金曜日, 2月 20, 2026
ホームつくば「セルフ防災ラボ」立ち上げ つくばの橘さん 無料の市民講座

「セルフ防災ラボ」立ち上げ つくばの橘さん 無料の市民講座

【川端舞】フリーランスとして活動するつくば市の橘敦子さん(37)が、無料の市民防災講座「つくばセルフ防災ラボ」を始めた。市民や県民の防災意識を高めることで「茨城は防災意識が高くて、頼もしい」と言われる茨城ブランドを作ることが夢だと語る。

被災直後の生き残り術学ぶ

橘さんは、災害時に命を守る技術を伝える活動をする「危機管理リーダー教育協会」(東京千代田区)との出会いをきっかけに、災害対策やサバイバル技術に興味を持った。その後、災害時にとるべき行動や、人に伝える技術を学び、災害対策インストラクターやブッシュクラフトインストラクターの資格を取得。今年6月からオンラインの防災講座を開催し始めた。

どうやって防災教育を広めるか試行錯誤する中で、まずは自分の住んでいるつくば市から防災意識を高めていきたいと思い直し、市民対象の防災講座を無料で開催する同防災ラボを立ち上げ、今月から本格的に活動を開始した。

一般的な防災講座では、段ボールトイレの作り方など、避難所で快適に過ごす方法を紹介することが多い。しかし災害発生後、食料や救援物資の配給など公的な支援が被災地に届くまでには3日~1週間かかると言われており、その間は自分たちの力で生き残る必要がある。そのために、どのような準備をすべきかを一人一人に考えてもらうことが「防災ラボ」の目的だという。 

今回のテーマは「オリジナル防災セットをつくろう」。実際に地震などの災害が起きた直後に取るべき行動の原則や、人間が生き残るために最低限必要な物を解説したあと、災害前に備えておくべきグッズを紹介する。普段、自宅にいることが多いのか、外出していることが多いのかによっても、必要な防災セットや、防災セットを置くべき場所は変わってくる。また、非常食ばかりではなく、チョコレートやレトルト食品など普段から食べているものを少し多めに備蓄しておくと、災害時でも自分がホッとできる瞬間を作れる。講座では、橘さんの説明を聞き、実際に防災グッズを体験しながら、参加者は自分の防災セットに何を入れるべきかを考えていく。

受講者のうち希望者には、各自準備した防災セットを見せ合ったり、より具体的に災害時のリスクを特定して対策を考えたりする研究会も今後開催する予定。また、今回の講座とは別に、野外で災害に遭遇した時に、効率的に助けを呼ぶ方法や、火おこしなど、親子で遊びながらサバイバル技術を身につける「防災×アウトドア講座」も有料で不定期開催する。

防災講座で紹介される防災グッズ

「最初から防災への関心が高い人だけでなく、野外活動が好きな人や、親子でイベントに参加したい人にも、楽しみながら防災に興味を持ってもらうきっかけになれば」と、橘さんは話す。

今回の講座では「人は食べなくても、3~4週間は生きていられる」という情報も提供される。このような知識を地域住民ひとりひとりが持っていれば、災害時も不必要な買い占め等は起こらずに、限られた物資を本当に必要な人や場所に届けられる。「日頃から防災意識を高く持ち、災害時も住民同士で助け合うことができれば、公的支援は被害の大きい場所に迅速に届けられる。そのような地域につくばをしていきたい」と橘さんは語る。

つくばセルフ防災ラボの今回の講座は、12月から毎月1~2回、Biviつくば(つくば市吾妻)内のイベントスペースや、LALAガーデンつくば(つくば市小野崎)内の「つくラボ」、ウエルシアつくば桜店内「ウエルカフェ」で開催する予定。新型コロナ感染状況によってはオンライン開催になる。

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

つくば市平沢で林野火災

20日午後2時14分ごろ、つくば市平沢の山林で火災が発生、午後7時30分時点で鎮火しておらず、市消防本部と消防団が消火活動を継続している。 市消防本部によると、現場は社会福祉法人筑峯学園北側の山林で、消防本部と消防団がジェットシューター(背負式消火水のう)で消火活動を実施しているほか、県防災ヘリコプターが上空から放水を実施した。 20日午後7時30分時点で、消失面積や原因は不明。 現場付近に住宅などはない。筑峯学園の利用者らが一時避難したものの、現在は避難していないという。

