【伊藤悦子】土浦市を拠点に活動する劇団創造市場(同市西真鍋町、稜地一週代表)が15日、市制施行80周年記念の同市文化祭でシェイクスピアの喜劇「夏の夜の夢」を公演する。同劇団は今年結成50周年、節目の年となるはずが、新型コロナウイルスの影響から無観客公演や公演中止に見舞われ、苦境をようやく乗り越えての文化祭参加となった。
公演の延期や中止、稽古はオンライン
毎年3月に公演していた入場無料のアトリエ公演は中止。緊急事態宣言が発令され、稽古場に集まることができなくなった団員たちは、LINEを使いオンラインで週3、4回、2時間の稽古を続けたという。5月に緊急事態宣言が解除され、ようやく公演にこぎつけたが感染防止のために無観客だった。
6月には市制施行80周年と市民会館リニューアルを記念した「シンデレラ」公演が予定されていたが、中止になった。有料の公演がなくなったことで劇団の収入は途絶え、稽古場の家賃支払いなどで預金も底をついたという。
県などからの補助金により、9月にはリニューアルした市民会館小ホールで「そして誰もいなくなった」公演に漕ぎつけることができた。密を避けるため客席288席のうち120席しか使えず、公演を通常の2回から4回に増やした。
感染予防のため作業も増えた。客の入場時には検温とアルコール消毒を行い、名前と住所を登録してもらった。公演が終わるたび、出番が終わった役者も加わりスタッフ全員で席をすべて消毒。結果的に、観客にもスタッフにも1人の感染者を出さなかった。
「感染しないという信頼を」
集まって稽古ができるようになっても、環境は以前と一変した。全員がマスクを着用し、アルコールで手を消毒、検温を行う。稽古中もマスクかフェースシールドを必ず着用する。演技に夢中になり、役者同士の距離が近づきすぎると「近すぎる」「離れて」と注意する声が飛び交う。稽古場のドアは開け放ち、扇風機2台を回し、換気を続けている。
「団員には人を見たら新型コロナだと思え、自分もかかっていると思え。そのぐらい強い気持ちで感染予防をしている」と稜地さん。「公演を見に行っても感染しないという信頼を積み重ね、見に行っても大丈夫だということを浸透させたい」と語った。
役者同士が近づくシーンを入れない、近づいてもすぐ離れるようにするなど演出にも感染予防を取り入れた。「そういった意味からは100%の演出ではなく80%かもしれないが、お客さんに喜んでもらえるものを作ることができた」と話す。

「夏の夜の夢」は、50周年の同劇団がたびたび上演してきた演目だ。8月に入団し、今回初めて出演する塚本沙世さん(27)は、ガの妖精を演じる。「シェイクスピア劇はセリフが難しいが楽しい。夏の夜の夢は喜劇なので、お客さんにたくさんわらってほしい。新型コロナでたまったうっぷんを晴らしてもらえれば」と来場を呼びかけた。
当日の感染対策は、手洗い消毒、マスク着用。入場時に検温を行い、名前と連絡先を記入する。劇場内では、1席ずつ空けて着席する。22日には小美玉市で茨城県芸術祭公演の予定もある。
◆劇団創造市場「夏の夜の夢」 15日(日)午後3時と午後6時30分の2回、クラフトシビックホール土浦(土浦市民会館)大ホール
▽チケットは前売(一般)2000円(高校生以下)1700円、当日券(一般)2200円(高校生以下)1900円▽問い合わせは劇団創造市場(電話029-821-9405)