つくば市茎崎地区の住宅団地、森の里団地で21日「森の里文化祭」が開幕した。昨年は開催を中止し2年ぶりとなる。緊急事態宣言が9月末に解除され、新型コロナの感染者がその後も減少していることから、森の里自治会(倉本茂樹会長)が1カ月前に開催を決めた。
写真、絵画、手芸、習字、絵手紙など住民の作品約530点が団地内の自治会公会堂に展示されている。例年より少し多い作品が集まった。一方、例年は会場に喫茶スペースを設け、豚汁やコーヒーなどをふるまってきたが、今年は喫茶スペースを設置せず、会場が混雑した場合は入場を制限する。
コロナ禍、つくば市は市民文化祭を中止、各自治会も2年連続で文化祭を中止した地区がほとんどの中、感染防止対策を徹底して開催にこぎつけた。
展示作品は、団地に隣接する谷田川の土手をヒナを連れて歩くコハクチョウや、市内に営巣するオオタカが木の枝から飛び立つ写真、岡山県倉敷の街並みや長野県安曇野の集落の風景を鉛筆だけで描いた鉛筆画、花びらや果物などを押し花にして絵にした押し花絵画、ひもを編んで手作りしたバッグ、紙粘土人形、ネックレスなど。
自治会文化部長の吉田敏さん(74)は「自宅でこつこつ作ってきた人たちが作品を出していると思う。直接、顔を合わせなくても、作品を通して『あの人が作品を出しているね』と思っていただければ」と話している。
森の里団地は約1300世帯のうち半数を65歳以上の高齢者が占め、新型コロナが感染拡大した昨年から、外出を控え自宅に閉じこもりがちの高齢者も多いという。緊急事態宣言時などは文化サークルも活動を休止したため、各自が自宅で仕上げた作品が多いという。
同自治会は毎年、バス旅行や演奏会、映画鑑賞会などさまざまなイベントを1~2カ月に一度開いてきたが、コロナ禍ですべてのイベントを中止しており、この2年間で開催できたのは文化祭が唯一という。
◆森の里文化祭は27日まで1週間、つくば市森の里、森の里自治会公会堂で開催中。時間は午前10時から午後3時。入場無料。