【相澤冬樹】脳卒中などによる後遺障害を克服し、「生活の質」向上につなげる病院の外でのリハビリに、強力な助っ人が投入される。装着型ロボットスーツHAL(ハル)を開発するサイバーダイン(CYBERDYNE、つくば市研究学園、山海嘉之社長)は5日、全国で脳梗塞リハビリセンターを運営するワイズ社(東京都港区、早見泰弘会長)との業務提携を発表。「つくば生まれ、世界初の技術HALの在宅利用がいよいよ本格的に始まる。運動量の低下するコロナ禍の時代にあって意味深い」(山海社長)とアピールした。
身体機能改善促す「生活期」のリハビリ
サイバーダイン社は、後遺障害や加齢に伴う身体機能の低下により、自力での身体動作が難しくなった患者に、HALを装着して機能向上を促す自立支援サービスを行っている。筋肉や関節の動きを力学的に補助するばかりでなく、脳神経系の活動ループを賦活化して歩行改善などを促すのが特徴。つくばはじめ全国16箇所のロボケアセンターでニューロ・ハルフィット事業を展開している。
病院などでのリハビリは、急性期から回復期に入った段階で終了し、慢性期には再発を防ぐための「維持」止まりとなることが多い。しかし、特に若・壮年期の患者からは、仕事への復帰や日常生活を取り戻すための「改善」を求められることが多く、「生活期」の向上につながるリハビリのありようが課題になっている。
ワイズ社は、生活期における公的保険外リハビリサービスの最大手として、全国に20施設の「脳梗塞リハビリセンター」を展開し、生活期の後遺症改善をサポートするプログラム「60日間改善リハビリ」を中心としたメニューを提供している。保険外にもかかわらず6年間で約5000人の利用があり、潜在的需要を掘り起こした。
今回の提携は、HALを利用した生活期リハビリサービスの機会をより多く提供することを目的としており、11月から東京・赤坂など全国6カ所の脳梗塞リハビリセンターで、HALの単関節タイプ、腰タイプを利用した専用プログラムを利用できるようになる。同社の理学療法士らがHALを用いるためのトレーニング研修を積んでおり、体制が整い次第サービス開始する。
このなかで、「自宅でニューロ・ハルフィット」が注目されている。新型コロナに伴う外出自粛による運動機会の喪失や運動量の低下によって、個人の生活期リハビリは身体機能の低下リスクを抱えている。その対策として、在宅での非接触型の自立支援サービスとして展開するものだ。
サイバーダインのクラウドとデータ連動しており、身体動作を指令する生体電位信号や姿勢情報などを可視化し、装着者自身が視覚的にフィードバックを得ることができるだけでなく、セラピストやトレーナーによる遠隔サポートも可能になる。頻繁に施設に訪問することが難しい利用者に対しても、両社が連携して、質の高い在宅でのプログラムを提供していくという。

2カ月間全16回の「60日間改善リハビリ」で利用料金は27万5000円(税別)に合わせ、HAL改善コース8万円(同)を設定している。業務提携を記念して、両社施設の相互利用に無料体験などキャンペーンプランも用意されている。脳梗塞リハビリセンターフリーダイヤル0120-251-108(平日午前9時~午後5時)