水曜日, 12月 2, 2020
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《邑から日本を見る》75 この国は独裁国家なのか

【コラム・先﨑千尋】「オレの言うことを聞かないヤツはみんなクビだ!」。この国は、将軍や大名が支配していたころに戻ってしまっているようだ。「総理大臣になれば、自分の考えや思っていることは何でもできる」。日本学術会議をめぐるこの1カ月余りの動きを見ていての感想だ。

「はじめにおわりがある。抵抗するなら最初に抵抗せよ」。私が師と仰ぐジャーナリスト、むのたけじの言葉だ。

ナチスドイツの時代の牧師マルティン・ニーメラーの言葉も引く。「ナチスが共産主義者を攻撃しはじめたとき、私は声を上げなかった。私は共産主義者ではなかったから。次に社会民主主義者が投獄されたとき、私はやはり抗議しなかった。私は社会民主主義者ではなかったから。労働組合員が攻撃されたときも私は沈黙していた。そして彼らが私を攻撃したとき、私のために声を上げる人は1人もいなかった」。

私はしがない田舎の一農夫。だがやはり今、「菅さん、独裁者づらするな。この国は一応民主主義の国ですよ」と声を上げよう。この国の未来のために。

発端は周知の通り、先月9日の菅首相の次の発言。「日本学術会議が提出した会員推薦者名簿は見ていない。決裁直前に6人が除外された99人分の名簿を見ただけだ」。しかし、その後の首相や加藤官房長官らの説明や答弁はめまぐるしく変わり続ける。

政府の言い分は支離滅裂

最初は「総合的、俯瞰(ふかん)的に決めた」と意味がわからないことを言い、「任命すると公務員になるので政府として関与し、責任を取る必要がある。人事のことだから、具体的な説明はしない」と居直り、いまだに6人を除外した理由を明らかにしていない。除外したのは政権の政策を批判していたから、とは口が裂けても言えないだろう。

10月26日のNHKの番組では「説明できることとできないことがある」と本音をもらした。これも恐ろしい言葉だ。私たち国民に説明できないことを、総理が自分の判断でやってしまう。やりたい放題、なんでもできるということだ。

菅首相は最初に、6人を除外したことは知らなかったと言った。しかしその後の発言で、6人を標的にして意図的に外したことがだんだんわかってきた。2日の衆議院予算委員会では、学術会議は「閉鎖的で、既得権益のようになっている。前例踏襲はやめ、民間人や若い人が増えたらいいと私が判断した」と答弁している。

本会議での代表質問に対しても「(学術会議は)専門分野にとらわれない広い視野に立って、バランスのとれた活動を行い、国民に理解される存在であるべき。出身や大学にも偏りが見られる。多様性を念頭に私が判断した」と言っている。6人を外したことには答えず、組織のあり方をやり玉にあげているのだ。論理のすり替えでしかない。

これらのことから、最初の学術会議からの提出名簿を見ていないという発言はウソだったことがわかる。名簿を見ていないのに、どうして判断したのかを説明できない。2日の予算委員会でも菅総理は、加藤陽子氏以外は知らなかったと答弁した。著作も論文も読まないで、どうして5人を排除したのか。

加藤氏については、素晴らしい業績を知っていたが、政府に楯突いたから外した、と言っている。語るに落ちるとはこのことを言う。6人の中には、学術会議の会員がいない私大の研究者も含まれている。政府の言い分は支離滅裂だ。(元瓜連町長)

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