【鈴木宏子】市議会議員はどのような議会活動をしているのか、土浦市議会の年間議会費約3億9800万円はどのように使われているのかなどを、市民の立場からまとめた小冊子「『議会って何?』市民レポート」(A4判、22㌻)がこのほど作成された。
土浦市の市民団体「土浦まちづくり市民の会」(代表・長坂慎一郎元山形大教授)が、本会議や委員会の議事録を読み、計15回にわたって関係資料を情報開示請求するなどして、約1年かけ2015年度の実態を中心にまとめた。分析した結果を数値化して表にするなど見やすい工夫をしている。
市議の報酬や出席日数、質問回数のほか、1議案当たりの審議時間、政務活動費の使い道、委員会の行政視察の問題点などについてまとめた。
■1議案の審議3~8.2分
土浦市議の報酬は県内ランキング(13年度)で水戸、日立、ひたちなか市に次いで4番目に高く、兼業・兼職をしている市議が70%と全国平均の57%より多いことなどをまず指摘している。
さらに16年3月議会会期中に開かれた4つの委員会の議事録をもとに、議案の審議状況を調査。委員会での1議案当たりの審議時間はわずか3~8.2分で、審議の際出された質問回数は、質問が多い上位2人の議員の質問が70%を占め、質問ゼロの市議もいることなどを明らかにし、「約半数の議員は質疑に参加していないも同然」などと指摘している。
■行政視察「成果何も報告されていない」
政務活動費の使い道については、50%以上を視察旅費に当てている会派が3会派あったとし、「視察内容が市の抱える問題とかけ離れているものが多く、何のための視察か、見てきたことをどう市政に反映させるか問題だ」などとしている。
5つの委員会が16年度に計9回、約418万円の旅費をかけて行った行政視察については、それぞれの視察報告書を閲覧した上で「目的地、視察項目と土浦市との関連性が書かれておらず、視察先を選んだ理由が不明で、視察によってどのような成果があったか何も報告されていない」などと問題点を厳しく指摘している。
同会の高村義親事務局長は「日頃、議会に無関心だったことから『これではいけない』と思い立って作成した。初めて知る事実、驚くような実情があり、事実を知り、いい方向に変えていく力になれば」と語り、殿岡哲雄さんは「今後、議会に提言書を作れれば」と話している。
小冊子は計300部作成。1部200円。問い合わせは☎090・3147・0766(殿岡さん)。