金曜日, 7月 24, 2026
ホームスポーツ「不足していた糧が満ちてきた」土浦日大 小菅監督【高校野球'21】

「不足していた糧が満ちてきた」土浦日大 小菅監督【高校野球’21】

土浦日大はこの夏をどう迎えるのか。秋はまさかの県大会初戦で敗退、春は準優勝の常磐大高に準々決勝でタイブレークの末に惜しくも敗退した。小菅勲監督(54)に大会への意気込みやコロナ禍がチームづくりにどう影響したかなどを語ってもらった。

厳しいゾーン、身が引き締まる

ー組み合わせですが、常総学院ゾーンに入り、霞ケ浦も同じゾーンになりました。そのほかに好投手を擁する多賀や水戸葵陵などの中堅私学が入っています。まず、このゾーンに入った所感をお聞かせ願います。

小菅 厳しいゾーンです。非常に身の引き締まる思いがします。私は毎年、何回戦でどこと当たるといったことはほとんど見ないで大会に臨みます。勝ち上がりの予測が外れることも少なくありません。初戦、もし多賀高校さんが勝ち上がってきますと、神永耀生投手(3年)と対決することになります。去年常総学院に投げ勝った良いピッチャーです。そのほかに川井虹投手(3年)も良いボールを放っています。

ー右の好投手2枚に対して何か対策は考えていますか。

小菅 県内の好投手の情報は、年間を通してチーム内で共有し、対策を練っています。当然その中に神永君も入っていました。それを確認し直したいと思います。昨今はカット系、チェンジアップなどの特殊球を多投する投手が多いので、練習試合の中で対応してきました。選手はそういうピッチャーに対応しなければ勝てないということはよく分かっていますので、それをもう一回おさらいし、再認識するということだと思います。

負けに不思議の負けなし

ー秋の県大会初戦の敗戦から冬場はどのように過ごしてきましたか。

小菅 秋に初戦で負けたことは絶対にその原因がある。“負けに不思議の負けなし”で、時間をかけて修正をしてきました。ようやくこの春になって、こちらが感じている以上に自分を「重くして」しまう選手が多くて、逆境の時に見せる姿が分かるようになってきました。逆境をはね除ける糧が、昨年からのコロナ禍で足りないと思っています。これまで、去年1年の真剣勝負の積み重ねが欠落していました。春の大会の戦績は満足できるものではありませんでしたが、ようやくここに来て不足していた糧が満ちてきた感があります。チームにもまとまりが出てきました。全員で、大会の時ももっと良い声掛け、あるいは結束が出来ると思っています。チーム力としては、十分に優勝の可能性があると信じています。特に野手は能力の高い選手がいます。“大会を通して成長を果たしていく”のが優勝チームだと思います。1イニング1イニング、一戦一戦で成長していきたいです。その姿を見ることが楽しみです。

エース左腕の小谷野=J:COMスタジアム土浦

エースは小谷野、3人で回す想定

ー戦力について伺います。夏はどのような布陣になりそうでしょうか。

小菅 昨秋にベンチ入りしていなかった小谷野奨大(3年)がエースナンバーを着けます。2番手、3番手の山田奏太と河野智輝は2年生です。秋からはレギュラーが2~3名入れ替わり、背番号二桁の選手も秋から4~5名入れ替わりました。チーム全体で「切磋琢磨」ができました。

ー小谷野投手はどんなタイプの投手ですか。

小菅 左投げで180センチです。大柄な割に制球力がよくて,ストレート、カーブ、スライダー、チェンジアップを満遍なく操れるピッチャーです。

ー秋に1番をつけていた山田投手はどんな調子でしょうか。

小菅 ここ3カ月くらいでかなり成長してきました。彼もボールの勢いで勝負するタイプではなく、コントロールや試合をつくる能力と、強気なピッチャーなのでピンチでも向かっていける要素を持っています。ベストな状態で臨めると思います。身長も伸びて170センチ後半になったと思います。以前は少しぽっちゃり系だったのですが、この3カ月くらいで体脂肪もコントロール出来てきて、その分ボールのキレも増したように思います。

ー河野投手はどのようなタイプの投手ですか。

小菅 右サイドスローです。落ち着いていて淡々としたピッチャーです。大体この3人で回す想定ですが、4人目には、この数週間でいちばん調子の良いピッチャーを入れたいと思います。