高市首相に土浦のレンコンをお届け 安藤市長ら

土浦市は、安藤真理子市長らが17日、高市早苗首相を表敬訪問し、生産量日本一のレンコンとレンコンの加工品を届けたと発表した。レンコンと花火を全国にPRしようと、安藤市長のほか、JA水郷つくばの池田正組合長、土浦商工会議所の中川喜久治会頭、市議会の勝田達也議長らが首相官邸を訪れた。 市によると、安藤市長らが、レンコンは穴が空いていることから先の見通せる縁起物の食材であることを説明したところ、高市首相は「今後、地方自治体の事業者の予見可能性を高めるべく、予算の組み方をがらっと変える」などと話したという。 表敬訪問にあたり高市首相には、贈答用の箱入りレンコン4キロ、レンコンが入ったレトルトカレー、レンコンの粉末が入ったバームクーヘンとサブレ―、レンコンと牛すね肉の煮物のレトルトパック、薄くスライスしたレンコンを油で揚げたレンコンチップスを贈呈したほか、今年度のれんこんグランプリ(1月30日付)で市長賞を受賞した羽成純さんのハス田で採れたレンコンを使ったきんぴらと酢の物を試食してもらったという。 土浦市長が首相を表敬訪問したのは初めて。地元選出衆院議員の国光あやの外務副大臣がとりもったという。

サックス奏者らが開催 「土浦の音」を聞く体感イベント 23日 東光寺

市民がさまざまな音集める 土浦市民が製作した竹のランプを灯し、土浦産のそば殻などで染めたストールを装飾した東光寺(同市大手町)の本堂で、市民が集めた土浦のさまざまな音をスピーカーから聞く体験イベント「音と光の建築at東光寺」が23日夜、開催される。当日は住職の読経も加わり、本堂がライトアップされる。音、光、建物そのものが作品となり、全身で体感するアートイベントだ。 同市在住のサックス奏者、宇津木紘一さん(44)が代表を務める「つちうらサウンド・アーカイブ・プロジェクト実行委員会」が主催し、つくば市在住の染色家で「futashiba(フタシバ)248」を営む関将史さん(36)、裕子さん(36)夫妻、東光寺住職の松井泰信さん(44)らがゲストとして関わる。同市の土浦協働のまちづくりファンドの助成金を得て開催する。 土浦の魅力再発見を イベントで流す音は、同プロジェクトが昨年10月に開催したワークショップ「土浦 サウンドピクニック」の参加者らが録音した。 宇津木さんは土浦で生まれ、土浦で育った音楽家。これまで、土浦全国花火競技大会に合わせて観光客を歓迎するウエルカムフェスティバルを開催するなど(24年10月29日付)、地元の魅力を発信する活動にも取り組んできた。 今回は、土浦の音を記録して、独自のアートを表現し体感してもらうことで「地元の魅力を再発見しよう」とプロジェクトを始めた。「土浦に住んでいても知らないことは意外とあると思うし、何気ない日常の音でも土浦にしかない音がある」と宇津木さんは語る。 関さん夫妻は、県内の農家から譲り受けた草木、規格外の農作物など本来は廃棄される素材から色を抽出して、染色作品を製作している。 今回のプロジェクトには、所属しているまちづくり団体「土浦界隈まちづくり研究会」(同市中央)の紹介で参加した。「土浦はかつて私たちが工房兼店舗を構えていた場所でもあり、現在も継続的に関わり続けている思い入れのある土地」だとし、「地元のものを生かし、新たな魅力の再発見につながる取り組みになるのであればと思い参加した」と話す。 湖岸を自転車で走り録音 音を集めるワークショップは昨年10月に開き、小学生親子10人が参加した。霞ケ浦湖岸を自転車で走り、自分たちの足音、湖の波音、葉のこすれ合う音、水車の音、野球を練習する音などを、数秒から数十秒、参加者がスマートフォンなどで録音した。さらに同日は、遊覧船にも乗船して霞ケ浦を航行する船の音なども録音した。何を何秒録音するかなどの指定せず、参加者に任せた。集まった音源は50本以上になり、宇津木さんが編集して1本に繋げた。 イベントでは、東光寺本堂にスピーカーを設置して流す。スピーカーは立体的に音が聞こえるよう左右に向かい合せて置く。宇津木さんは「本堂の場所によって音の聞こえ方が異なる。当日は、席を決めずいろいろな場所に自由に移動して土浦の音を楽しんでほしい」という。途中、松井住職の読経が加わる時間帯もあり「読経と合わせて土浦の音を聞くことも、新しい体験だ」と話す。 地元の材料で染めたい 会場に飾る竹のライトと染め物のストールは昨年12月開催したワークショップで、参加者約30人が作った。竹のライトは「にれ工房」(つくば市下平塚)の関係者が指導し、廃材となった竹を切ったりドリルなどで穴を開けて作った。中にLEDライトを入れることで穴から光がこぼれる仕組みだ。 ストールの染色は関さん夫妻が指導した。「地元土浦の材料を使って染めたい」と、小町の館(同市小野)が販売する常陸秋そばのそば殻を譲ってもらったという。さらに土浦地方卸市場(同市卸町)で出た廃棄物となるタマネギの皮も譲り受け、綿のストールを染色した。 関さん夫妻は「当日はワークショップの参加者にも来てもらう予定で、自分で染めたストールを持参してもらう。来ないとそれだけ装飾は寂しくなる。どれだけ参加者が一緒に盛り上げてくれるかという試みもユニーク」と話す。 東光寺の本堂を会場に選んだのは「非日常を味わえるから」と宇津木さん。住職の松井さんと宇津木さんは中学の同級生で、野球部のピッチャーとキャッチャーだった。松井さんは「東光寺は市民に開かれたお寺として落語や演劇などにも使用してもらっているし、こういったイベントは大変うれしい」とし「この機会にお寺を身近に感じてもらえたら」と話す。「夜のイベントもライトアップも初めてなので、いつもと違う表情のお寺が見えるのではないかと思う」と語る。 観客が当事者に 宇津木さんは「コンサートや展示というと、通常多くは演者と観客が分かれている。しかし今回は観客がイベントの当事者になるというのがテーマ」とし「録音に参加した人は自分が録音した音かな?と聞き入る。録音してない人も、この水音は土浦のどこで録音した音だろう?と能動的に聞く。これらも体験のひとつだ」と話す。「今回のイベントが、積極的に物事にフォーカスを当てることにつながればいい。結果的に市民が自分から率先して動くことで土浦での文化活動が広がるのではないか、それが根付いていくきっかけになれば」と話す。(伊藤悦子) ◆「音と光の建築」は23日(月・祝)午後7時から7時30分まで、土浦市大手町3-14、東光寺で開催。参加費無料。定員50人程度。事前予約が必要。問い合わせ・予約はメール(contact@bbmusic.tokyo)で。詳しくはつちうらサウンド・アーカイブ・プロジェクトのウェブサイトへ。

