土曜日, 12月 20, 2025
ホームスポーツ【夏の高校野球県大会】常総、霞ケ浦 ようやく始動

【夏の高校野球県大会】常総、霞ケ浦 ようやく始動

2020年夏季県高校野球大会は4日目の19日、4球場で2回戦11試合が行われた。J:COMスタジアム土浦では常総学院が取手二を6-0で2安打完封、霞ケ浦が土浦二を6-0で6回コールド勝ちと、いずれも優勝候補にふさわしい勝ち方。夏のエンジンがようやくかかり始めた。

3年生に配慮の起用も

【崎山勝功】常総学院は5回裏、吉成隼の左翼線への二塁打を皮切りに打線に火が付いた。続く陶山歩夢の適時二塁打などで2点を先制。6回裏には中山琉唯らが単打4本を重ね2点を獲得。7回裏にも飯田徹の二塁打などでダメ押しの2点を加え、6-0と大幅にリードした。

投手陣は、一條力真が7回途中まで1安打9奪三振と好投した後は、4投手に1アウトずつ取らせるなど「3年生の実績作り」も考慮した采配を展開。最後は菊地竜雅が自己最速を更新する152キロを出して締め、取手二に一切の得点を許さず完封勝ちを収めた。

主将の中山琉唯は「やっぱり5回からじゃなく、初回から打線がガンガン行かなくちゃいけない。今日の反省を生かして、次の試合ではしっかり準備して臨みたい」と振り返った。

先発の一條は最速148キロの直球のほか、「今日はカーブやスライダー、スプリットも決め球に使った」と多彩な球種を使い分け、「直球が抜けていたのでそこは修正したい」と次戦への改善点をあげた。

7回を好投した先発の一條と5回裏2死二塁、先制の適時二塁打を放った陶山

佐々木力監督は「コロナの影響でゲームから離れていたため、バッティングの仕上がりが今一つだった。相手投手の変化球が良く、なかなか得点が生まれなかった」と厳しい見方。その上で「大会をやらせていただける感謝でいっぱい。何もないまま卒業では、今後野球を続けたくても続けられない。1打席でも代走でも実績としてカウントされれば、推薦を受けられる子たちもいる」と3年生への配慮を明かした。

土浦二の松浦、好救援も

【崎山勝功】霞ケ浦は1回裏、先頭打者から4人が連続出塁し1点を先取。さらに伊澤誠の左中間三塁打が決定打となり、試合の流れをつかんだ。

1回裏1死満塁、伊澤誠が左中間へ適時三塁打を放つ

その後は霞ケ浦の先発・米島健斗と、1回途中からリリーフした土浦二の松浦快大が共に好投し、両者無得点が続く。だが6回裏に霞ケ浦が土浦二の3人目・堀越岳の乱調に付け込み、米島ら4人の単打などで6点を追加。結果10-0で6回コールド勝ちを収めた。

霞ケ浦の高橋祐二監督は「ゲーム展開として、4-0のままでいくのは危うい。1点動いたら野球は分からなくなる。勢いに乗って10点取ってしまうような、そういう点の取り方をしてほしい」と不満を示した。

小田倉啓介主将は「5回まで全然バッティングになっていなかった。最初の4点は相手にもらったようなものだし、最後の6点も決して自分たちで取ったとは言えない。今日は自分たちで上手く野球をすることができていなかった」と、反省点を示した。

土浦二の坂本武司監督は「霞ケ浦は県トップレベルのチーム。胸を借りるつもりで試合に臨んだ」と話す。スタメンには1・2年生も積極的に起用し、「力の差がある中で自分のプレーができたことは、今後に向けて大きな財産になったと思う」と語った。

試合は途中から投手戦の様相。土浦二の2番手・松浦㊧と霞ケ浦の先発・米島

2番手投手の松浦も2年生ながら、霞ケ浦打線17人を3安打無失点に抑え、「球速が上がらず、少しでも甘いと持っていかれるので、コントロールを意識して投げた。打たれなかったのはキャッチャーがタイミングを外してくれたから」と捕手・堀越のリードを讃えた。