ー秋はたくさん下級生がベンチ入りしていましたが、夏は3年生が入ってくるのでしょうか。

小菅 やはり3年生が巻き返し、夏は3年生が増えました。20人中15~16人くらいが3年生になるのではないでしょうか。

キャプテンの芹澤。昨年の独自大会=ノーブルホームスタジアム水戸

去年秋は衝突、産みの苦しみを経験

ー野手陣について伺います。下級生の時から中心選手であった菅野と芹澤、1年夏からスタメンを張っている吉次悠真が春の大会では2番、3番、4番と上位を打っていました。3選手が特に注目を浴びていますが、各選手の状態を具体的な数字などを交えて教えてください。

小菅 正確な本数を把握していませんが、菅野と芹澤は通算本塁打が20本弱で同じくらいの数字だと思います。吉次は一桁台です。トーナメントで求められるのは“勝負強さ”です。“一球入魂”の精神です。あまり本塁打数などは求めていません。本人の励みにしてもらう程度です。まずけがなくここまで来ているというのが良い材料です。菅野と芹澤の2人でチームを引っ張っています。去年の秋にはお互いに衝突したり、冬の間は口論したりと産みの苦しみを経験しました。それだけ2人でチーム作りを真剣にやっているという証拠です。今は同じ方向に向かっています。非常に頭の良い子たちなので、2人でしっかりと考えてチーム作りをやってきたと感じています。後は責任を背負いすぎないようにして欲しいなと思います。今のところは心身ともに充実していると思います。

ー菅野は何球団かスカウトがチェックしに来たという話があります。

小菅 巨人と楽天、中日が来ました。菅野は183センチで90キロと恵まれた体格でありながら100メートル走を12秒切るスピードがあります。そういうデータを知っているので追っているのでしょう。現状では大学経由などワンクッション置いた方がいいでしょうとスカウトも言っていますし、私もそう思います。本人もその辺は理解しています。補強ポイントとして見に来るチームもいるということです。

プロが注目する菅野。昨年の独自大会=ノーブルホームスタジアムk水戸

ー春の大会で1番を打っていた武田優輝と5番の荻原康誠はどのような選手ですか。

小菅 武田は非常にガッツマンでチームのリードオフマンにふさわしい人間です。2年生ですけれども、よく声が出て元気がある。芹澤と二遊間でコンビを組んでいますが、いい「化学反応」を起こしています。時には芹澤が武田に引っ張られながらやっている感じもあります。荻原は学習成績もトップクラスで、練習も一番やる模範中の模範の選手です。自分の真面目さを貫き通して自己を確立してきました。この3カ月くらい試合でも打っていますし、荻原が打って助かった、救世主となった試合が数多くあります。

ーそれでは5番は荻原で決まりですか。

小菅 候補の一人ではありますが固定はしません。警戒される芹澤・菅野の後を打つ重要な役割でありますから、候補は何人かいます。ケースバイケースで決めます。

ーほかに調子が上向きの選手はいますか。

小菅 去年から出場していましたが、中村陸人(3年)です。足も速いです。紆余曲折あって自己が確立できていない時期もありましたが、最近ようやく夏の大会に勝つんだという気持ちが見えるようになってきました。後は高内大翔(3年)ですね。この選手も気持ちの浮き沈みがありました。自分の路線、役割、あるべき姿を確立するのに時間がかかったのですが、ここ2週間ほど非常に良い状態でして期待しています。また大島優太朗(3年)という選手も調子が上がってきました。うちの選手はみんな真面目なんですが、彼は大らかなタイプです。チームの中に一人や二人、考えすぎないような選手がいると良いスパイスになるので期待しています。

ー1年生はどのような状況ですか。

小菅 1年生は促成栽培せずにゆっくりつくっています。秋に照準を合わせてじっくりと仕上げようと話しています。コンセプトも理解してくれて、主体的に練習に取り組んでいます。

土浦日大出島グラウンドにて

感謝の気持ちあふれてる

ーコロナを経験してチームの取り組みとして変化はありましたか。

小菅 まず3年生は「今年は選手権ができて本当にありがたい」という気持ちがあふれています。やはり去年の3年生を目の当たりにしていますから。この間保護者会の壮行会があって、保護者の前でキャプテンの芹澤があいさつをしていました。「本当に大会が開催されることに感謝しています」と言っていました。本音だと思います。後は、このチーム、この世代は仲が良い。3年生のチームワークが非常に良い。皆で頑張って甲子園に行こうよという感じは出ています。なおさらいろいろと制約された中で練習や練習試合をやってきました。本当に練習試合が厳しかったんです。うちはよくても相手がキャンセルを申し出る。直前の金曜日にお互いにやっぱり行けない。本当にいろいろなところと情報交換しながらも、毎週欠かさずになんとか練習試合ができました。有り難かったです。

