火曜日, 2月 3, 2026
ホームスポーツ「不足していた糧が満ちてきた」土浦日大 小菅監督【高校野球'21】

「不足していた糧が満ちてきた」土浦日大 小菅監督【高校野球’21】

土浦日大はこの夏をどう迎えるのか。秋はまさかの県大会初戦で敗退、春は準優勝の常磐大高に準々決勝でタイブレークの末に惜しくも敗退した。小菅勲監督(54)に大会への意気込みやコロナ禍がチームづくりにどう影響したかなどを語ってもらった。

厳しいゾーン、身が引き締まる

ー組み合わせですが、常総学院ゾーンに入り、霞ケ浦も同じゾーンになりました。そのほかに好投手を擁する多賀や水戸葵陵などの中堅私学が入っています。まず、このゾーンに入った所感をお聞かせ願います。

小菅 厳しいゾーンです。非常に身の引き締まる思いがします。私は毎年、何回戦でどこと当たるといったことはほとんど見ないで大会に臨みます。勝ち上がりの予測が外れることも少なくありません。初戦、もし多賀高校さんが勝ち上がってきますと、神永耀生投手(3年)と対決することになります。去年常総学院に投げ勝った良いピッチャーです。そのほかに川井虹投手(3年)も良いボールを放っています。

ー右の好投手2枚に対して何か対策は考えていますか。

小菅 県内の好投手の情報は、年間を通してチーム内で共有し、対策を練っています。当然その中に神永君も入っていました。それを確認し直したいと思います。昨今はカット系、チェンジアップなどの特殊球を多投する投手が多いので、練習試合の中で対応してきました。選手はそういうピッチャーに対応しなければ勝てないということはよく分かっていますので、それをもう一回おさらいし、再認識するということだと思います。

負けに不思議の負けなし

ー秋の県大会初戦の敗戦から冬場はどのように過ごしてきましたか。

小菅 秋に初戦で負けたことは絶対にその原因がある。“負けに不思議の負けなし”で、時間をかけて修正をしてきました。ようやくこの春になって、こちらが感じている以上に自分を「重くして」しまう選手が多くて、逆境の時に見せる姿が分かるようになってきました。逆境をはね除ける糧が、昨年からのコロナ禍で足りないと思っています。これまで、去年1年の真剣勝負の積み重ねが欠落していました。春の大会の戦績は満足できるものではありませんでしたが、ようやくここに来て不足していた糧が満ちてきた感があります。チームにもまとまりが出てきました。全員で、大会の時ももっと良い声掛け、あるいは結束が出来ると思っています。チーム力としては、十分に優勝の可能性があると信じています。特に野手は能力の高い選手がいます。“大会を通して成長を果たしていく”のが優勝チームだと思います。1イニング1イニング、一戦一戦で成長していきたいです。その姿を見ることが楽しみです。

エース左腕の小谷野=J:COMスタジアム土浦

エースは小谷野、3人で回す想定

ー戦力について伺います。夏はどのような布陣になりそうでしょうか。

小菅 昨秋にベンチ入りしていなかった小谷野奨大(3年)がエースナンバーを着けます。2番手、3番手の山田奏太と河野智輝は2年生です。秋からはレギュラーが2~3名入れ替わり、背番号二桁の選手も秋から4~5名入れ替わりました。チーム全体で「切磋琢磨」ができました。

ー小谷野投手はどんなタイプの投手ですか。

小菅 左投げで180センチです。大柄な割に制球力がよくて,ストレート、カーブ、スライダー、チェンジアップを満遍なく操れるピッチャーです。

ー秋に1番をつけていた山田投手はどんな調子でしょうか。

小菅 ここ3カ月くらいでかなり成長してきました。彼もボールの勢いで勝負するタイプではなく、コントロールや試合をつくる能力と、強気なピッチャーなのでピンチでも向かっていける要素を持っています。ベストな状態で臨めると思います。身長も伸びて170センチ後半になったと思います。以前は少しぽっちゃり系だったのですが、この3カ月くらいで体脂肪もコントロール出来てきて、その分ボールのキレも増したように思います。

ー河野投手はどのようなタイプの投手ですか。

小菅 右サイドスローです。落ち着いていて淡々としたピッチャーです。大体この3人で回す想定ですが、4人目には、この数週間でいちばん調子の良いピッチャーを入れたいと思います。

ー秋はたくさん下級生がベンチ入りしていましたが、夏は3年生が入ってくるのでしょうか。

小菅 やはり3年生が巻き返し、夏は3年生が増えました。20人中15~16人くらいが3年生になるのではないでしょうか。

キャプテンの芹澤。昨年の独自大会=ノーブルホームスタジアム水戸

去年秋は衝突、産みの苦しみを経験

ー野手陣について伺います。下級生の時から中心選手であった菅野と芹澤、1年夏からスタメンを張っている吉次悠真が春の大会では2番、3番、4番と上位を打っていました。3選手が特に注目を浴びていますが、各選手の状態を具体的な数字などを交えて教えてください。