➡NEWSつくばが取材活動を継続するためには皆様のご支援が必要です。NEWSつくばの賛助会員になって活動を支援してください。詳しくはこちら

スポンサー
一誠商事
tlc
sekisho




spot_img

最近のコメント

最新記事

冬鳥ジョウビタキとの夏《鳥撮り三昧》8

【コラム・海老原信一】この時季、皆さんの近くでもジョウビタキの姿を見かけるでしょう。オスはオレンジ色のおなかとシルバーグレイの頭部が美しく、メスは全体に薄いオレンジ色をしており、ちょっと控えめな色合いです。どちらも体側に白い小さな羽模様があり、「紋付き鳥」とも言われています。 今ごろ見られるのは、越冬のためにやって来るからで、冬鳥と言われます。4月ごろまでは観察できますが、いつの間にか北へと帰ってしまい、見られなくなります。そして、9月末~10月にまたやって来るという忙しい生活をしています。そのジョウビタキが日本でも繁殖しているようです。 2009年8月、諏訪市の高原で、ジョウビタキの幼鳥に出会ったのです。毎年、ノビタキ、ホオアカ、カッコウなどを観察に行っているのですが、その時も夕暮れ時に出てきたノビタキの幼鳥を撮影した(つもりでいた)のです。帰宅後画像を見返して、違和感を持ちました。「これ何だかノビタキとは違うぞ」。 そこで鳥見の先輩方に画像を送り、ジョウビタキの幼鳥と確定できました。まだ繁殖情報がさほど多くない中での出会いで、人知れず興奮したものです。そのような状況ですから、公表は避けた方がよいと言う先輩方の助言を入れ、公表しませんでした。それから16年。私は、2016年、19年、24年、今年、同じ地域で、成鳥・幼鳥の姿を確認しています。松本市の乗鞍高原でも観察しました。 国内を移動する「漂鳥」? 今日、ジョウビタキの国内繁殖は確実となり、繁殖適地での観察や報告が増えています。長野県では、その状況を観察・研究している人たちがおり、八ケ岳近辺での繁殖状況も報告されています。 一方、ちょっと考え込んでもいます。本来、北で繁殖するジョウビタキが、なぜ夏の日本で繁殖するようになったのか、と。近年、地球規模での温暖化が進んでいると言われます。そのようなことから、「北の繁殖地もさほど涼しくない状況になっているのでは」と想像しています。 わざわざ遠距離を移動せず、冬を越した日本の高所と似たような環境があれば、そこを利用すればよい―そんな選択をした個体が現れても不思議ではありません。そういった個体が増えれば、冬鳥ではなく、国内の標高差・地域間を移動する「漂鳥」になる可能性さえあります。そうなれば、ジョウビタキだけの話ではなく、生き物全体の話でもあると考えたりしています。 それは「素人の杞憂」と言われれば、それに越したことはないし、そう願うところです。(写真家)

