土曜日, 2月 7, 2026
ホームスポーツ【高校野球代替大会】霞ケ浦 高橋監督インタビュー㊥ ここにきて迷い

【高校野球代替大会】霞ケ浦 高橋監督インタビュー㊥ ここにきて迷い

【伊達康】県高校野球代替大会が11日から始まった。霞ケ浦高校の髙橋祐二監督インタビュー2回目は代替大会に向けての取り組みについて聞いた。

全員で戦う姿勢になってない

—甲子園が中止となりましたが、茨城県は独自の大会を開催する運びとなりました。代替大会が決まってからは大会に向けてどのように取り組まれているでしょうか。

高橋 3年生26人とマネジャー3人の29人で戦うかどうするかを3年生に聞いたところ、それで行きたいという返答があったものですから、3年生だけで代替大会に参加する形でスタートしました。背番号は30番までつくりました。

ちょうど練習試合を始めて1カ月くらいになるのですが、いろいろなことが見えてきまして、このままでこの大会をやって良いのかということをつくづく感じています。本来であれば6月中旬にベンチに入れない者が発表されてその子たちがサポートに回る。ベンチ入りメンバーはサポートメンバーの気持ちも背負って最後はチーム一丸となって大会に臨みます。

しかし今年は26人がみんな試合に出られる。チャンスがなかった者までが出られる雰囲気になっている。だからといって練習を頑張っているかといったら頑張ってない。練習試合では3年生の試合を午前午後の1試合ずつやるわけですが、1試合目はガチンコでやって、2試合目はそれ以外の3年生で組むんです。控えているメンバーは1試合目は途中出場の準備をしないのに、2試合目は試合中に自らバットを振って代打の準備をするんですね。なぜ1試合目にそれをやらないのかと考えると、2試合目に順番に出場しているからかなと。

控えメンバーが思い出づくりのつもりでいるように感じます。全員で戦う姿勢になっていないし上に食い込んでいくという気概がない。26人全員を出場させてあげたいと思っていましたが、この状態のままやって良いのかどうか、本当は下級生を入れてガチンコで戦った方が良いのではないかという迷いがここにきて生じています。

—もう出場も今週になり実戦練習を重ねられていると思います。言える範囲で、最近どのチームと練習試合を組んで結果はどうだったかを教えていただけないでしょうか。

高橋 7月7日に取手二に9対8で辛勝(しんしょう)です。8回まで5対8で負けていましたが最終回に連打で4点を取って逆転しました。7月5日は聖光学院(福島県)に1対0で勝ち。右アンダーの米島健斗が4回、山本雄大が5回を投げて完封リレーでした。

7月2日は帝京高校(東京都)に0対1で完封負け。山本が6回無失点、米島、三浦彰浩とつないで最後に1点取られて負けました。6月29日に作新学院(栃木県)と5対3で勝ち。6月に常総学院と0対2で負け。山本が点を取られたのは常総学院だけです。初回にエラー絡みで1点を取られて6回1失点でした。

投打の中心を担う山本雄大投手。髙橋監督いわく「野球勘は歴代でもピカイチの選手」。昨秋の県大会にて=J:COMスタジアム土浦

ロースコアでも慌てず勝ち切れる野球目指す

—2番手格のピッチャーは誰になりますか。

高橋 基本的には右アンダーの米島と左の高松康平を合わせた3人で回そうかと思います。

—現在打撃で一番状態が良い選手を教えてください。

高橋 4番を打たせている伊沢誠が3試合連続ホームランを放っています。すごいパンチ力を持っているのですが、ここのところめっきり打てなくなって、この前は4打数4三振でした。波がありますね。

ショートの小田倉啓介、山本、捕手の瀬川悠人など、秋のメンバー陣がコンスタントに結果を出しています。

2年生からショートを守る小田倉啓介選手。鉄壁の守備を誇る

—去年のチームと比較して今年のチームカラーはどのような感じになっていますか。

高橋 山本を中心とした守りのチームですが、去年と比べたら全然守れないし、攻撃も去年より落ちますね。山本がいるのでロースコアのゲームにはなると思います。

去年の石岡一戦や藤代戦のようなロースコアのゲーム展開でも慌てないで勝ち切れるのがうちの目指している野球です。身体能力の高い選手がいない中で合宿をやったりいろいろなことを経験して、うちの強みである組織としてまとまっていくということを今回はできなかったので、底上げができていません。

3年生の中でも温度差があるし今回は難しい大会ですね。優勝目指して頑張りますが、例年の夏とはほど遠い状態なのでどうしたら良いのか手探りです。

—先日常総学院と練習試合で対戦され0対2で敗れました。菊地竜雅、一條力真のWエースの印象を教えてください。

高橋 2人ともボールが速いですね。球速が注目されますが変化球も素晴らしい。一條君の変化球は特に良かったです。そのほかの投手も出てきましたがみんな良かったです。

(続く)

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ふるさとのない時代《くずかごの唄》154

【コラム・奥井登美子】お正月には誰も故郷に帰りたくなる。私が育ったのは荻窪のみどり幼稚園。緑の名の通り、生垣に囲まれた家と野原の、のんびりした緑色の住宅街だった。 しかし今の東京の町はどこも高いビルばかりで、緑がない。故郷という言葉とはかけ離れた風景になってしまっている。私の故郷と呼べるような所は、もうどこにもなくなってしまったのだ。 幼い時、父の故郷、新富町へもよく連れて行ってもらった。父は歌舞伎座が新富座であった頃の、鉄砲洲小学校出身。「菅原伝授手習鑑」などに寺子屋の子役として駆り出されて、よく出演させられたそうだ。台詞(せりふ)も筋もよく覚えていて、よく私に語って聞かせてくれた。 隅田川のほとりに町があって、父は「〇〇ちゃんの店でノリを買おう」などと、昔の友達の家に寄っておしゃべりするのを楽しみにしていた。父の故郷はいま、日本ではない、高いビルばかりのどこか架空の空間になってしまっている。 タケちゃんの文が朝日に載った 1月27日の朝日新聞「折々のことば 鷲田清一」に、加藤尚武の文が載っていた。「個人の間の平等は、ある程度まで…自然の平等に支えられているが…国力の差は、ネズミとゾウの違いよりも大きい」 加藤尚武は私の弟のタケちゃん。京都大学の哲学教授を務めた後、鳥取に環境大学を創り、環境問題を、哲学のまな板の上に載せた人。「環境問題のすすめ」という著書もある。生活者として、医療と環境を意識して生活している。 加藤家の男たちはみな食べるのが好きで、父も、兄も、タケちゃんも、好きなものを自分で作って食べるのが趣味だ。 私はせめてせめて、お正月くらいは、おしゃべりの好きな弟のタケちゃん、母の昔の味の料理を作ってくれる妹、姪たちに会って、亡くなった父、母、兄の個性を偲(しの)びながら、今の子供たちと比べて、大笑いするしかないのだろうか。(随筆家、薬剤師)