小菅 正確な本数を把握していませんが、菅野と芹澤は通算本塁打が20本弱で同じくらいの数字だと思います。吉次は一桁台です。トーナメントで求められるのは“勝負強さ”です。“一球入魂”の精神です。あまり本塁打数などは求めていません。本人の励みにしてもらう程度です。まずけがなくここまで来ているというのが良い材料です。菅野と芹澤の2人でチームを引っ張っています。去年の秋にはお互いに衝突したり、冬の間は口論したりと産みの苦しみを経験しました。それだけ2人でチーム作りを真剣にやっているという証拠です。今は同じ方向に向かっています。非常に頭の良い子たちなので、2人でしっかりと考えてチーム作りをやってきたと感じています。後は責任を背負いすぎないようにして欲しいなと思います。今のところは心身ともに充実していると思います。

ー菅野は何球団かスカウトがチェックしに来たという話があります。

小菅 巨人と楽天、中日が来ました。菅野は183センチで90キロと恵まれた体格でありながら100メートル走を12秒切るスピードがあります。そういうデータを知っているので追っているのでしょう。現状では大学経由などワンクッション置いた方がいいでしょうとスカウトも言っていますし、私もそう思います。本人もその辺は理解しています。補強ポイントとして見に来るチームもいるということです。

プロが注目する菅野。昨年の独自大会=ノーブルホームスタジアムk水戸

ー春の大会で1番を打っていた武田優輝と5番の荻原康誠はどのような選手ですか。

小菅 武田は非常にガッツマンでチームのリードオフマンにふさわしい人間です。2年生ですけれども、よく声が出て元気がある。芹澤と二遊間でコンビを組んでいますが、いい「化学反応」を起こしています。時には芹澤が武田に引っ張られながらやっている感じもあります。荻原は学習成績もトップクラスで、練習も一番やる模範中の模範の選手です。自分の真面目さを貫き通して自己を確立してきました。この3カ月くらい試合でも打っていますし、荻原が打って助かった、救世主となった試合が数多くあります。

ーそれでは5番は荻原で決まりですか。

小菅 候補の一人ではありますが固定はしません。警戒される芹澤・菅野の後を打つ重要な役割でありますから、候補は何人かいます。ケースバイケースで決めます。

ーほかに調子が上向きの選手はいますか。

小菅 去年から出場していましたが、中村陸人(3年)です。足も速いです。紆余曲折あって自己が確立できていない時期もありましたが、最近ようやく夏の大会に勝つんだという気持ちが見えるようになってきました。後は高内大翔(3年)ですね。この選手も気持ちの浮き沈みがありました。自分の路線、役割、あるべき姿を確立するのに時間がかかったのですが、ここ2週間ほど非常に良い状態でして期待しています。また大島優太朗(3年)という選手も調子が上がってきました。うちの選手はみんな真面目なんですが、彼は大らかなタイプです。チームの中に一人や二人、考えすぎないような選手がいると良いスパイスになるので期待しています。

ー1年生はどのような状況ですか。

小菅 1年生は促成栽培せずにゆっくりつくっています。秋に照準を合わせてじっくりと仕上げようと話しています。コンセプトも理解してくれて、主体的に練習に取り組んでいます。

土浦日大出島グラウンドにて

感謝の気持ちあふれてる

ーコロナを経験してチームの取り組みとして変化はありましたか。

小菅 まず3年生は「今年は選手権ができて本当にありがたい」という気持ちがあふれています。やはり去年の3年生を目の当たりにしていますから。この間保護者会の壮行会があって、保護者の前でキャプテンの芹澤があいさつをしていました。「本当に大会が開催されることに感謝しています」と言っていました。本音だと思います。後は、このチーム、この世代は仲が良い。3年生のチームワークが非常に良い。皆で頑張って甲子園に行こうよという感じは出ています。なおさらいろいろと制約された中で練習や練習試合をやってきました。本当に練習試合が厳しかったんです。うちはよくても相手がキャンセルを申し出る。直前の金曜日にお互いにやっぱり行けない。本当にいろいろなところと情報交換しながらも、毎週欠かさずになんとか練習試合ができました。有り難かったです。

