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半年遅れで入学式 筑波学院大

【鈴木宏子】筑波学院大学(つくば市吾妻)で23日、入学式が催された。コロナ禍、4月の入学式を取り止め、半年遅れとなった。2020年度の新入生203人はこの日初めて一堂に会した。

前期はすべての授業がオンラインで行われた。後期から対面での授業が始まるのを前に、式典が挙行された。

感染防止対策として、会場の窓を開け、新入生は座席を1席ずつ空けて着席した。父母らの参加は断わった。

望月義人学長は「皆さんは自宅やアパートでパソコンやスマホに長い時間向き合ってきた。早く大学に行って友達と話がしたい、退屈で仕方ないという声もあった」と話した。さらに300年前、ペストが流行して大学が休校になった1年半の間に、万有引力の法則などを発見したニュートンの創造的休暇について触れ、「やがては陳腐化する知識や技術を単に受け入れるのではなく、課題は何かを考え抜いて、正解のない問題を解決に近づけるにはどうしたらいいか、突き止める力を養ってほしい」と式辞を述べた。

橋本綱夫理事長は「後期からは皆さんを大学でお迎えしたいという思いで、多くの教職員が様々な準備を重ねてきた。大学としても検温システムや学内のネットワークの整備を行い、学食にもパーテーションを設置し、安心安全に過ごせるようさまざまな準備をした。ぜひ安心して勉強に励んでいほしい」とあいさつした。

これを受けて新入生代表の堀江紅音(あかね)さん(下妻二高卒)は「前期は思わぬ形での大学生活スタートとなり、オンライン授業にとまどうことも多かったが、何とか前期を終えることができ、一つの自信となった」と述べ、「これからの情報化社会を生きていくため、正しい情報を選択する力を身に着け、建学の理念である知識、徳、技術を体得し、社会に貢献できる人間として羽ばたけるよう日々精進していきたい」などと宣誓した。

同大では、9月下旬から始まる後期は、4分の3の授業が対面式または、対面とオンラインを組み合わせた授業になるという。一方いまだに来日できず母国でオンライン授業を受ける留学生もいるという。

感染防止対策として、建物内に入る際、タブレットに顔を近づけて検温するシステムが新たに導入されたほか、同日オープンした学生食堂も、各テーブルにアクリル板が設置され、4人掛けのテーブルは斜めに2人掛けで座るようにするなどの対策が施された。

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