水曜日, 1月 14, 2026
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描いて木の魅力を引き出す 上渕翔さん展覧会「木に描く」

つくば市在住の画家、上渕翔さんの展覧会「木に描く」が水戸市備前町の常陽史料館で開催中だ。板や丸太などさまざまな木に、ウッドバーニングやアクリル絵の具、金箔などで描いた58点の作品を展示しており、白いキャンバスを離れて自由なアプローチを目指した、この10年間の集大成と言える内容になっている。

上渕さんは熊本県出身。筑波大学で油絵を学び、卒業後ウッドバーニングを始めた。電熱ペンを使って木を焦がし描く技法で、木と絵の一体感が強く出るという。「木自体の色や存在感が好きで、それを見て何を描くか考えるのが面白い。例えば木目が風のそよぎにも、降り注ぐ雨にも、水の流れにもなる。木の力を借りて作品が生まれていて、同じものは2つとない」

制作中の上渕さん。電熱ペンから細い煙が立ち上る

生活に入り込めるアートを作りたいという思いもあった。絵を買って部屋に飾るのは、特に若い人にはハードルが高い。より手にしやすいよう小さな升や桐箱などに絵付けした作品を発表し、そこから桐下駄、羽子板、曲げわっぱなど日本の伝統的な木製品にも目が向いていった。

製材所で見付けた古材や、骨董市で出合った建具などからも「描けそう」とインスピレーションを得て、その素材ならではの雰囲気や存在感が生かせる画題や手法を選んでいる。

「酒樽金魚」2016年、ウッドバーニング、アクリルガッシュ

「古色を帯びた木だとウッドバーニングよりも、絵の具で白を入れた方が引き立つ。アクリル絵の具は以前から影付けなどで補助的に使っていたが、積極的に取り入れることで、いっそう木を生かせるようになった。黒に金の取り合わせも好きで、最近はよく使っている」

ここ数年は暗い中にもロマンチックな雰囲気のある作品づくりを目指しているそうで、和と東洋や西洋が溶け合ったようなイメージが広がる。神話やマザーグースなど、物語の世界からヒントを得ることが多いという。「導く者」と題した2枚の作品では、中国の伝説で太陽に棲む3本足のカラス「日烏」と、月に棲むウサギ「月兎」に、星座のからす座やうさぎ座、植物の桜や菊を組み合わせた。

左より「麒麟」「鳳凰」いずれも2018年、アクリルガッシュ、金箔

「日本神話では八咫烏(やたがらす)や因幡の白兎が神々を導いたが、この絵では神話以前から人を導いてきた星々や植物が真の主役。私の絵には、ぱっと見には分からないところにダブルミーニングや暗喩などが込めてあり、謎があった方が面白い」

最近は活動の幅がさらに広がり、土浦を拠点に活動する石原之壽さんの創作紙芝居の作画も担当。土浦港岸壁の競作壁画の一つ、ハスの葉陰に遊ぶコイの絵や、土浦市中村西根のラスク工房「美・Sekiyama」の外壁に描かれた、天使の羽根の絵も上渕さんの作品だ。「絵の技術が社会の中でどう生きるのかが若いときは見えていなかった。今こうして求められることがうれしい」と話す。(池田充雄)

教室での指導の様子。ウッドバーニングをする人もデッサンをする人もいる。決まった課題などはなく「そのとき作りたいものを作った方が上達する」という考えだそうだ=つくば市下平塚の「にれ工房スタジオ」

◆「木に描く」展は5月23日まで、入場無料。詳細は常陽芸文センターホームページ、上渕さんオフィシャルサイトへ。

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これまでは「市外の中学校など」 11日つくば市竹園、つくばカピオで開かれた同市主催の「二十歳の集い」で、参加対象の新成人にあらかじめ送付される招待状(入場券付き案内状)の出身中学校に今年初めて、「つくば特別支援学校」の学校名が記載された。市内にある市立や県立、私立の18中学校と並んで記載された。市によると、これまで同支援学校出身者は、対象者を限定しない「市外の中学校など」に含まれていたという。今年から学校名を明記した理由について市は、「『特別支援学校の卒業生が参加していいのか分からない』という市民の声に応えた」と説明している。 同市の式典は、出身中学校別に午前と午後に分かれて開催される。つくば特別支援学校の学校名は市のホームページなどにも、午前の部に他の中学校の学校名と並んで記載された。 会場では例年同様、身障者など専用駐車場の設置や筆談対応、車いすの貸し出し、事前連絡を条件とした介助者の式典同行を認めるなどの合理的配慮を実施した。 「ちゃんと存在している」 式典に参加した、つくば特別支援学校卒業生の梅山樂さん(19)の母、恵子さんは、「出身校として学校名が記載されたことで、『ちゃんと存在している』とみんなに認められた気持ちになり、うれしい気持ちになった。子どものころに交流してきた地元中学の同級生が声を掛けてくれ、覚えていてくれたのがとてもうれしかったし、お互いに立派になっていたことにも感動した。これから先、子どもが親から離れて、自分で何かを選び、希望していけるといいと思っている」と話した。 同じく式典に参加した五十嵐心音さん(19)の母親で、会場に付き添った純子さんは「体調を崩した時期もあった中で二十歳を迎えることができ、親としてもひと段落という思いがある。感慨深い」と語った。 根本侑弥さん(19)の父親、隆行さんは「あっという間の20年。何度も入退院を繰り返してきた。よく元気でこの日を迎えてくれた」と笑顔を見せた。母親の希美子さんは、出身校として「つくば特別支援学校」が記載されたことについて「車いすでも式典に参加しやすくなった。自分が通っていた学校名が記載されていなかったとしたら、行きにくさを感じる人もいたかもしれない」とした上で、「市主催の式典に出れられることで、地域の中に障害のある子どもがいるんだと知ってもらえると思うし、子どもの頃に交流していたことを思い出してくれるかもしれない。とても意義あることだと思う」と話した。 五十嵐立青市長は「特別支援学校の卒業生も大切な同じ仲間であり、市民の一人。皆さんと一緒にお祝いできることが大切。前に進んでいくきっかけの日にしたい」とコメントした。 つくば特別支援学校では毎年、市主催の成人式とは別に、卒業生を対象とした「成人を祝う会」を開いている。今年は1月17日に同校で開催し、16人の卒業生が参加する予定だ。(柴田大輔)