声優・俳優・アーティスト業のかたわら、いばらき大使として活動し、昨年12月にはJA水郷つくば大使に就任した安達勇人さん。このほど土浦市田村町に自身のハス田「アダチハウス・ロータスファーム(ADACHI HOUSE LOTUS FARM)」を開き、4月12日に種バスの植え付けをした。「スーパーなどで売っているレンコンは見てきたが、ハス田に入るのは初めて」だそうだ。
JA水郷つくばが日本一の産地を誇るレンコンを特にPRしたいと、安達さん自身の希望で栽培にチャレンジする。広さ10アール(1000平メートル)の区画が用意され、今後、収穫までの一連の作業を体験するという。
初めてのハス田は、深さはひざ下ほどだが、泥がまとわりつくので足の抜き差しにも四苦八苦。一方、作業を教えてくれる田村れんこん部会青年部のメンバーは、止まらずにすいすい歩く。実は、動かずにいると泥が締まって、ますます抜けなくなるのだそうだ。足を踏み込むときはかかとから。つま先からだとバランスを崩してつんのめりやすい。抜くときは足を真上に持ち上げる。
植え付け作業では、同JAレンコン部会の石神一幸部会長から「芽を傷めないよう注意しながら、優しく泥のベッドに寝かせる。押さえが足りないと浮き上がってしまうので、優し過ぎず強過ぎず」とのアドバイスが飛んだ。
エンタメが農業とタッグ
植え付けを終えての感想は「想像以上にかなり大変。楽しいし奥が深い。青年部の皆さんは速く植えられてすごい、かっこいい。生産者さんの側に立ってみて、土浦のおいしいレンコンが、農家の皆さんのたくさんの愛でできているんだと改めて思った。茨城でも東京でも土には触れてきたけれど、こんなに全身泥だらけになるのは初めて。みんなにも一度体験してもらったら、レンコンへのイメージが変わって、さらに愛してもらえるのでは」とのこと。
青年部の大川正勝部長は、作業する安達さんの様子を見て「童心に帰ったように、新鮮な気持ちで楽しんでいたようだ。彼の人柄に触れ、また話を聞いて、応援したい気持ちがますます強くなった」との印象。
大川さんはこの機会を通じて、都心部にいたのでは気付かない田舎や農家の良さがたくさんあることを発信したいという。「農業は自分の考え一つでいろんなことができる職業。良いものを作るという根本は昔と同じだが、経営スタイルや販売戦略など大きく変わってきている。農業のさまざまな可能性を、安達さんと共に広げていけるといい」
安達さんも「エンタメはお客さんに気持ちいいものを持ち帰っていただく。それは生産者の方々も同じだと思う。おいしいものを作って感動を与える。これから青年部の皆さんと一緒に、僕らしい新しいやり方で、老若男女に向けてメッセージを送り、農業を盛り上げていきたい」と応じる。
今後、安達さんは定期的にロータスファームを訪れ、スケジュールの許す限り草刈り・追肥・防除などの作業に携わり、9月下旬には収穫を迎える予定。JA水郷つくばの特設サイト「れんこんチャンネル」や、NHK水戸放送局「いば6」番組内「レンコン向上委員会」コーナーで随時、その様子を知らせるという。(池田充雄)