男子プロバスケットボールB2リーグのプレーオフ準々決勝、東地区2位の茨城ロボッツは、西地区3位の佐賀バルーナーズと、ホームのアダストリアみとアリーナ(水戸市緑町)で対戦。8日の第1戦は101-93、9日の第2戦は86-79で連勝し、準決勝へ勝ち進んだ。いよいよあと2勝で、悲願のB1昇格が決まる。
2020-21 B2リーグプレーオフ準々決勝(9日、アダストリアみとアリーナ)
茨城 86-79 佐賀
茨 城 |21|14|26|25|=86
佐 賀 |16|16|17|30|=79
前日のハイスコアゲームから一転、互いに厳しい守備が光る緊迫した展開。茨城のリチャード・グレスマンヘッドコーチ(HC)は「今日は相手を80点以下に抑え、リバウンドでは13本も上回ることができた。良いディフェンスができた証拠であり、ここまでできれば間違いなく勝てる」と自信を見せた。
先発メンバーの中でも特にアブドゥーラ・クウソーと鶴巻啓太が素晴らしい守備でインパクトをもたらし、また短い時間で次々と選手が入れ替わりながら、各人がそれぞれにチームにエネルギーを与え、序盤からゲームの流れを引き寄せることに成功した。「レギュラーシーズンよりも、より相手とのマッチアップを考えながら起用した。多くの選手を起用することには難しさもあるが、個々の能力の素晴らしさと層の厚さは、他のチームにない我々の強みだと思う」とグレスマンHC。
第1クオーター(Q)で茨城は早くも7点差をつけたが、負けたら後がない佐賀もしつこく食い下がる。フリースローや3点シュートなどで次第に差を詰められ、第2Q後半から第3Qにかけては競り合う展開。特に厳しかったのがガルシアの体を張ったインサイドアタックで、これにディフェンスファウルを取られてバスケットカウントを許してしまう。
その後茨城は、同様な場面をクリーンな対応でしのげるようになり、第3Q終盤には福澤晃平と小林大祐の3点シュートを含む4連続得点で一気に点差を12まで広げる。第4Qには佐賀の激しい追い上げに遭うが、点差を縮めるには至らず、茨城が勝利を手にした。主な個人スコアはマーク・トラソリーニの25得点10リバウンド、福澤と平尾充庸の18得点、小寺ハミルトンゲイリーの13リバウンドなど。
準決勝はホームで仙台と
次の準決勝戦、相手はワイルドカードから西地区1位の西宮ストークスを倒して勝ち上がった仙台89ersと決まった。このため日程は15日から、会場は再びアダストリアみとアリーナ。平尾主将は「仙台はリバウンドが強く、中を起点に外のシュートもあるバランスのとれたチーム。相手のビッグマンに簡単にボールを持たせないよう細かいところを大事にしていきたい」と警戒しながら、「お客さんがいい空気を作ってくれるので、後は自分たちが勝つだけ。皆さんの記憶に残るゲームにしたい」と、ホームでの昇格を全力で勝ち取ることを誓った。(池田充雄)