TX土浦延伸実現に向けシンポジウム 地元高校生が提案

つくばエクスプレス(TX)の土浦駅延伸実現に向けたシンポジウムが18日土浦駅前の県県南学習センターで開かれた。土浦日大高校の生徒たちが提案したもので、安藤真理子土浦市長、伊藤豪人県交通政策課長、塚本一也県会議員らがパネリストとして参加、つくば駅止まりのTXを土浦駅まで延伸することで生まれる利点について議論した。席数450の会場は約500人の聴衆であふれた。 中間駅周辺開発は160ヘクタール、人口5000人 パネルディスカッションに入る前に、伊藤課長が「TX延伸構想の今」と題して延伸の必要性などを説明。この中で、つくば駅と土浦駅(約10キロ、所要時間約9分)の中間に設ける新駅周辺のイメージについて、①開発面積は160ヘクタール②計画人口は約5000人―などと説明した。新駅の場所は決まっていないが、土浦延伸が実現すれば、中間駅の周辺には新しい街が誕生する。 TX延伸による「街づくり」については、パネリストで元UR都市機構職員の色川一紀さんがTX流山おおたかの森駅周辺開発の成功事例を紹介、①地権者と市民が中心となって街づくりを進めた②子育てしやすい街を目指した③緑豊かな自然との共生を図った―などと説明し、中間駅周辺開発の参考にするよう促した。 県全体の活性化につながる また、伊藤課長は土浦延伸の効果として①東京圏から新たな人の流れが生まれる②つくば地域と水戸地域の交流が拡大する③脱自動車に向けた公共交通の役割が向上する④研究学園都市の魅力が一層向上する―などの視点を提供、延伸効果を土浦エリアに絞って見るのでなく、県全体はもちろん、東京圏にまで広げて検証する必要性を強調した。 こういった説明を受け、安藤市長は「TX延伸は土浦だけの問題だけでなく、常磐線と交差することで水戸や日立エリアとつながり、さらに将来に茨城空港まで延びることになれば、県全体の活性化につながると思うようになった」と発言した。 JRとTXの振替輸送が可能に JR東日本の元技術職だった塚本県議は、TXの特徴として①ほぼ真っ直ぐ都心に入る②全線が高架か地下で踏み切りがない③スピードが時速130キロ(設計上は160キロまで可能)と速い―などの特徴を挙げ、「踏み切りがないと事故による運行停止が減る。常磐線と土浦で交差すれば、どちらの線が不通になっても振替輸送が可能になり、この利点は大きい」と、専門家の知見を述べた。 この振替輸送に関連して、伊藤課長は「リダンダンシー(重複)」という専門用語を使い、災害時などに輸送機能を停止させないよう、代替経路を用意する必要性に触れ、JRとTXが土浦で結ばれると「人員・物資輸送の拠点としての土浦駅の役割が強化される」と説明した。 土浦が活気ある街に 土浦日大高校の生徒も3グループに分かれて勉強の結果を報告した。この中では「中間駅周辺に人を集めることで人の往来を活性化できる」「東京圏への通勤・通学がより容易になる」「高齢化などで変化する土浦エリアを活気付けられる」「高校、大学、研究機関へのアクセスが向上する」「土浦が活気ある街になる」といった発言があった。 県は2025年2月にTX延伸構想をまとめ、延伸先をJR土浦駅に絞り込んだ。その時点での事業費は概算1320億円、開業目標は2045年。県は延伸実現に向け、TXが通過する東京都、埼玉県、千葉県、鉄道政策を管轄する国土交通省との交渉に入り、TX東京駅延伸とセットで土浦延伸を実現させる展望を描いている。(坂本栄)