コロナ禍の師走、アルバイトが減って生活が苦しくなった学生や母子家庭などを支援しようと、つくば市内各地で、学生などに食料を無料で配布する支援活動が展開されている。
市民団体が松見公園に支援テント
つくば市天久保の松見公園に6日、支援テントが張られ、野菜やコメ、缶詰、日用品などが訪れた学生らに無料提供された。市民団体「学生応援プロジェクト@つくばーPEACE(ピース)」(冨山香織代表)が初めて実施した。
代表の冨山さん(39)は天久保で飲食店を経営する。「お店は、お客さんもバイト生もメーンは筑波大生。コロナ禍で学生が困っているという話を聞き、少しでも助けられればと開催した」と話す。
口コミやSNSで支援物資を募り、約20人が家庭にある食品や日用品を提供してくれた。カンパも5万円ほど集まり、マスクやカップ麺などを購入し、並べた。野菜は農民運動茨城県連合会(茨城町)が大根、白菜、ブロッコリー、ほうれん草、キャベツなどを寄付してくれた。わずか1週間ほどで100品目以上、段ボール20箱分が集まった。
無料配布の案内は、ツイッターで告知したほか、筑波大生が多く住む天久保地区周辺のアパートにちらしを1000枚配布した。当日は約20人のボランティアが無料配布を手伝った。
配布開始の午前11時から午後0時30分まで1時間半の間に、筑波大生や親子連れなど計約130人が訪れ、テントに並べられた野菜や日用品などを必要な量だけ持ち帰った。
筑波大4年の女子学生(22)はアパートに入っていたちらしを見て友達を誘って参加し、大根やブロッコリーなどの野菜を持ち帰った。「今年は前の年に比べてバイト収入が3割くらい減っている。これからも無料配布があればいい」と話した。
主催者の冨山さんは「こんなにたくさんの人が来てくれて驚いている。少しでも喜んでいただければいい」と語る。要望が多ければ年内にもう一度開催したい意向もあるという。次回の開催日時は、学生応援プロジェクト@つくば-PEACE-のツイッターで案内する。問い合わせはメールpeaceoftsukuba@gmail.com
お餅の無料配布 22日から障害者団体
障害者団体「つくば自立生活センターほにゃら」(つくば市天久保)は22日から、近隣に住む大学生や住民に、お餅の無料配布を行う。
障害のある人とない人の交流を目的に、同センターが開催してきた様々なイベントは今年、コロナ禍でほとんどが中止となった。1年最後の交流の場となる餅つき大会も断念したため、地域とのつながりを保ちたいと、年末にお餅を無料配布することにした。
センターの障害者メンバーは「この年末は帰省できない大学生も多いと聞く。お餅を食べて、少しでも正月気分を味わってもらえれば」と話す。
9月には市内の子ども食堂「竹園土曜ひろば」が主催した大学生対象の食品配布会に、同センターを会場として提供するなど協力した。コロナ禍でアルバイトの収入が減少した学生らがコメやインスタント食品を受け取った。
今回は、障害者らがついた餅をのして数日寝かせたものを配布する予定。配布日は22日から数日間。受け取り希望者は14日までに同センター(電話029-859-0590、メールcil-tsukuba@cronos.ocn.ne.jp)に申し込む。先着50人。
食事補助券2000円分支給 筑波大
筑波大学(つくば市天王台)では希望する学生に、学内の食堂などで利用できる食事補助券を2000円分支給した。当初は1000円分を支給する予定だったが増額した。カレー店やパスタ店を含む15の食堂などで利用できる。
食事補助券の配布は日本学生支援機構が行っている「新型コロナウイルス感染症対策助成事業」から交付された助成金(上限120万円)を活用した。他大学ではオンライン授業環境構築のため機器を購入した学生120名に1万円ずつを支給したり、一人10万円ずつ数名に給付したりするなどしている。他大学に比べ筑波大は、より多くの学生が恩恵を受けることのできる支援を選んだ形だ。
初回の申請期間では上限に達しなかったため追加募集が行われ、人数の上限に達した。筑波大学厚生会のホームページ「食事補助券支給者一覧」によれば、およそ600人に給付が行われた。既に支給は始まっており、学内ではチケットを受け取って喜ぶ学生の姿も見られた。