金曜日, 9月 19, 2025
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「議会って何?」 市民が情報公開し調査報告書を作成 土浦

【鈴木宏子】市議会議員はどのような議会活動をしているのか、土浦市議会の年間議会費約3億9800万円はどのように使われているのかなどを、市民の立場からまとめた小冊子「『議会って何?』市民レポート」(A4判、22㌻)がこのほど作成された。

土浦市の市民団体「土浦まちづくり市民の会」(代表・長坂慎一郎元山形大教授)が、本会議や委員会の議事録を読み、計15回にわたって関係資料を情報開示請求するなどして、約1年かけ2015年度の実態を中心にまとめた。分析した結果を数値化して表にするなど見やすい工夫をしている。

市議の報酬や出席日数、質問回数のほか、1議案当たりの審議時間、政務活動費の使い道、委員会の行政視察の問題点などについてまとめた。

■1議案の審議3~8.2分

土浦市議の報酬は県内ランキング(13年度)で水戸、日立、ひたちなか市に次いで4番目に高く、兼業・兼職をしている市議が70%と全国平均の57%より多いことなどをまず指摘している。

さらに16年3月議会会期中に開かれた4つの委員会の議事録をもとに、議案の審議状況を調査。委員会での1議案当たりの審議時間はわずか3~8.2分で、審議の際出された質問回数は、質問が多い上位2人の議員の質問が70%を占め、質問ゼロの市議もいることなどを明らかにし、「約半数の議員は質疑に参加していないも同然」などと指摘している。

■行政視察「成果何も報告されていない」

政務活動費の使い道については、50%以上を視察旅費に当てている会派が3会派あったとし、「視察内容が市の抱える問題とかけ離れているものが多く、何のための視察か、見てきたことをどう市政に反映させるか問題だ」などとしている。

5つの委員会が16年度に計9回、約418万円の旅費をかけて行った行政視察については、それぞれの視察報告書を閲覧した上で「目的地、視察項目と土浦市との関連性が書かれておらず、視察先を選んだ理由が不明で、視察によってどのような成果があったか何も報告されていない」などと問題点を厳しく指摘している。

同会の高村義親事務局長は「日頃、議会に無関心だったことから『これではいけない』と思い立って作成した。初めて知る事実、驚くような実情があり、事実を知り、いい方向に変えていく力になれば」と語り、殿岡哲雄さんは「今後、議会に提言書を作れれば」と話している。

小冊子は計300部作成。1部200円。問い合わせは☎090・3147・0766(殿岡さん)。

昨年12月24日完成した「『議会って何?』市民レポート

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何気ない風景から世界かたどる 高木紀英さん個展「短編写真」

土浦ギャラリーで20日から  土浦写真塾講師を務める同市在住の写真家、高木紀英さん(73)の個展「短編写真」が、20日から土浦駅前の土浦市民ギャラリー(同市大和町)で開催される。 市内で撮影した何気ない風景や身近な場所などから世界をかたどったモノクロとカラーの写真計60点が、「童の國」「神々の宿る場所」など12のカテゴリーに分けて各5点ずつ展示される。素材の断片を組み合わせたコラージュ作品もあり、見る人によって独自の解釈が生まれるイメージとして撮った写真という。 例えば「黒いコートの女」という作品には人物が写っているが、それは主役でなく風景の一部となっている。高木さんは「自由に見てもらうという姿勢が必要で説明はあまりしない。いろいろな角度で見てもらうのがよい」と語る。 展示される作品はモノクロが多い。「モノクロ写真の良さは、色がないということで見るイメージが広がる効果があり、よりリアル感がある」と高木さん。作品はすべて自作プリント。カラーで写した写真をプリント時にモノクロに変換することもあるという。カラー写真は15点だけ。「カラーで表現する方が好ましいと判断したものについてはそうしている」。 高木さんは土浦生まれ。1992年から本格的に写真を始めた。94年には茨城県展奨励賞を受賞するなど活躍。2019年に初の個展「神々の会話」、21年には個展「路上感撮」など開催してきた。現在、土浦市展委員、土浦美術協会委員などを務める。 写真文化衰退の助けに 今回の個展開催にあたっては、写真文化の衰退にいくらかでも助けにならないかという思いがあった。写真教室やサークルはどんどん高齢化が進み、若い人が入ってこない。若い人はスマホで写真を撮りSNSで楽しんでいる。このままでは写真文化がなくなってしまうという危惧をもったという。「接点はどこにあるか探す必要がある」と言い、写真展などにデジタル部門を作り、パソコンと大型スクリーンをつなげ鑑賞するなども方法の一つと考えているという。 底辺を広げるという意味で、今年6月に土浦市民ギャラリーで開催した「形のない集団の写真展」は、大きさやテーマにこだわりを持たず、誰でも参加できる写真展として企画した。敷居の低い作品展をどんどん企画していきたいと語り、「写真展は気軽な感じで来ていただき、心が閏っていただければありがたい」と来場を呼び掛ける。(榎田智司) ◆高木紀英さん個展「短編写真」は9月20日(土)~28日(日)、土浦市大和町1-1、アルカス土浦(市立図書館)1階、土浦市民ギャラリーで開催。開館時間は午前10時~午後6時。ただし初日は午後1時から、最終日は午後4時まで。月曜など休館。入場無料。問い合わせは電話029-846-2950(同ギャラリー)へ。 ◆高木紀秀さんが講師を務める「土浦写真塾」では会員を募集している。活動は、月例会を毎月第3土曜日午後1~5時、二中地区公民館で開催。会費は1回1000円。連絡先は吉田宣好さん(電話090-9014-5567、Eメールn_yoshida2024@yahoo.co.jp)へ。