心は熱く、頭は冷静に

ー最近見た試合で、選手同士が「おおらかに、おおらかに」と声を掛け合っていました。何かきっかけというか、こういう声掛けをするようになった理由はあるのでしょうか。

小菅 私は常日頃から野球はガツガツとやるものではないと言っています。人によっては野球を格闘技に例えたりしますよね。一瞬一瞬のプレーではボルテージが上がりますが、特にバッティングなんかではおおらかさを忘れてしまうとがっついてしまうので、頭は常に冷静にすることを大事にしています。そういったことでおおらかにという声掛けが出るのかもしれません。心は熱く、頭は冷静に、一言で言うとおおらかにとなると思います。

ーこれをチームのテーマとして取り組んでいるのでしょうか。

小菅 自然とテーゼとして流れています。ゲームの時も、選手だけで集まってピッチャーのこと、配球のことを言い合っています。頭は冷静でおおらかさを失うと実のある打ち合わせはできないですから。相手を分析する面など、野球偏差値もかなり良い感じに高まってきています。

ー去年のインタビューでは球速を上げたり投球を改善するために一貫して取り組んでいることがあるということでした。現在でもこの点は変更がありませんか。

小菅 一貫して取り組んでおります。毎月ラプソードを借りて回転数や変化球の精度を計測して「ピッチトンネル」を測っていますし、成果があったと確信しております。

ーピッチトンネルとはどのようなものですか。

小菅 同じ球筋、同じトンネルを通過してから変化させるのが有効という考えのもとにボールの軌道を修正する作業です。当然カーブのように目線を上げる球種もあるのですが、力んだり抑えてやろうとなるとなかなか上手くはいきません。同じ球筋を通ってから変化するという、大きく曲がりすぎることがないように意識しながらやっております。

ー今大会は球数の制限はどのようになっているのでしょうか。

小菅 1週間500球で、試合日を起点として前1週間です。決勝戦を起点として4回戦からの4試合が問題になると思います。去年準々決勝までいった時に球数を見せられて(前1週間が)300球程度だったので、この調子でいくと決勝戦で球数制限を超えるんだなと感じました。高校野球はトーナメントです。勝たないと明日がありません。流れと試合展開をよく見ながら、500球ルールに対応していきたいと思います。

ー木内幸男監督が昨年11月にお亡くなりになりました。小菅監督は、甲子園を制覇を果たした1984年の取手二高の優勝メンバーでした。木内監督から受け継いだことや思いなどをお聞かせ願います。

小菅 最後に会ったのは亡くなられる1年ほど前でお元気でした。いつものようにずっと野球の話を興味深くされていました。木内監督から学ばせて頂いたことは1冊の本になると思います。お亡くなりになられてとても残念ですが、悲しい気持ちを決意に変えていきたいと思っています。大事なのは木内監督の遺志を継いで、次の世代の者が高校野球を発展させていくことです。木内監督の気概、「甲子園で勝つ事が教育になる」ーを胸に刻んで励んでいきたいと思います。(聞き手・伊達康)

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仏英に海外出張 五十嵐つくば市長 目的、費用など初めて事前公表