職員2人を懲戒処分 土浦市

土浦市は19日、職務上の義務を怠ったなどとして納税課主任の男性職員(50)を3カ月間 減給10分の1の懲戒処分に、個人情報を漏えいしたなどとして神立消防署消防指令の男性消防職員(60)を停職1カ月の懲戒処分にしたと発表した。 市人事課によると、納税課主任は2024年度に国民健康保険税、翌25年度は市・県民税を担当した。国保税を担当した24年度については、所得や世帯構成の変更によって国保税を納め過ぎた場合の過誤納金の返還事務に関し、主任は24年度に確認された過誤納金のうち169件138万88円分について、加入者に返還する還付処理を行わず、未処理案件の存在を上司に報告せず、後任の担当者に引き継ぎを行わなかった。翌年、後任の担当者が還付処理を行っていないのに気付き発覚した。169件のうち7件については還付通知が遅延し、市が5300円を追加で払う還付加算金が発生した。 主任はさらに、国保税に未納などがあった場合、過誤納金を未納や延滞金などに充当する充当処理に関して、還付処理を行わなかった169件とは別に、24年度に確認された過誤納金のうち235件について、上司の決済を受けずに未納税額に充当処理を行っていた。 市・県民税の担当になった25年度には、地方税ポータルシステムのeLTAX(エルタックス)を用いて事業者が毎月電子納付する従業員の市・県民税について、事業者がうっかり会社に割り振られた指定番号を入力しないで納税した場合、担当者は納付事業者を特定する確認を行った上で、収納管理システムに入力し、未収を消す消込作業を行うべきだったにもかかわらず、主任は、指定番号が無かった電子納付のケースについて、事業所を特定するための確認を怠り、納付金額が同額だった別の事業者から納付されたと思い込むなど、誤った納付情報を収納管理システムに登録した。その結果、7事業所が月々電子納付した11件について、実際には納付されていたにもかかわらず、督促状が発送された。 同課によると主任は処分理由を認め、「未熟だった」などと話しているという。ほかに、25年度の管理監督者だった課長と係長、24年度の課長を厳重注意とした。 安藤真理子市長は「市民の信頼を損なったしまったことを心よりお詫びし、二度とこのようなことがないよう、法令遵守はもとより、これまで以上に適正な事務処理の執行に取り組み市民の信頼回復につとめます」などとコメントした。 家族に注意喚起するため 一方、神立消防署の消防指令は、2024年10月ごろ、匿名で電話があった野焼きの通報について、知人の声と似ていたため、着信履歴の番号と自分の携帯電話に登録されている連絡先の番号を突合して知人だと確信し、自分の家族に通報者が知人だと口頭で伝え、通報者の名前を漏えいした。 さらに今年8月、非番の日に発生した救急搬送について、出勤日に、同署内の救急隊員に確認して知人がけがをしたことを知り、自分の家族に知人の名前とけがの内容を口頭で伝えるなど個人情報を漏えいした。 11月4日、消防に匿名の電話があり、個人情報の漏えいが判明した。その後の消防本部の調査で、今年発生した3件の火災についても、発生場所の所有者の名前などを家族に口頭で伝えていたことが分かった。 消防本部によると消防指令は、漏えいした相手と利害関係などは無く、家族に対し、火事や事故に注意するよう伝えるためだったと話しているという。消防指令は消防隊をつかさどる立場の管理職だった。ほかに、管理監督者である同署署長を厳重注意とした。 安藤市長は「法令を遵守し個人情報を保護すべき立場にある公務員としてあってはならない行為であり、市民の信頼を損なってしまったことを心よりお詫びします。二度とこのようなことがないよう職員の綱紀保持や法令遵守の徹底などにこれまで以上に取り組みます」などとするコメントを発表した。

技術の粋集めた「霧筑波」で最優秀賞 つくばの浦里酒造店

11月に行われた第96回関東信越国税局酒類鑑評会の吟醸酒の部で、つくば市吉沼の醸造元、浦里酒造店が最優秀賞を受賞した。浦里浩司社長(64)と、6代目蔵元杜氏の浦里知可良さん(34)、知可良さんの妻・恵子さん(32)が19日、つくば市役所を訪れ、五十嵐立青市長を表敬訪問した。受賞したのは同社の「霧筑波」。また純米酒の部で同店の「浦里」が2位にあたる優秀賞を獲得した。 杜氏の知可良さんは「国税局の酒類鑑評会は、私たちにとって技術の粋を集めたF1レースのようなもの。コストや手間を度外視し、蔵が持っている最高の技術と最高の素材を結集して作った最高の1本で勝負する。関東信越国税局の鑑評会はさらに、全国に12ある国税局鑑評会の中で最も規模が大きい。そこで第1位を受賞できたことは本当にうれしい。目標は高く、連覇を目指したい」と思いを語った。 同鑑評会は、管内の茨城、栃木、群馬、埼玉、長野、新潟の各県にある製造場を対象に日本酒の出来栄えを審査する。60回目を迎えた今回は、173の製造場から吟醸酒の部に121点、純米吟醸酒の部に150点、純米酒の部に79点が出品された。 浦里酒造店は、1877年に現在の吉沼で創業。知可良さんは2021年に南部杜氏自醸清酒鑑評会で主席を獲得、23年には全国新酒鑑評会で金賞を受賞するなど、全国的に高い評価を得てきた。こだわりの酵母は、牛久市出身の画家・小川芋銭の三男で国税庁職員だった小川知可良が開発した「小川酵母」を使用する。 浦里知可良さんは、「(最優秀賞を受賞した『霧筑波』は)非常に華やかな香りとお米由来の甘み、それでいてしっかりとしたキレがあるという三拍子そろったバランスの良さが高い評価につながった。表彰式が11月13日、茨城県民の日だった。この日に県民の皆さまに報告できたのは本当にうれしかった」と話した。浩司社長は「酒造りは『ここで終わり』というものがない。毎年が勝負なので、これからも高みを目指したい」と語った。 表敬を受けた五十嵐市長は「受賞は大変誇らしいこと。つくば市では『つくばのおさけ推進協議会』が立ち上がり、地元のお酒を広げていこうと取り組んでいる。皆さんの今後の活躍を全力で応援していきたい」と述べた。(柴田大輔)

