【鈴木萬里子】第30回小田地区どんど焼き(小田二十日会主催)が14日、つくば市小田、小田城跡歴史ひろばで催された。午後4時、日枝神社(土浦市澤辺)神主のお祓いの後、やぐらに火が放たれると、グォ~というものすごい音と同時に天まで届くかのような火柱が立ち、観客から大きな歓声が上がった。火の勢いが少し収まると参加者らが餅を刺した竹の棒を一斉に火にかざす姿が見られた。
どんど焼きは小正月(1月15日前後)に正月の松飾り、しめ縄、書き初めなどを長い竹やわら、茅(かや)で作られたやぐらに積み上げて燃やし、無病息災や五穀豊穣を祈る行事。この火にあたると若返る、焼いた餅を食べると病気をしない、燃やした書き初めの紙が高く舞い上がると習字が上手になり勉強もできるなどいわれている。
小田地区では30年前に地元の商人や事業主が中心となり同二十日会を結成、その会員らが立ち上げた。当初は12人ほどいた会員も現在は結束幸男さん(71)、小林宏さん(71)、河合満雄さん(67)ら3人になった。14日は友人、知人ら20数人がボランティアで参加し、クレーンを使い、高さ10mのやぐら作りや、豚汁作りなどに取り組んだ。
昨年から「小田城冬の陣」(つくば市教育委員会など主催)が同時開催され、和楽器演奏などのイベントも行われた。好評の豚汁は1日3回500食以上を無料配布した。火の回りではつくば市消防本部の職員が多数待機し、飛び火の消火に当たっていた。
■「分別徹底し土浦も再開して」
伝統行事のどんど焼きだが、最近は担い手不足や、プラスチックなどを燃やすことなどから減少傾向にあるという。土浦市もプラスチックの分別が難しいことから今年から廃止となった(NEWSつくば1月12日配信参照)。
つくば市中心部から来場した30代の夫妻は「是非残してもらいたい。分別は個人の意識の問題、行政の徹底した周知が必要だと思う」と話した。近所の60代の男性は「周りが何もないところなので気にしない」ときっぱり。やぐら作りをした男性は「伝統を残していきたい。(プラスチックの分別の問題は)これから考えていかなければならないが」と話した。土浦から孫2人と来た60代の女性は「毎年土浦のどんど焼きを楽しみにしていたのに廃止になって残念。市民も分別を徹底して再開してほしい」と語尾を強めた。