新型コロナウイルス感染者が急激に増加して病床がひっ迫し、災害級の深刻な状況になっているとして、大井川和彦知事は16日、県独自の非常事態宣言を発令した。
病床を緊急確保するため、コロナ患者をまだ受け入れていない一定の規模がある48病院に対し、感染症法に基づいて受け入れ病床の確保を要請したほか、16日、臨時の医療施設1カ所を開設した。非常事態宣言の期間は31日まで。
ほかに県南の医療機関や宿泊療養施設に酸素ステーションを同日、計7床設置した。入院調整が難航した場合、患者の一時受け入れを行う。リスクが高い軽症・中等症の患者には抗体カクテル療法を行うため、短期間の入院などを実施するとした。
病床確保については、現在、県内に591床ある病床を8月下旬までに727床まで拡充調整するとした。宿泊療養施設は現在の450室を、27日までに830室に増やし、9月上旬までにさらに1020室に増やす。
部活動は全面禁止、図書館も休館
県民に対しては、外食自体を控えてテイクアウトとし、買い物は最少人数とする▷ワクチン接種が済んでない40~50代は出勤や外出を極力自粛する▷スーパーも含め商業施設は入場者を通常の2分の1に制限する▷県の施設は図書館や美術館を含め休館とし市町村施設にも休館を要請する▷小中高校、大学などの部活動は全面禁止とし、夏休み中の課外授業はリモートとするーなどを要請した。勤務形態の見直しについては、経済団体など約200団体に協力を要請しているという。
現在の県内の入院患者は、454人(15日現在)のうち50代が最も多く30%を占める。次いで40代が22%と、40~50代が半分を占めている。新規感染者数はここ2週間で1.6倍に増え、14日には過去最多の391人を記録したばかり。大井川知事は「医療資源もどんなに頑張っても限界というところまできている、他の病気の入院なり手術の制限を考えていかなければならない状況まできている」と強調し、県民の理解と協力を求めた。