筑波大学学園祭実行委員会(芳賀力委員長)は、学園祭「雙峰祭(そうほうさい)」の対面形式による開催を昨年度に続き2年連続、中止とすることを決めた。新型コロナの影響。一方、同実行委はオンライン上での開催を目指し奮闘している。
毎年秋に開催される同大の一大イベントで、3万人以上が集まる。例年は模擬店やパフォーマンス、研究紹介、ステージ発表などが催される。
実行委員長で日本語・日本文化学類2年の芳賀力さんは「昨年から対面での開催を目指して活動してきたものの、対面ではやはり難しいという結論に至った」と話す。同大学生生活課からも「対面の開催は難しい」との見解が示された。国の緊急事態宣言の延長や、つくば市が5月に県から感染拡大地域に指定されたことなどが中止決定の流れに拍車をかけた。
対面開催は中止になったものの、オンラインでの開催方法を検討している。「伝統ある雙峰祭だから、2年連続での中止は避けたいとの想いがあった」と芳賀さん。雙峰祭の公式ホームページと動画配信サイトYouTubeなどを活用する方針だ。
オンライン学園祭の目玉はステージ企画だ。例年ならステージでダンスやマジックなどが披露され、最も多くの来場者が集まっていた。今年度の詳細は決まっていないが、出演者が実際にステージで演技する様子をリアルタイムにYouTubeで配信する形式などが検討されている。
対面開催の中止に伴い、実行委員会の活動体制も変化している。例えば、飲食を提供する屋台の安全管理などを行っていた部門はオンライン化により仕事が無くなった。反対に、参加団体に対して、企画のマニュアルを作成したり調整を行ったりする部門はオンライン化により業務が急増した。芳賀さんは「(実行委員会の組織を)再編するということはまだ行っていないが、活動体制も変化していっている。仕事がない部門の人員を、人が足りていない部門に回すなども考えている」と話す。
実行委に新入生200人強
今年は興味深い現象も起こった。対面での新入生歓迎会が行えなかった影響で、新入生があまり入らないサークルや学生団体が多かった中、学園祭実行委員会には例年を上回る新入生が集まった。「1クラスで10人以上の新入生が加入した学類もあった。例年であれば1学年で200人に届かない程度だが、今年は200人強が入った。どういう理由かはよくわからない」と芳賀さん。
オンラインでどのような学園祭を実施するかは、現在も実行委員会の内部で検討を行っており、7月下旬までに実施方法を固める方針だ。オンライン学園祭のテーマは「Next to Tsukuba」。(山口和紀)
◇令和3年度筑波大学学園祭は11月6日、7日にオンラインで開催される。公式ホームページはこちら。