金曜日, 4月 23, 2021
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《くずかごの唄》66 昆虫社会の異変

【コラム・奥井登美子】我が家の裏庭は私のささやかな家庭菜園になっている。庭に来る虫たちを観察しながら、キュウリ、ナスなど、毎日漬ける「ぬかみそ」の材料を家の菜園で調達できるのが何よりうれしい。

私は台所の生ごみはまだ捨てたことがない。木の葉と混ぜて発酵させ、菜園用のたい肥を作る。根っこがはびこってなかなか抜けない雑草を抜くとき、新聞紙を畳んで雑草の上に乗せ、その上に生ゴミを置くと、いつの間にか雑草は消えて、ごみに強い植物、ツルニチニチ草などがはびこるようになってくる。

野菜作り以外の楽しみは、なんといっても昆虫の観察が毎日できることである。山椒(サンショ)の木2.5メートルが1本、1.5メートルが2本ある。山椒の葉と実の匂いが特別好きでもないのに3本も植えてあるのは、アゲハ蝶の観察ができるからである。アゲハ蝶は幼いとき、どういうわけかこの辺りでは虫好みのミカンがないので、山椒の葉を食べて育つ。

虫を無視してはいけない

「今年は何匹くらい幼虫になってくれるかな」とワクワクしながら幼虫の数を数える。2016年は特別多くて50匹。次の年も30~40匹。毎年30匹以上のいろいろな種類のアゲハ蝶の幼虫が、遠慮なく畑の野菜の葉も食べてグングン大きくなる。

私は昆虫を観察しながら昆虫のおこぼれの野菜を収穫している。しかし、今年に限って、野菜は元気に育っているのに昆虫たちのお出ましがない。なぜなのだろう。

山椒の葉には卵すら乗っていない。毎年、丸坊主になるほど葉が食べられてしまうのに、今年に限って葉がふさふさして虫に食べられた後もない。日照時間が少ないからなのだろうか。いつもの年とまったく違う虫たちの異変。虫に聞いてみるほかないのだろうか。人間はムシ(虫)をムシ(無視)してはいけないと思う。(随筆家、薬剤師)

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