【相澤冬樹】霞ケ浦に夏本番を告げるワカサギ漁が21日解禁となり、霞ケ浦北浦周辺の漁港、船溜まりは未明の出港、早朝の初水揚げでにぎわった。しかし、土浦・沖宿漁港に戻った霞ケ浦漁協の元組合長、古仁所登さん(79)は開口一番、「去年の3分の1もねえや」とさえない表情。今季の滑り出しはお天気同様、ぐずつき気味となった。
濁る湖水、エサ不足?
沖宿漁港からはこの日午前3時ごろからトロール漁の小型船3隻が出港、日の出の午前4時40分ごろまで操業して、同5時過ぎには漁港に戻ってきた。古仁所さんの船は土浦入り対岸の美浦村木原沖に向けて網を入れ、操業してきた。帆引き船の時代から約60年続けているワカサギ漁師だ。
満杯なら約10キロ入るコンテナ6箱にワカサギを積んで戻ったが、「去年は箱にいっぱい15箱ほど獲ったから3分の1にもなんねえ」と嘆き節。魚体も全体に小さく、網にかかっていた大量のアメリカナマズまで小さめのサイズだった。
県水産試験場内水面支場(行方市)による事前の調査操業から、今季はエサとなるプランクトンの量が少なく、漁獲量への影響が懸念されていた。古仁所さんは「プランクトン以前に水が悪い。原因は分からないが雨が続いたせいか濁った状態になっている」という。

ワカサギは漁師の自宅庭先に持ち込まれ、水流で洗われて、サイズごとに選別、問屋に引き取られる。市場へは鮮魚のまま、あるいは煮干しなどに加工されて出荷される。
獲れたてをオンライン販売で
霞ケ浦(北浦含む)のワカサギ漁は例年21日解禁で、12月31日までを操業期間と定めている。全国の主要産地で夏場に漁を行うのは霞ケ浦だけ。今の時期のワカサギは脂がのり、不飽和脂肪酸のEPA(エイコサペンタエン酸)やDHA(ドコサヘキサエン酸)を多く含むことから、県霞ケ浦北浦水産事務所(土浦市)や漁協などは「ナツワカ」として売り込みを図ってきた。
17年、18年と100トンを下回る漁獲にとどまり、昨季は119トン(茨城県全体)に戻したものの、北浦が「極度の不漁」を記録して、今季の動向が注目されていた。操業初日の成績が漁期全体を占う試金石となる。
県霞ケ浦北浦水産事務所の調べだと、この日操業した漁船は霞ケ浦(西浦)99 隻(前年136 隻)、北浦19隻(同29 隻)だった。聞き取りによる1隻当たりの漁獲量平均は霞ケ浦で45.6キロ(前年143キロ)にとどまった。北浦はさらに落ち込み、平均10.5キロ(前年19.4キロ)で、漁獲ゼロの船もあった。

解禁日には例年、漁師らでつくる霞ケ浦水産研究会が行方市の観光物産館でイベント『ワカサギ解禁市』を開催し、天ぷらに揚げて振る舞ったり、生ワカサギの販売などを行ってきたが、今年は新型コロナの影響で中止となった。
このため、代替でオンラインによる『ワカサギ解禁市』を初開催する。操業日に生ワカサギを500グラム1000円(税込み、送料別)で販売するもので、出荷できる日は21日・27日・28日・30日・31日の5日間の期間限定。クール便による配送で販売地域も限定となる。
詳しくは「ポケットマルシェ」霞ヶ浦漁協のページ。電話0299-55-0057