心は熱く、頭は冷静に

ー最近見た試合で、選手同士が「おおらかに、おおらかに」と声を掛け合っていました。何かきっかけというか、こういう声掛けをするようになった理由はあるのでしょうか。

小菅 私は常日頃から野球はガツガツとやるものではないと言っています。人によっては野球を格闘技に例えたりしますよね。一瞬一瞬のプレーではボルテージが上がりますが、特にバッティングなんかではおおらかさを忘れてしまうとがっついてしまうので、頭は常に冷静にすることを大事にしています。そういったことでおおらかにという声掛けが出るのかもしれません。心は熱く、頭は冷静に、一言で言うとおおらかにとなると思います。

ーこれをチームのテーマとして取り組んでいるのでしょうか。

小菅 自然とテーゼとして流れています。ゲームの時も、選手だけで集まってピッチャーのこと、配球のことを言い合っています。頭は冷静でおおらかさを失うと実のある打ち合わせはできないですから。相手を分析する面など、野球偏差値もかなり良い感じに高まってきています。

ー去年のインタビューでは球速を上げたり投球を改善するために一貫して取り組んでいることがあるということでした。現在でもこの点は変更がありませんか。

小菅 一貫して取り組んでおります。毎月ラプソードを借りて回転数や変化球の精度を計測して「ピッチトンネル」を測っていますし、成果があったと確信しております。

ーピッチトンネルとはどのようなものですか。

小菅 同じ球筋、同じトンネルを通過してから変化させるのが有効という考えのもとにボールの軌道を修正する作業です。当然カーブのように目線を上げる球種もあるのですが、力んだり抑えてやろうとなるとなかなか上手くはいきません。同じ球筋を通ってから変化するという、大きく曲がりすぎることがないように意識しながらやっております。

ー今大会は球数の制限はどのようになっているのでしょうか。

小菅 1週間500球で、試合日を起点として前1週間です。決勝戦を起点として4回戦からの4試合が問題になると思います。去年準々決勝までいった時に球数を見せられて(前1週間が)300球程度だったので、この調子でいくと決勝戦で球数制限を超えるんだなと感じました。高校野球はトーナメントです。勝たないと明日がありません。流れと試合展開をよく見ながら、500球ルールに対応していきたいと思います。

ー木内幸男監督が昨年11月にお亡くなりになりました。小菅監督は、甲子園を制覇を果たした1984年の取手二高の優勝メンバーでした。木内監督から受け継いだことや思いなどをお聞かせ願います。

小菅 最後に会ったのは亡くなられる1年ほど前でお元気でした。いつものようにずっと野球の話を興味深くされていました。木内監督から学ばせて頂いたことは1冊の本になると思います。お亡くなりになられてとても残念ですが、悲しい気持ちを決意に変えていきたいと思っています。大事なのは木内監督の遺志を継いで、次の世代の者が高校野球を発展させていくことです。木内監督の気概、「甲子園で勝つ事が教育になる」ーを胸に刻んで励んでいきたいと思います。(聞き手・伊達康)

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世界一臭い花 ショクダイオオコンニャクが開花 筑波実験植物園

独特の悪臭を放ち世界一臭い花といわれるインドネシア・スマトラ島原産のショクダイオオコンニャクが23日、つくば市天久保、国立科学博物館 筑波実験植物園(遊川知久園長)で開花した。見頃は2~3日で、その後は枯れてしまう。 この株が開花するのは同園で7回目。2023年に開花し人工授粉によって実を付けて以来の開花となる。実を付けたら枯れてしまうことが多い中、結実後に開花したのは日本で初めて。世界でも珍しいという。 世界で最も大きな花の一つで、23日開花した花は、高さ2メートル38センチ、直径は93センチ。世界最大の花として、高さ3.1メートルのものがギネスブックに登録されている。 開花後、ろうそくのような突き出た部分を発熱させて、食べ物が腐ったような臭いを放つ。本来、夜に開花し、昼は花びらの役割をする花序(かじょ)を閉じる。開花中の深夜、独特の臭いを1キロ先まで発散させて、昆虫や動物の死骸をえさにする夜行性の甲虫、シデムシをおびき寄せる。花序(かじょ)の内側に雌花と雄花の集まりがあり、シデムシの体に花粉を付けて媒介させる。 しかし同園での今回の開花は昼夜逆転となり、23日午前7時ごろ出勤した職員が、開花が始まっているのに気付いた。朝方に開花が始まったのは同園で初めて。今回なぜ朝開花したのか、原因は分からないという。ただし、昼夜逆転により、来園者は今回初めて、開花した状態を見ることができる。 独特の強烈な臭いは、今回、昼夜逆転の影響なのか、「今年の臭いは本来より弱め」だと同園育成員の小林弘美さん。「いつもは服ににおいが染み付くぐらい臭い」という。 ショクダイオオコンニャクは絶滅危惧種で、原産地のスマトラ島では、限られた森の中だけに生える。今回開花した株は、2006年に東京大学の小石川植物園(東京都文京区)から譲渡を受けた。筑波実験植物園ではこれまで2012年5月に初めて開花して以降、2~3年に1度、計7回開花している。同実験植物園では、東京都立神代植物公園(調布市)から譲り受けた別の株も2023年と25年に2回開花しており、ショクダイオオコンニャクの開花は筑波実験植物園で9回目となる。 展示している熱帯雨林温室には、開花中のショクダイオオコンニャクと合わせて、タイ原産の高さ約7.5センチの世界一小さいコンニャクの花も展示している。遊川園長は「世界最小のコンニャクも日本ではほとんど咲いたことがない希少種。どういう虫に花粉を運んでもらうかという進化の過程で、こんなにも変わる。両極端の個体を同時に見てほしい」と話す。(鈴木宏子) ◆開花中のショクダイオオコンニャクは、つくば市天久保4-1-1 国立博物館 筑波実験植物園 熱帯雨林温室内で25日(土)か26日(日)ごろまで見ることができる。開花に合わせて同園は24日(金)の開園時間を通常より30分早めて午前8時30分から開園する。閉園時間は90分延長し、午後6時30分に閉園する(入場は午後6時まで)。通常の開園時間は午前9時から午後4時30分(入場は午後4時まで)。入園料は一般・大学生320円、小中高校生と65歳以上、障害者などは無料。