5選手がJリーグへ 筑波大蹴球部

筑波大学蹴球部からJリーグへ羽ばたく5選手の合同記者会見が19日、つくば市天王台の同大大学会館で開かれた。5人のうち3人は大学サッカーを1年前倒しで退部し、すでにプロ選手として活動を始めている。残る2人は蹴球部の主力として今季の関東大学サッカーリーグ1部優勝に貢献し、現在も全日本大学サッカー選手権大会(インカレ)で優勝を目指して激闘中だ。 5人それぞれ意気込み サイドバックの安藤寿岐は1月に退部しJ2サガン鳥栖へ加入。「けがで思い描いたシーズンとは違ってしまったが、鳥栖の顔になり、自分を見にお客さんが来てくれるような選手になりたい」と来季の巻き返しを誓った。 センターバック兼ボランチの加藤玄は今季J1名古屋グランパスで公式戦10試合に出場。「(途中出場が多く)出場時間を伸ばせなかった。来季こそ自分の価値を証明したい」と決意を見せた。 ゴールキーパーの佐藤瑠星はJ1浦和レッズに加入が内定。昨年の天皇杯筑波大ー町田ゼルビア戦ではPKセーブで勝利をたぐり寄せる活躍をした。「レッズには西川周作さんら優れたGKがいる。全員から学べることを吸収しスタメンを勝ち取りたい」と語った。 センターバックの諏訪間幸成は今季J1横浜Fマリノスで14試合に出場。「プロは小さい頃からの夢。目の前にチャンスがあるなら行くべきだと思った。フィジカルの強さや判断スピードなどを鍛え、勝利に貢献できる選手になりたい」と話す。 サイドハーフの山崎太新はJ2大分トリニータに加入内定。今季は主将を務めチームの精神的支柱になった。現在はインカレ予選リーグを突破し、21日に準々決勝の大阪体育大学戦を控える。「チームの目標である日本一を何としても勝ち取りたい。個人としては得点やアシストなど、目に見える結果でチームを勝たせる活躍をしたい」と述べた。 早期退部が新たな刺激に 近年、大学サッカーを途中で切り上げてプロ入りする例は増加傾向にあるが、一度に3人が出るのは筑波大でも初めて。さらに7月にはエース内野航太郎がチームを離脱し、デンマーク1部のブレンビーに加入した。これも快挙ではあるが、チームとしてはさらに苦しい状況に追いつめられた。「実力ある選手たちに頼れず、チーム運営としてもぎりぎりで、最初は不安しかなかった」と小井土正亮監督は明かす。だが残った選手たちには、4つのイスが空く新しいチャンスに映った。 「ポジションを得た選手たちが予想以上にたくましく成長してくれた。サイクルを1年でも早く回していくのが、みんなにとって良いことだと感じた」と小井土監督。、早期退部についても「次のキャリアに進むチャンスがあるなら応援してあげたいし、選手としての成長を妨げられない。大学の価値を上げることにもつながる」と、ポジティブにとらえる。 ダブル優勝で集大成を 関東リーグで2年ぶり17回目の栄冠に輝いた筑波大が、今季の集大成として次に狙うのは9年ぶり6度目のインカレ優勝だ。「筑波大がインカレと関東リーグの2つのタイトルを同時取得するのは、実現すれば1980年以来45年ぶり。それくらい難しいことに取り組める権利が今年はある。また新しい扉を開けるよう、あと3つを勝ち抜いていきたい」と小井土監督。 「本当に難しい挑戦であることは理解しているが、成功につなげられる自信と強さが今のチームにはある。それを結果で証明し、歴史に名を刻みたい」と山崎主将は気勢を上げる。(池田充雄)