【鈴木宏子】新型コロナウイルスの感染防止対策について、大井川和彦知事は7月31日、県の対策指針を同日から、感染が拡大している状態のステージ3に引き上げると発表した。
未登録で発生なら店名公表
その上で、クラスター発生業種や大規模イベントで、県の感染拡大防止システム「いばらきアマビエちゃん」未登録施設の利用自粛を改めて要請した。未登録店で陽性者が発生したり、感染者と接触した可能性がある人を把握できない場合は、感染経路が追えない可能性が高くなることから、店舗名を公表するとしている。県内では7月31日時点で9305事業所が登録しているという。
さらに水戸市では「夜の街」でクラスターが発生し市中感染の可能性が出てきたとして、PCRローラー作戦を実施する。夜の繁華街が立地する大工町など5地区の飲食店と風俗店の従業員と、7月22日から31日までの利用者全員を対象に、県が無料でPCR検査を実施する。ただし法的に強制はできないとした。
水戸、古河、つくばで感染拡大
6つの判断指標のうち、1週間の1日当たりの陽性者数(直近1週間平均は7.3人)、陽性者のうち濃厚接触者以外の数(同3.1人)、陽性率(同3.1%)の3つがステージ3レベルになった。
一方、病床の確保など医療提供体制は現時点で余裕があるが、救急患者のたらい回しを防ぐため県入院調整本部を30日再び立ち上げた。さらに新型コロナの確保病床数を県全体で72床から171床に週明けまでに増やす。
県内では6月下旬と比べ、水戸(7月17~30日の陽性者数17人)、古河(同14人)、つくば(同13人)の3市で感染が拡大していると指摘した。
つくば市の拡大の原因は、都内などで感染した人がそれぞれ単発で発見されている例がほとんどという。古河は栃木県で発生したクラスター感染者が発見されたなど他県での感染者が単発で発見されるケースがほとんどと分析した。一方、水戸市の場合は、都内での接触と関係なく、夜の街で感染が広がり、ここ数日、急速に増えてきているとした。
大井川知事はさらに、70歳以上の高齢者や基礎疾患がある人、妊婦は外出の際は慎重に対応すること、東京への不要不急の移動や滞在は引き続き自粛するよう要請している。