【山崎実】県立高校の改革プランを進めている県は、実施プラン第Ⅰ期第1部の中高一貫教育校(10校)=19年2月21日付=に続き、新たにつくば工科高校(つくば市谷田部)など4校を対象に、第Ⅰ期第2部の「魅力ある学校づくり」に取り組む。
いずれも2022年~23年にスタート、開校する。特につくば工科高校は大学・研究機関と連携したサイエンス専科高校に大規模改編することから、地元、父母、学校関係者だけでなく、産業界からも注目を集めている。
開設準備委を設置
この計画については、大井川和彦知事が8月の記者会見で概要を明らかにしている。これを受け県教育委員会、つくば工科高校、つくば市教委など関係者は10月28日、「開設準備委員会」を設置し、本格的な実務作業に着手した。
同校における大規模改編の最大の特徴は、県内では初めてで、全国の公立校でも東京以外では初となる「科学技術科」(6学級)を新設すること。研究者や高度技術者、起業家などを目指す「人財」の育成にある。
AIやITの浸透があらゆる面で生活をより良い方向に変化させるという、いわゆるデジタルトランスフォーメーションを視野に、実践・研究を中心としたゼミ形式の課題研究を教育内容の特色とし、県内の大学、研究機関、企業などとも連携していく。
入試も学科試験だけでなく、面談や課題提出の能力などを考慮した選抜方法を考えているとみられ、「中学の時から課題実践を通して、サイエンス分野に関心のある生徒に興味をもってもらうような努力をしながら生徒を募集していく」(大井川知事)としている。
教員の配置については、現体制では十分ではないので、教員以外の、外部からの人材確保を含め準備期間に検討していく。校長に選任についても、公募制に含みを持たせている。さらには校名をどうするか、校名変更などクリアすべき課題は多い。
県内初、全国でもひじょうに珍しいAI分野につながるようなカリキュラムを展開し、AI時代の到来に備えた「人財」づくりに貢献していきたいーというのが県の期待で、つくば工科高校は2023年の新たな開校に向け、学校概要の検討、施設整備など、大規模改編の段階に入った。