議会の指摘受け つくば市の五十嵐立青市長は2月1日から8日までの8日間、フランスとイギリスに海外出張する。職員5人が随行し、航空運賃や宿泊費などの概算費用は計約450万円。フランスのグルノーブル市で開催される国際会議に登壇などするという。 市長の海外出張をめぐっては昨年、議会から「回数が多く、期間が長い」などの指摘があり、東京都知事の海外出張に関する運用指針にならって、つくば市でも運用指針を策定するよう注文が付いていた。市は今年1月に運用指針を策定。指針に基づいて今回初めて、事前に目的や出張概要、概算費用などが市ホームページで公表された。 五十嵐市長が海外出張に行くのは今年度は今回が初めて。当初予算では2回分の予算を付けていた。 公表資料によると、つくばの魅力を世界に発信し優秀な人材に目を向けてもらうことを目的に、フランスのグルノーブル市で開かれる国際会議「ハイレベルフォーラム」に招待されたことから、同会議に登壇し「つくばエコシステムの最新動向」というテーマで話す。さらに、グローバルな知見を市政運営に生かすことを目的にイギリスを訪れ、マンチェスター市で労働者協同組合による地域課題解決の仕組みを、バーミンガム市で生物多様性施策の推進に向けた取り組みを視察する。 市長の具体的な日程は▽1日夜、羽田空港を出発▽2日、フランスのリヨン着。陸路でグルノーブル市に行き、国際会議「ハイレベルフォーラム」のレセプションに参加する▽3日は、同ハイレベルフォーラムに参加し登壇するほか、グルノーブル市長に面談する。夜は再びレセプションに参加する▽4日は、グルノーブルからリヨンに移動。飛行機でイギリスのマンチェスターに移動する▽5日は、労働者協同組合発祥の地、マンチェスター市のロッヂデールで、自治体と連携した同協働組合について話を聞いたり意見交換し、数カ所の組合を視察する▽6日朝、バーミンガム市に列車で移動、市長を表敬訪問し生物多様性施策の推進について意見交換するほか、図書館と生物多様性関連施設を視察する▽7日朝、列車でロンドンに移動し、帰国の途に就く▽8日夜に帰国するという。 随行職員は5人で、秘書課職員1人が全日程の8日間、市長に随行するほか、科学技術戦略課職員2人が6日間、国際都市推進課職員と市長公室政策員の2人が5日間随行する。 概算費用450万円の内訳は、五十嵐市長が約170万円、随行職員5人が計約280万円などで、航空運賃、宿泊費、日当、現地の移動費、海外旅行保険、wifi賃借料など。五十嵐市長はビジネスクラス、職員はエコノミークラスで渡航する。出張費用については議会の指摘を受け策定した運用指針に基づき、各課いずれも3社から見積もりをとったという。 帰国後は速やかに、出張費用の詳細と出張報告を公表するとしている。 市長の海外出張をめぐってはこれまで、山中真弓市議(共産)が昨年の市議会一般質問で取り上げ、直近3年間で計5回の海外出張を行い、2365万円の市税を使っていたと批判、「回数が多く、期間が長い」などと問題点を指摘していた。さらに昨年9月の定例会議では、市長の航空運賃の条例改正をめぐって、ファーストクラスまで利用できるとなっていた市長提案の条例案を、市議会がビジネスクラスまでと修正。その際、山中市議のほか小森谷さやか市議(市民ネット)から、市長海外出張の運用指針を策定し①出張の目的を明確にし、事前に目的、出張概要、概算費用を公表する②航空券の手配は複数の事業者から提案を受け経費節減に努める③出張後は速やかに出張経費の項目ごとの内訳、数量を含む詳細な情報と、出張の成果を公表するーなどの内容の指針をできるだけ早く策定するよう求めた経緯がある。 山中市議は「運用指針が作られたことは前進だが、日程を見ると、海外に行ったついでにあれこれ予定を詰め込んでいるように見え、市長が行く必要が果たしてあるのか疑問」だとし「国際会議に招待されているなら相手方が旅費を出してくれるはず。その他の視察先をさらに入れることで旅費がかさんでおり、節減に努めたと感じられない」などと話している。(鈴木宏子) 【訂正:3日午前10時】第一段落、イタリアはイギリスの誤記載です。関係者にご迷惑をお掛けしました。

大岩剛監督が帰国報告 U23アジアカップで2連覇 サッカー男子

関彰商事つくば サウジアラビアで開かれたサッカー男子U23アジアカップで優勝し、2連覇を達成したU21日本代表の大岩剛監督(53)が帰国し、2日、スポーツアドバイザーを務める関彰商事つくばオフィス(つくば市二の宮)で開かれた帰国報告会で大会を振り返った。関太士副社長のほか社員約100人が集まった。 大岩監督率いる日本代表は、他国の出場チームが23歳以下で戦う中、21歳以下のチーム編成で臨み、高い完成度と組織力を発揮し、大会を制した。 日本時間1月25日に行われた決勝戦では中国代表と対戦。中国は今大会、堅い守備を武器に無失点のまま決勝まで勝ち上がった強豪だが、日本代表は試合を通して主導権を握り、4-0で快勝しアジア王者に輝いた。 帰国報告会で大岩監督は「若いチームを率いたので、選手を鼓舞しながら戦っていくのは大変だった。その中で選手たちはどんどん成長していった。アジアのサッカーは強くなっている。今回日本は21歳以下で戦った。みんな格上のチームと考えていい中で勝ち抜き、2連覇を達成したことは素晴らしいこと」だと話した。 昨年、鹿島アントラーズがJ1で優勝、水戸ホーリーホックがJ2で優勝し、筑波大学も全日本大学サッカーで優勝したなど茨城旋風が吹いたことについては「期待されると選手ががんばるというのは事実。今年も鹿島は優勝候補だし、水戸もがんばれるのではないか」と話した。 社員から「短い間で組織を作り上げる方法」について質問が出て、「スタッフを信じ、ミーティングを効果的に短くすることが大事」とアドバイスした。 関副社長はあいさつの中で「大岩監督は時間があれば会社に出勤してくれる真面目な方。今回は優勝とともに、監督やチームの強い意思を感じることが出来た」と述べた。 大岩氏は静岡県出身、静岡市立清水商業高等学校、筑波大学を経て、名古屋グランパスエイト、ジュビロ磐田、鹿島アントラーズと選手時代を過ごしたあと、鹿島のコーチ、監督を務め、2021年にはU-21の代表監督に就任した。2024年のパリ五輪でもチームを率いた。(榎田智司)