木曜日, 6月 11, 2026
ホームスポーツ土浦三 接戦制す 土浦日大、霞ケ浦は完封【高校野球’21】

土浦三 接戦制す 土浦日大、霞ケ浦は完封【高校野球’21】

第103回全国高校野球選手権茨城大会は18日、3回戦8試合が4球場で行われた。土浦・つくば勢は、2回戦でシード校を破った土浦三が勢いに乗り、取手一を2ー1で下した。シード校の土浦日大は水戸葵陵を3ー0、霞ケ浦は藤代紫水を8ー0といずれも完封し、4回戦に進んだ。

笠間市民球場の第2試合、土浦三と取手一は2-1で土浦三が接戦をものにした。強打を誇る取手一に対し、先発の佐藤春汰が5回まで無失点という粘りの投球。リリーフの前田隼利も2回戦の境戦に続く好救援を見せた。

「先発の佐藤が5回まで頑張ってくれたことが勝因。今日の相手には彼のボールが有効とにらんだ。チームは2、3回戦とも120点の出来。選手が勢いに乗ってくれ、いい試合をしながら成長している」と坂本佑真監督。

捕手の田口雄大主将は「佐藤は球速よりも投げ分けで勝負するタイプ。ボール1個分2個分の出し入れができる。緊張していたので、ストライクを入れて打たせていこうと声を掛け、リラックスさせた」。

佐藤は5回まで2安打1死球で取手一打線を抑えたが、6回、先頭の橋本にソロ本塁打を打たれ、その後無死一・二塁とされたところで交代。救援の前田は続く3人を打ち取り火消しに成功。7回には3連打を浴びるが、左翼手・前沢隆史や二塁手・藤田寛大の好守にも助けられ、得点を許さなかった。

「前田はシンカーのキレが良かった。後半は疲れてきて腕が上がらなくなったが、ストレートに切り替えながら打ち取ることができた」と田口主将。

打線は取手一のエース塩入に4回まで1安打に抑えられていたが、5回に攻略。6番 高城魁斗が中前打で出塁し、8番 田口の中前打にエンドランをかけ1死一・三塁、1番 藤田の中前打で待望の先制点を奪った。

6回には追加点。4番 渡辺優斗、5番 中村翔太がともにピッチャー返しで2死一・二塁、7番 前沢の打球が三遊間を抜き、1点を追加した。「足をからめた攻撃は練習の成果が出せた。6回の攻撃ではライナーで野手の間を抜くバッティングをみんなが徹底してくれた」と田口主将。

6回裏、追加点の殊勲打を放った前沢が一塁上で仲間とグータッチを交わす

これで古豪復活を印象付ける4回戦進出。坂本監督は今春の就任以来「もともと打撃は良かったが、守備のミスから失点していた」と、守備の強化に力を入れてきた。特に注意したのがランナーを出した後のプレーや、2死から失点せず、切り替えてあと1個アウトを取ることなど。その成果が形となって表れ始めているという。(池田充雄)

ノーブルホームスタジアム水戸の第1試合は、土浦日大が水戸葵陵を3ー0で下した。

J:COMスタジアム土浦の第1試合は、霞ケ浦が藤代紫水を8ー0で完封した。

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【コラム・若田部哲】土浦市大岩田に位置する霞ケ浦浄水場は、土浦市、つくば市、阿見町のほか、県南水道企業団(龍ケ崎市)を通じて計4市町に水を供給する、県南の水道事業の要所です。現在は1日あたり約12万立方メートルの水を供給しており、これは500ミリリットルのペットボトル換算で約2億4000万本分にもなる、途方もない水量です。取材に先立ち、浄水場の外周を歩いて一周してみたところ、所要時間は実に25分。建ち並ぶ工場のような建屋群に、巨大なコンクリート構造物と、そこから突き出た巨大配管は、「工場」というより、ダムにも通じる「土木」のスケールと言った方が適切かもしれません。今回は、同所職員に、この浄水場の意義についてお話を伺いました。取材を進めるうちに見えてきたのは、単なる「大きな施設」ではなく、「霞ケ浦の水を、39万人が365日、途切れることなく安心して飲める水に変え続ける」という、極めて困難なミッションです。 「沈殿処理」「砂ろ過処理」 まず、水源である霞ケ浦は、浄水という観点では決して扱いやすい湖ではありません。職員によれば、少しでも良い水を求め、取水は約10キロ離れた美浦村木原付近で行っているといいます。それでも、霞ケ浦の水は、利根川などの河川水と比べて濁度やCOD(有機物による水質汚濁の指標)が高く、高濃度のかび臭原因物質を含むことがあります。除去が不十分な場合、水道水からカビや墨汁のような臭いを感じる原因になるとのことでした。つまり霞ケ浦浄水場は、単に「湖の水をきれいにする」ものではありません。条件としては決して良好とは言えず、しかも1年を通じて水質が変化する湖水を、複雑な工程を経て、常に安全でおいしい水道水に変え続ける「終わりなき難事業」なのです。意外だったのは、かび臭が主に冬から春にかけて発生するという点でした。夏場のアオコの印象が強かったのですが、むしろ低水温期に藻類由来の高濃度かび臭が発生するそうです。一方、台風時でも河川と比べれば濁度上昇は穏やかであるなど、「湖ならでは」の特徴もあるとのことでした。浄水処理では、「沈殿処理」「砂ろ過処理」など、多段階の工程が行われており、どの工程も欠かすことはできません。霞ケ浦の水が取水されてから、浄水場内の巨大設備群を通り抜け、ポンプで送り出されるまでには、およそ半日を要するそうです。私たちは普段、何気なくコップの水を飲んでいます。しかし実際には、その水は巨大な装置群を経て、まるで工業製品のように緻(ち)密に作られているのです。 全国初の「オゾン促進酸化処理」 そして2024年、この浄水場に全国初となる「オゾン促進酸化処理(AOP)」施設が導入されました。高濃度カビ臭が発生した際、従来の粒状活性炭処理では頻繁な活性炭再生作業が必要でしたが、この新技術により長年の課題だった、冬から春にかけて発生する高濃度かび臭への対応安定性がより一層増したそうです。もっとも、ここに至るまでには長い試行錯誤がありました。霞ケ浦浄水場では、2000年から03年にかけてオゾン処理の実証実験を行ったものの、原水に含まれる臭化物イオンとオゾンが反応し、水質基準対象である臭素酸が発生してしまうため、当時は導入を断念した経緯がありました。その後、2009年から民間企業と共同研究を重ね、「少ないオゾン量で臭素酸発生を抑えつつ、臭気原因物質を効率的に分解する」オゾン促進酸化処理の有効性を確認。20年から施設整備を進め、24年にようやく供用開始に至りました。今回のAOP導入は、単なる新技術導入ではなく、長年にわたり霞ケ浦という難しい水源と向き合い続けてきた、その積み重ねの到達点なのだと感じます。 「水を粗末に扱うな」 「水罰(みずばち)が当たる」。現代ではほとんど使われなくなった言葉ですが、水が貴重な天の恵みであった時代、水を粗末に扱わないよう戒めるために使われた言葉だといいます。飲料水ができるまでの過程を知ると、現代においても、水をおろそかには扱えない。そんな、背筋が伸びる取材となりました。(土浦市職員) <注> 本コラムは周長日本一の湖、霞ヶ浦と筑波山周辺の様々な魅力を伝えるものです。 ◆これまで紹介した場所はこちら