新型コロナウイルスの新規感染者数、病床稼働数の急増に伴って医療崩壊の恐れが迫っているとして、大井川和彦知事は3日、県独自の緊急事態宣言を県全域に発令すると発表した。期間は6日から19日までの2週間。発令は今年1月以来、2度目。併せて県独自の判断指標を「感染爆発・医療崩壊のリスクが高い状態」のステージ4に引き上げる。国に対しても3日、緊急事態宣言の適用を要請した。
感染拡大のスピードが非常に速く、2週間前(7月14~20日)と今週(7月28日~8月3日)を比較すると、新規感染者数が4.3倍、病床稼働数は2.6倍に増加しているとした。
さらに感染拡大市町村の対象(人口1万人当たりの新規感染者数1.5人以上)となる市町村が、前の週(7月21~27日)はほぼ県南地域だけにとどまっていたが、今週(7月28日~8月3日)は全県に広がってきているとし、今回の第5波は感染拡大の勢いが第4波までと大きく異なると強調した。
海水浴場閉鎖を要請
県独自の緊急事態宣言に伴い、海水浴場の閉鎖を、阿字ケ浦と平磯があるひたちなか市と、大洗サンビーチがある大洗町にそれぞれ要請する。県有施設のアクアワールド県大洗水族館、フラワーパーク、ミュージアムパーク県自然博物館、竜神大吊橋、袋田の滝観瀑台は期間中、休館とする。公園についても園内の屋内施設は利用を制限する。一部利用制限を含め休館となる施設は52カ所となる。
ただしカシマサッカースタジアム、国民宿舎「鵜の岬」、ザ・ヒロサワ・シティ会館、つくば国際会議場などで、すでにチケット販売や予約を受け付けている施設については感染拡大防止対策を徹底した上で受け入れ可能とする。
一方、人が密集せず大声を出す場所ではない県立近代美術館、県立図書館は感染防止対策を徹底し開館を継続する。
学校の部活動については、小中高校、大学いずれも、他校との練習試合の自粛を要請する。
飲食店に対しては、つくば市、土浦市など感染拡大市町村は7月30日からすでに午後8時までの営業時間短縮期間を要請していたが、期間をさらに延長し19日までとする。協力金も支給期間を延長する。
大井川知事はさらに夏休みやお盆の過ごし方についても、帰省はできるだけ避け、他都道府県から茨城県に遊びに来ることを極力避けてほしいと要請した。