紹介したガイドブック、架空の水戸納豆のオリジナルキャラクターや商品パッケージなどをデザインした作品などが展示された。 インターネット上の3次元の仮想空間、メタバースの中で参加者を募り、参加者の分身であるアバターの撮影会や交流会を主催するなど2年間にわたる活動記録をポスター展示した4年の姜翔(きょう・しょう)さん(21)は「メタバースでは、いろいろな人が参加できるように企画を考えてイベント開きコミュニティを引っ張ったが、毎日のように反省点が出てきた」と活動を振り返った。 情報デザインやメディアアートを指導する同大の高嶋啓教授は「4年生にとっては、新型コロナの行動制限が始まった最初の年を1年生として過ごした。表現したいという強い気持ちが現れた作品や、センスが面白い作品があるので、これを引き継いでさらに深めていってくれれば」と話していた。

焼き芋ブームを「食文化」に《邑から日本を見る》191

【コラム・先﨑千尋】「焼き芋がブームになって20年。それを食文化に定着させよう」。今やスーパーの店頭だけでなく、コンビニやドラッグストアでも焼き芋が売られている。その火付け役となったのが「なめがた農協(現なめがたしおさい農協)」だ。 行方市で焼き芋サミット その本拠地の行方市にあるレイクエコーで、1月16日に「全国焼き芋サミット」が開かれ、全国から、焼き芋愛好家や生産者、行政、農協関係者、焼き芋業者、研究者など350人が集まり、焼き芋について熱く語り合った。開催は昨年に続いて2回目。主催は同実行委員会と行方市。 サミットの冒頭、同農協の金田富夫組合長が「農協では約30年前、それまでは主食用だったサツマイモを焼き芋として販売しようと考え、スーパーの店頭で売ることを考えた。しかし、焼き方や品種などで、1年を通しておいしい焼き芋を提供するのは難しかった。工夫を重ね、マニュアルを作り、今では全国約4000店舗で通年販売している。焼き芋をブームで終わらせるのではなく、食文化にしていきたい」と話した。 サミットでは最初、茨城県職員時代にサツマイモの病害虫研究に携わってきた東大大学院特任教授の渡邉健さんが、サツマイモ栽培で問題となっている「基腐(もとぐされ)病」などについて「必要以上に怖がらないように。病原菌を持ち込まない、増やさない、残さないが基本だ」と注意を呼び掛けた。 あるとうれしい⇒あって当たり前 基調講演は、サツマイモに特化したイベント「さつまいも博」を2020年に始めた石原健司さんが「焼き芋を『あるとうれしいもの』から『あって当たり前』に。生活を豊かにするものと消費者が考えられるようになれば、ブームから文化に定着したと言える。そのためには、客層を固定客だけでなく、子供世代やインバウンド(訪日客)などまで視野を広げていく必要がある」と訴えた。 「焼き芋業界のいま、そしてこれから」というテーマのトークセッションでは、龍ケ崎市や行方市の生産者や焼き芋業者らが登壇。それぞれが「原料のイモを安定して供給することが大事。そのためには土づくりが欠かせない。後継者が残れるために外部から呼び寄せることも必要。『焼き芋で笑顔に』を合言葉に、全国各地の百貨店やイベントに出店し、イモの皮まで旨(うま)味や香りを感じる焼き方を、生産者の思いも伝えながら全国の焼き芋ファンに届けている」などと話し合った。 サミットの最後は分科会。参加者が、生産、焼き芋市場・消費トレンド、地域・観光・体験農業、暮らしと女性の視点の4つに分かれて討議した。私が参加した生産の分科会では、基腐病や立枯病などの対策に関する質問や意見が多く出された。 サミット終了後、会場を隣の「なめがたファーマーズヴィレッジ」に移して交流会が開かれ、参加者は、サツマイモ料理や焼酎、いろいろな品種の焼き芋などを味わいながら、焼き芋談義で楽しんだ。(元瓜連町長)