カリキュラムと教育活動の連携《よぎさんの眼》3

【コラム・よぎ(P.ヨゲンドラ)】日本の学校教育には、長年続いてきた大きな課題がある。それは、授業、考査、学校行事、探究活動、部活動、校外学習などが、それぞれ独立して存在していることである。本来、教育とはすべての活動がつながり合い、生徒の人格形成や実践力育成へ向かうべきものである。しかし現実には、「授業は授業」「行事は行事」と分断され、生徒自身も「何のためにやっているのか」を理解できないまま、学校生活を送っている場合が少なくない。 生徒と宿泊行事に参加した際、企画運営を担当した生徒に「この活動から何を学んだか」と尋ねたことがある。最初、生徒は答えられなかった。そこで「社会人になって似たような企画を任されたら再現できるか」と問い直すと、「人を集め、計画し、役割分担をして、必要な情報を調べる」と、具体的に説明し始めた。つまり生徒は実践的な力を身につけていたにもかかわらず、それを“学び”として認識できていなかったのである。 「授業だけの学校」から脱却せよ ここに、日本の教育の大きなヒントがある。学校行事や探究活動は単なる思い出づくりではない。本来は、理解力、応用力、分析力、創造力、実行力、協調性を育成する重要な教育活動なのである。 だからこそ学校全体で「学びのストーリー」を設計する必要がある。例えば、情報の授業で学んだプログラミングを文化祭の受付システム開発に活用する。経営理論を学んだ生徒が、学校行事の予算管理や企画運営を担う。探究学習で調べた地域課題を、地域イベントや行政提言へとつなげる。このように、授業と実社会を接続してこそ、生徒は「学ぶ意味」を理解し始める。 私が校長を務めた土浦一高では、中高一貫6カ年構想のもと、学習・考査、特別活動、探究学習、課外学習、校外学習、学校行事の6領域を相互に連携させる改革を進めてきた。探究活動では、DX、ビジネス、マネジメント、中国語などを導入し、外部専門家や大学との連携を進めた。また模擬国連、模擬議会、海外研修、起業家講演などを通じ、生徒が教室外で社会と接続できる環境づくりを推進した。 学びの可視化、目的や目標の確認 さらに重要なのは、「学びの可視化」である。高校3年間で何をどの順番で学び、それがどの活動や実験とつながるのかを示さなければ、生徒は学習の目的を見失う。カーナビのない運転が不安であるように、学びにも道筋が必要なのである。そのためにも年度当初、学年ごとに、科目ごとに具体的なオリエンテーションを行うべきである。これから1年をかけて学ぶ内容、どこで山場がくるのか、参加する行事とその意義を確かめるとよい。保護者にも参加してもらうことで、二人三脚が実現できる。 教育とは、知識を点で覚えさせることではない。教科、活動、体験、人間関係を線と面でつなぎ、「生きる力」に変えていく営みである。日本の教育改革に必要なのは新しい科目を増やすことだけではない。学校全体を「ひとつの大きな学びのシステム」として再設計することなのである。(土浦一高・付属中学校 元校長)