金曜日, 4月 10, 2026
ホームスポーツ筑波大・佐藤隼輔投手 西武が2位指名 プロ野球ドラフト

筑波大・佐藤隼輔投手 西武が2位指名 プロ野球ドラフト

左の本格派「目標は新人王」

プロ野球のドラフト会議が11日、東京都内のホテルで開かれ、筑波大の佐藤隼輔投手(21)が西武ライオンズから2位で指名された。指名を受けると佐藤投手は、緊張した表情をわずかに崩し「プロ野球選手としてのスタートラインに立つことができてほっとしている。家族に感謝したい」と話し「新人王を取れるよう頑張りたい」と意欲を燃やした。

宮城県仙台市出身の佐藤は最速152キロを誇る左の本格派。切れのあるスライダー、チェンジアップを武器に、2年秋には大学日本代表に選出された。

会見で佐藤は「先発・中継ぎ問わず、1年目から年間通して活躍し、新人王を取れるよう頑張りたい。将来は侍ジャパンに選ばれるような、日本を代表する投手になりたい」と目標を語った。目指す選手は、高校時代から憧れていたという楽天・早川隆久投手。対戦してみたい打者として、球界屈指の強打者、ソフトバンク・柳田悠岐選手をあげた。

筑波大では体の仕組みを学び、自身の投球フォーム分析をテーマに卒論に取り組む。つくばでの4年間を「仲間との充実した時間を過ごすことができた」と振り返り、「大学で学んだ『考えながらプレーすること』を今後も貫いていきたい」と話した。

西武から指名を受けた佐藤投手(右)と、筑波大野球部の川村監督

西武からの指名を佐藤の隣で聞いた筑波大野球部・川村卓監督は「指導者としては、1位で送り出したかった。それでもけがもあった中で、指名を受けることができよかったと思う」と佐藤の気持ちをおもんばかった。

川村監督は同大で動作解析などの研究をする研究者でもある。入学当時から佐藤のデータを収集・分析してきた。「本人が望むなら、今後も継続してデータを収集できれば」とし、「これまでのデータは、プロ野球の方にも渡したい」と話した。

県内チーム、3名が指名

茨城県内のチームからは佐藤のほか、3人が指名された。

日立製作所の豊田寛(24)選手は、阪神からドラフト6位指名を受けた。豊田は東海大相模3年時に右の強打者として4番を務め、現在中日でプレーする小笠原慎之介投手とともに夏の甲子園で全国制覇を果たしている。

またBCリーグ・茨城アストロプラネッツからは、山中尭之外野手(22)が育成1位でオリックスに、大橋武尊外野手(20)が育成3位で横浜DeNAにそれぞれ指名を受けた。(柴田大輔)

茨城アストロプラネッツから2選手

笑顔でポーズをとる山中選手、大橋選手(左から)

茨城アストロプラネッツは笠間市役所前芝生広場で、ドラフト候補選手が出席しパブリックビューイングを開いた。

オリックスから育成1位の指名を受けた山中は「NPB(日本野球機構)に行くという目標のスタートラインに立てた。これからはそこで活躍するという次の目標に向かって頑張る」と第一声。横浜DeNAに育成3位で指名された大橋は「これからもっと成長していかなくてはいけないが、今日だけは素直に喜びたい」と心境を語った。

指名を受けた球団の印象について山中は「バファローズには今季、プラネッツからセサル・バルガス投手が入団している。自分がそれに続いたということは、いい流れなのかなと思う」。大橋は「ベイスターズは主体性を掲げ、最新のものを取り入れている球団。プラネッツは日本と米国の野球の良いところを取り入れ、また自分も米国の野球を現地で学んできた。それらがうまくつながるのでは」と話した。

山中外野手は結城市出身、つくば秀英高校と共栄大学で4番打者を務め、トライアウトを経てアストロプラネッツに入団。スイングスピードと飛距離、弾道を武器とするホームランバッターで、逆方向への長打に磨きをかけ、体重増加とパワーアップに務めたことが今季後半の好調につながった。松坂賢ヘッドコーチは「たくましい体格による日本人離れした長打力が魅力。今後は再現性を高め、テクニックを増やしていくことが課題。日本では右の強打者が少ない中、夢を見させてくれる選手」と評価する。

大橋外野手は東京都出身、中学を卒業後単身渡米し、世界的に有名なスポーツ留学校IMGアカデミーで学び、野球で守備力ナンバーワンの選手に贈られるゴールドグラブアワードを受賞した。今春帰国しアストロプラネッツに入団。50メートル走5.8秒、遠投110mの俊足強肩が武器。松坂HCは「シェイプされた体で抜群の身体能力。バッティングの強度や出力も高く、打球の速さも素晴らしい。守備範囲などもまだまだ伸びしろがある」と期待を寄せる。(池田充雄)

