水曜日, 11月 4, 2026
ホーム土浦PR不足などが課題に つちうらMaaS実証実験をシンポジウムで総括

PR不足などが課題に つちうらMaaS実証実験をシンポジウムで総括

【池田充雄】観光客の周遊促進や市民の移動手段確保を目的に実施された「つちうらMaaS(マース)実証実験」の活動発表が11日に行われた。この日、県県南生涯学習センター(土浦市大和町)で開かれた「つちうらMaaSシンポジウム2021」プログラムの一つとして、つちうらMaaS推進協議会の松上英一郎会長(関東鉄道社長)が報告した。

実証実験は2月15日から3月12日まで、4種類の事業で展開された。

利用実績は目標の半分強

活動報告するつちうらMaaS推進協議会の松上英一郎会長

そのうちの1つ、ジョルダン「乗換案内」アプリによるキャッシュレス化実験は、ジョルダン社(本社・東京)の経路検索アプリ「乗換案内」の付帯サービス「ジョルダンモバイルチケット」を使い、土浦市内のバス、遊覧船、観光施設、物販・飲食店の支払いをキャッシュレス決済する。「アプリを利用し、複数の公共交通やモビリティーを最適に組み合わせ、検索・予約・通信・決済などを一括して行うサービス」というMaaS本来の定義に最も則した実験といえる。

実施期間は2月15日から3月12日まで。市のプレミアム付商品券「コロナに負けるな!応援チケット」の利用期間との重複を避け、さらに外部からの観光客が増える「土浦の雛まつり」や「筑波山梅まつり」の開催期間に合わせる意図があった。しかし結果的に、新型コロナウイルス感染症に伴う県独自の緊急事態宣言のため、これら観光イベントとの相乗効果は見込めなくなった。

当初、推進協議会が目標としていた利用件数は1000件。これは人口80万人の浜松市で行われた同様の実験で、1週間という実施期間で500件の利用結果が得られたため。だが人口14万人・26日間の条件で行われた今回の実験では、目標の半分強に相当する559件(3月10日現在)の利用件数に留まった。

不調の原因としては住民・利用者へのPR不足のほか、利用開始までの登録手続きや、購入したチケットの決済確認などの煩雑さ、利用者への特典の少なさなどが挙げられた。また決済時におつりが出ないので、切りのいい金額設定をした店とそうでない店とでは、平均利用件数に2倍の開きが生じたという。

4つの実験を通して、PR不足から利用者の掘り起こしに精彩を欠いた。これらを踏まえ松上会長は「昨年7月のスタートから、半年間でこれだけのことができ、地域の底力を感じた。各方面のご理解ご協力に感謝する。21年度はコミュニティーバスの自動運転と、マイナンバーカード認証を使ったキャッシュレス化の実証試験を計画している」と話した。(次ページにつづく)

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