紅梅満開 白梅咲き初む 筑波山梅まつり開幕

第53回筑波山梅まつりが7日、筑波山中腹にある筑波山梅林(つくば市沼田)で始まった。今年の開花状況は例年より1週間か10日ほど早く、紅梅はほぼ満開、白梅は咲き始めているという。1月初旬に満開となったロウバイは見頃が続いている。 7日は雪がちらつく中、開園式が催され、同梅まつり実行委員会の神谷大蔵委員長は「雪の開園式というのは私の知る限りはじめて。今年はずっと暖かったので花が咲き始めている。開催中大きな事故がないように務めていきたい」とあいさつした。式典には関係者約50人が参加した。 梅まつり期間中、がまの油売り口上、つくばのおさけで乾杯!(2月28日と3月1日に開催)、百人きものPresents/青春フォト(3月1日)などのイベントが開かれる。園内をつくば観光ボランティア298が案内する。ご当地土産品販売、筑波山おもてなし館での「梅Café」、梅を使用した期間限定メニュー「梅食」なども用意される。3月7日にはジオパーク企画として認定商品の販売、ジオパークの特設ブースも開設する。さらに隣接のアウトドアパーク「フォレストアドベンチャー」がリニューアルされ、往復180メートルの新ジップスライドが加わった。周辺店舗ではつくばうどん特別企画や、筑波山梅まつり宿泊プランなどが用意されている。 筑波山宮前振興会の渡辺伸一会長は「来た人に満足して帰っていただけるように努力したい。今年は梅食や梅ドリンクなどを用意した。福来みかんの素材を使ったものも、バージョンアップしているので期待してほしい」と話している。 梅まつりは3月15日まで。筑波山梅林は標高約250メートル付近にあり、中腹の斜面に広がる4.5ヘクタールの園内には約1000本の白梅や紅梅がある。

自民 国光氏が議席を奪還 茨城6区 衆院選’26

青山氏 議席失う 解散に伴う衆院選は8日投開票が行われ、高市旋風が吹く中、茨城6区は、自民前職の国光あやの氏(46)が、無所属で前職の青山大人氏(47)ら4氏を破り、小選挙区の議席を奪還して4期目の当選を決めた。無所属の青山氏は議席を失った。 茨城6区 開票結果 確定107,388 国光あやの 自 民 前④104,844 青山 大人 無所属 前23,443 堀越 麻紀 参 政 新 9,902 稲葉 英樹 共 産 新 2,982 中村 吉男 無所属 新 国光氏「皆さんが支えてくださった」 つくば市吉瀬の国光氏の選挙事務所には午後8時前から支持者らが集まり、テレビの開票速報を見守った。午後9時40分、テレビで当選確実が伝えられると、大きな拍手が起こった。間もなく国光氏が姿を見せると、会場はさらに大きな拍手と歓声が上がった。 午後9時55分、国光氏は自民党県議や市議らとバンザイ三唱。、「今回、4回目の選挙になるが、私の力不足で本当に厳しい選挙だった。それを皆さん、私にずっと伴走いただいたり、寒い中、叱咤激励いただいて、駆け付けていただいたり、一緒に歩いていただいたり、皆さんのお陰でこの場にこうやっていられなと、本当に皆さんに感謝しかありません」とあいさつした。 勝因については、テレビのインタビューに答えて「私一人の力ではない。(選挙戦が)始まる前から厳しい状況だったが、皆様が支えてくださった」と感謝を口にし、「突然の解散について、一つひとつ丁寧に説明しながらの選挙戦だった」と振り返った。 今後については「物価高対策に取り組み、賃金上昇を支え、しっかりと責任ある積極財政で取り組んでいく」などと話し、地域の課題については「県南は人口が増えているが、取り残されている課題がある。農業や社会保障など、だれも手を付けてないような取り残された課題に光を当てたい。医療、介護、福祉事業者は厳しい経営状況にある。現役世代の社会保障費の負担など、これ以上負担を求めることのないようしっかり社会保障改革に取り組みたい」などと話した。(鈴木宏子) 青山氏「ふわっとした高市さんの虚像に敗れた」 つくば市西大橋の青山氏の選挙事務所には、五十嵐立青つくば市長、宮嶋謙かすみがうら市長など、約200人の支援者らが集まりテレビモニターから流れる開票速報を見守った。雪がちらつく中、午後9時50分過ぎに国光氏の当選確実の一方が流れると、会場に沈黙が流れた。青山氏は厳しい表情のまま腰に手を当て画面を見つめた。 午後10時5分、トレードマークのスカイブルーのジャンパーを脱ぎ、スーツ姿で登壇した青山氏は、「全ては私の不得のいたすところ」とした上で、無所属で臨んだ選挙戦について、「自分で選択したこと。政見放送がないなど制限があったが、中道の候補者が厳しい状況の中でもここまで善戦することができたのは支援者の皆様のお陰」と感謝を述べ、「今まで以上の大きな反応、声援をいただいた。ただ、それ以上に高市さんの人気があったということ。見えない、ふわっとした高市さんの虚像があった」と選挙戦を振り返った。今後については、「支援者の皆さんとよく相談して考えるが、既存の政党に合流する考えは今のところない」と述べた。会場からは、「よくやった」「頑張ろう」の声が飛び交った。(柴田大輔)