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「おひたじ」のまち土浦《くずかごの唄》156

【コラム・奥井登美子】 「土浦は『おひたじ(醤油=しょうゆ)のまち』と聞いていたけれど…」 「うちの隣りのあの大きな倉も、昔、醤油を作っていたらしいわ」 「おひたじ、使い過ぎですよ。漬物にまでかけるのね」 私の母は明治時代、京橋で生まれて育った人。醤油のことを「おひたじ」と言っていた。常陸の国の「ひたち」が下町風になまって、「おひたじ」になったらしい。 私が3人目の女の子を出産したときだった。奥井家の親戚の男の人から「女っぱら…」と言われ、私は何のことやら、さっぱりわからなかった。家が重んじられた江戸時代、女の子ばかり産んでいる母親を「差別用語」でそう呼んだらしい。 まだそのような差別用語が、土浦には残っていたのかと、びっくりした。 醤油ジャブジャブの夫 私の夫、奥井清は94歳まで日本山岳会に入っていて、山登りを楽しみながら、明るく、たくましく生きて、天国にみまかった。 彼は76歳のとき、東京のお茶の水で大動脈解離を起こし、救急車で当時の東京医科歯科大学病院に運ばれた。大動脈の中膜が脳へ行く1センチ下からの解離で、脳味噌も何とか機能を保持しながら退院ができた。 3人の娘たちは、子育てしながら仕事をしていたが、介護の私を実に細かくサポートしてくれた。「女っぱら…なんて言われたけれど、女の子が3人いて本当によかった」。彼はしみじみとそう言って、3人の娘たちに感謝していた。 退院のときに医者から強く言われたのは、食事の塩分制限だった。お醤油をジャブジャブ使う夫の舌を、どうやって改造し、塩分を減らしていけばいいのか、私は途方にくれてしまっていた。 千葉大学病院で胃がんの手術をしていた外科医だった兄も、「大動脈解離の後、いつ何が起こるか分からない状態だから、2人とも覚悟して生活を変えなさい」と、心配してくれた。 医者の言うことは聞いてくれるが、私が言えば反発するに違いない。当時、霞ケ浦医療センターに栄養指導の部門があったので、そこへ2人で通院することにした。(随筆家、薬剤師)

「水エンジン」量産へ 東大発 宇宙ベンチャーがつくばに生産拠点

小型人工衛星向けの推進機(エンジン)を開発する東京大学発の宇宙ベンチャー、ペールブルー(Pale Blue 本社・千葉県柏市、浅川純社長)がつくば市内に建設していた「つくば生産技術開発拠点」の開所式が8日、大井川和彦知事、五十嵐立青つくば市長ら関係者30人余りが参加して催された。同施設では、同社が開発した「水」を推進剤とする独自のイオンエンジンの量産に向け、技術開発から製造、検査、出荷までを1カ所で完結させる。 拠点は、つくばエクスプレス(TX)万博記念公園駅周辺の工業地域に立地する。鉄骨造3階建て、敷地面積は約1900平方メートル。当初は25年8月の操業開始を予定していたが、実際の稼働は今年2月となった。 用地は県が土地区画整理事業を実施したTX沿線の上河原崎・中西地区内で、県有地をペールブルーが約9800万円で落札し、取得した。土地取得費を含む総事業費は約16億円。成長産業の本社や研究所などの誘致を目的とした県の企業立地促進補助金に、2023年12月に採択された。補助見込額は約1億5000万円。主に人材の雇用に対する奨励金として活用される。 施設内には、真空状態となった内部で機器の試験を行う真空チャンバー、振動試験機、クリーンルームなどの主要な設備があり、推進機の生産技術開発から最終検査・出荷までを自社で完結できる「一気通貫」の体制を構築した。 拠点は今年2月に稼働を開始し、現在は約15人が勤務する。生産拡大に合わせて段階的に人員を増やし、将来的には最大60人体制を目指す。生産技術や品質管理、調達などものづくり関連の人材を中心に採用を強化している。 県プロジェクトの目玉企業 ペールブルーは2020年、東大大学院で航空宇宙工学を専攻した浅川さんら研究者4人が創業した。従来の推進剤には毒性の高いヒドラジンや、希少で高額なキセノンが使われ、取り扱いに制約があった。これに対し同社は、安全で調達が容易な水に着目し、水蒸気やプラズマを噴射して推進力を得る独自の推進機「水イオンエンジン」を開発した。エンジンの重量は、水を含めて約1.5キロ、大きさは約10センチ四方と、従来型では難しかった小型化を実現。浅川さんは水の利点として「安全性、入手性、コスト」の3点だと説明する。2025年9月には宇宙空間で水イオンエンジンを稼働させることに、世界で初めて成功した。 同社が開発する推進機は、ロケットで打ち上げられた人工衛星が宇宙空間で切り離された後に初めて役割を発揮する装置で、推進剤となる水を宇宙空間に噴射し、その反動で衛星を動かす仕組みだ。機能は大きく四つある。衛星を目的の軌道に送り届ける「軌道投入」、空気抵抗や重力の影響で生じる軌道のずれを定期的に修正する「軌道維持」、運用を終えた衛星を大気圏に落下させる「軌道離脱」、増加が問題となっている宇宙ごみ(スペースデブリ)との「衝突回避」だ。 近年は多数の小型衛星を連携させて運用する「衛星コンステレーション」が急速に広がり、年間数千機規模の打ち上げが続く。衛星の数だけ推進機が必要となるため、需要は世界的に増加している一方で、供給が追いついていないと浅川さんは言う。 県は2018年、JAXA(宇宙航空研究開発機構)と連携し宇宙ビジネスに取り組むベンチャー企業などを支援する「いばらき宇宙ビジネス創造拠点プロジェクト」を立ち上げた。大井川知事は開所式で「宇宙開発は新たな段階に入りつつある。つくばを中心に宇宙ビジネスに貢献できる企業を集積したい。ペールブルーはプロジェクトの中でも目玉の企業であり、県としてしっかりと支援していく」と述べた。 五十嵐市長は「世界から注目されるペールブルーの新拠点がつくば市にオープンしたことを光栄に思う」と歓迎し、約4年前から欧州の宇宙産業をリードするルクセンブルクの機関と連携協定を結び、市内のスタートアップを現地に派遣するプログラムを実施しており、ペールブルーの海外展開についても支援する意向を示した。(柴田大輔)