【山崎実】今年度、県が創設した「いばらきイノベーションアワード」の大賞に、つくば市のベンチャー企業、リーバー(伊藤俊一郎社長)の医療相談アプリ「リーバー」が選ばれた。優秀賞には同じくつくば市のアークメディスン(田中圭悟社長)の新薬候補化合物の提供技術と、古河市のロックガレッジ(岩倉大輔社長)のドローンAIシステムが選ばれた。
つくば開催のシンポジウムで紹介
21日につくば国際会議場(つくば市竹園)で開かれる「Soiety(ソサエティ)5.0シンポジウム」で受賞者が紹介され、製品・サービスが展示される。大賞のリーバーには賞金100万円が授与された。
イノベーションアワードは、先端技術を活用した新製品、新サービスを表彰することで、より一層の製品化や、地域経済を支える新産業の成長、促進を図るのが目的。県内企業が概ね3年以内に発売した製品やサービスなどが対象となる。
公募には26件の応募があり、外部有識者などによる審査の結果、大賞と優秀賞が選ばれた。
大賞、優秀賞の新製品・新サービスの主な内容は以下の通り。
【大賞】
▽リーバー「医療相談アプリ『リーバー』」=自動対応問診で、患者と医師双方に負担をかけない医療相談サービスを実現した。月額350円(プレミアム会員料金)で相談できる。全国で導入が拡大中。スマートフォン一つで利用でき、今年のコロナ禍にも対応した製品開発が評価された。
【優秀賞】
▽アークメディスン「創薬合成技術『HiSAP(ハイサップ)』による新薬候補化合物の提供」=HiSAPは世界で特許を取得した技術で、製薬企業では自社発の新薬候補化合物が枯渇しているため、薬剤として優れた特徴を有する新薬候補化合物を短時間で提供するサービスの技術が期待されている。筑波大学との新薬創出の共同研究が進行中。
▽ロックガレッジ「ドローンAIシステム『ハリスホーク』」=リアルタイム映像をもとに、災害時などの捜索者の位置をAI技術で検出し、その情報を関係者が即時共有できるようにする。AIが学習するデータを変えることで、獣害調査や自動車等の交通状況、不法投棄・漂着ごみ等の検出・監視に応用できる。高額な専用設計ドローンではなく、普及している市販のドローンを使ってシステムを動かせるため、導入のハードルが低い利点がある。
問い合わせは県科学技術振興課(電話029-301-2532)