コロナ禍でアルバイトが減った学生を支援しようと、つくば市天久保の松見公園で開かれている食材無料提供会が12月で1年を迎えた。市民団体「学生応援プロジェクト@つくばPEACE」(冨山香織代表)が昨年12月から毎月欠かさず、無料でコメや野菜、日用品を配布してきた。1年間で筑波大生ら延べ約3200人が利用した。
「まだ助け必要としている」
19日、松見公園で開かれた食材提供会は約200人が利用した。事前にSNSで募集した配布の予約は開始から3時間弱ですべて埋まった。冨山代表は「学生たちはまだまだ助けを必要としている」と語る。一方で「コロナ禍ということもあり(事前予約制という)制限を掛けざるをえないのは心苦しい」ともいう。
配布会では毎回、利用者にアンケートをとり結果をまとめて、A4判裏表のニュースを作成し、カンパを寄せてくれた支援者に報告している。
10月31日に行ったアンケート調査では、行政に望むことは何かという質問に対し66.7%が「現金給付」と回答した。ほかにも、「学費の引き下げ」(50%)、「給付型の奨学金」(44.1%)、「最低賃金の引き上げ」(32.8%)などと答えている。
助け合いの輪広がる
冨山代表が知人に声を掛けて始めたプロジェクトだが、現在では学生スタッフ15人が新たに加わり、10代から70代と幅広い市民が配布を手伝っている。
SNSのフォロワーも現在約1200人まで増え、支援者の輪が広がりつつある。10月には、茨城大学農学部から新米1.2トンの支援があった。
19日、配布会に来た、筑波大大学院1年の土田隼久さん(23)は「持ちきれないくらいたくさんもらえた。毎月の食料配布はひじょうにありがたい。支援してもらえた分、将来自分が社会貢献をして還元したい」と話した。
中国人留学生で筑波学院大経営情報学部の王丹晨さん(23)は「友達から今回の配布会があることを教えてもらった。サツマイモなどの野菜をもらうことができてとてもうれしい。コロナのため、3年半国に帰ることができていないが、友達や周りの人に支えてもらっている。このような配布は本当にうれしい」と笑った。
19日の配布会では「私もこのプロジェクトに関わりたい」と声を掛けてきた学生もいた。学生スタッフの多くは、もともと配布会に来て食材を受け取っていた。共助の輪は少しづつ広がっている。(武田唯希)