火曜日, 10月 6, 2026
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太陽光発電に浸食される里山の危機 《宍塚の里山》78

【コラム・佐々木哲美】3年前、宍塚里山の南西部にある畑と森林が伐採され、太陽光発電のパネルが設置されました。その面積は約3.5ヘクタールにも及びました。土地所有者の権利の大きさを前に、里山を維持できなかった私たちは無力さを痛感。そこで、土地を取得するために、ナショナル・トラスト(文化財や自然風景地などの保全活動)の取り組みを検討しました。「宍塚の里山」約100ヘクタールのうち数ヘクタール取得すれば、行政も考えるのではないかと期待したからです。

太陽光発電の位置=全国農地ナビから作成

私たちは昨年1月、公益社団法人「日本ナショナル・トラスト協会」の助成金をいただき、改めて土地所有者の調査に入りました。11月には「里山保全のためにNPO法人は何ができるか」をテーマに学習会を開催しました。最近、学習会に参加した方の母親がお亡くなりになり、相続財産の中から50万円を寄付してくれました。また、当会が土地の寄付を受け付けていると知った方から、宍塚の里山に所有する67坪の山林を寄付したいとの申し出がありました。

また、当会が10数年整備してきた土地の所有者から「太陽光発電に土地を貸すか売らないか」と言われているが、どうしたらいいかとの相談もありました。周辺の土地所有者に当たって調べたところ、約2.7ヘクタールの事業が計画されていることが判明しました。その対応を考えているさなか、5月中旬、「上高津貝塚ふるさと歴史の広場」南側に発電設備の材料が突如運び込まれ、あっという間にパネルが設置されました。その後も周辺の草が刈られ、新たな施設建設の勢いは止まりません。

「再生可能エネルギー」が自然を破壊

経産省のホームページにFIT(固定価格買い取り方式)認定の計画は大小を問わず掲載されていると聞き調べてみましたが、確認できませんでした。また、茨城県のガイドライン(2021年4月改定)によれば、50キロワット以上の計画(面積換算700平方メートル以上)は市町村に計画を提出するように定められています。しかし、FIT認定外の情報は公表されていないため、市町村への問い合わせが必要ということでした。

土浦市では2016年12月、「太陽光発電設備の適正な設置に関する条例」が制定され、市内に50キロワット以上の事業用太陽光発電設備を設置する場合は、市との協議が必要となっています。担当者に問い合わせたところ、県のガイドラインに対応した条例改定の動きはなく、経産省ホームページに掲載されている以上の情報は把握していないということでした。

経産省の資料によれば、事業用太陽光発電のコストは、2014年にキロワットアワー(KWh)当たり約34円だったのが、19年には13.1円まで下がりました。30年には5.8円まで下がると予想されています。このままでは、CO2を削減する再生可能エネルギーの美名のもとに「地球にやさしい自然破壊」が加速していきます。 そもそも、CO2を固定している都市近郊の森林を伐採して、太陽光発電とは本末転倒です。一刻も早く里山保全の方策を講じなければなりません。(宍塚の自然と歴史の会 副理事長)

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