【山崎実】県統計課は、5年に1度の2020年農業センサスの概数値(速報)を発表した。県内の農家数は5年前に比べ18.1%(1万5898戸)減少していることが分かった。
県内の農家数は7万1780戸。うち経営耕地面積が30アール以上で年間販売額が50万円以上あった販売農家数は4万3939戸で、5年前より23.2%減少した。面積が30アール未満で販売額が50万円未満の自給的農家数は2万7841戸で、8.5%減少した。
一方、県内の農林業経営体数は4万4978経営体で、5年前に比べ22.6%減少した。うち農業経営体数は、4万4852経営体で、前回調査に続いて全国1位となったが、22.7%減少した。林業経営体数は396経営体となり、前回から68.7%減少した。
農業経営体のうち、個人経営は4万4010経営体で、前回から23.1%(1万3207経営体)減少したが、団体経営体は842経営体で9.1%(70経営)増加したのが特徴だ。団体のうち、法人経営は769経営体で全国9位(前回調査は12位)となった。
団体経営体数の増加は、農業経営の規模拡大に直結しており、経営耕地面積10万6916ヘクタールの規模別経営体数をみると、前回に比べ10ヘクタール以上の層で増加した。農産物の販売金額規模別でも3000万円以上の層が増加している。
これに比べ、個人経営体の自営農家従事者は5万7430人と、前回から25%(1万9149人)減少した。加えて65歳以上の農業従事者の占める割合は69.8%と全体の約7割に達し、高齢化農業の実態を浮き彫りにしている。