【池田充雄】土浦市自慢の花火「全国花火競技大会」を紹介する創作紙芝居が、同市内外を巡回する形で開かれている。21日に土浦駅前うらら大屋根広場で開催のイベントを皮切りに、12月まで4カ所での上演が予定されている。
土浦市の壽(ことぶき)ちんどん宣伝社座長、石原之壽さん(61)による街頭紙芝居活動。21日の子ども広場イベント「つちうら駄菓子屋楽校」のステージでは、マジックや腹話術、ちんどんショーなどが繰り広げられるなか、「土浦花火物語」が初披露された。
土浦が誇る「土浦全国花火競技大会」を紹介する。大会の歴史や概容のほか、見どころになっているワイドスターマイン「土浦花火づくし」や日本3大花火と並び称される新潟・長岡や秋田・大曲の大会との関係など、幅広い内容を会場に集まった親子連れに熱く語りかけた。
作品の構想は以前からあったが、コロナ禍を契機にこの春から本格的に取り組んだ。「今年の花火大会は開催できそうにないなと感じ、だったら自分が紙芝居で打ち上げようと作り始めた。周りを見て自分にできることをするという姿勢をコロナに気付かせてもらった」という。作画の上渕翔さんはじめ、花火鑑賞士の小泉裕司さん、土浦ケーブルテレビの花火中継で解説を務めた湯原洋一さんなど、大勢の大会関係者の協力で完成させた。
「今日もコロナの影響で難しさがあったが、大勢の人が来てくれてよかった。今の時代、私たちのような活動が必要ではないかと思う。昭和から平成、令和になりアナログからデジタルへと環境も大きく変わってきた中で、人と人がリアルに出会い、学び楽しむことの重要性を感じている」と石原さん。「私自身も人が集まってくれる喜びが大きくて活動している。土浦の中で楽しさや元気を創造する大きな磁石になりたい」とも話す。
土浦をテーマとした創作紙芝居は「ツェッペリン伯号物語」「カレーフェスティバル物語」に続き3作目。地域に根差した活動を目指している。来夏のお披露目に向け「霞ケ浦物語」にも取り組んでおり、ゆくゆくは予科練(海軍飛行予科練習生)の話なども今の子どもたちやその親の世代に伝えていきたいという。
今後の街頭紙芝居の上演予定は、23日午後1時~午後5時つくばセンター広場(つくば市吾妻)、28日午後1時~午後3時中城通り不動院境内(土浦市中央)と続き、12月12日と13日午後1時~午後3時には「お寺で紙芝居」と題し神龍寺(同市文京町)開催で締めくくる。土浦の花火は、同寺の住職だった故秋元梅峯師の尽力により1925(大正14)年の初開催に漕ぎつけた。いわば発祥の地への里帰りだ。開催予定の詳細はこちらへ。