2020年夏季県高校野球大会は2日目の12日、6球場で16試合が行われた。J:COMスタジアム土浦では土浦一が牛久栄進と対戦、互いのエースをどう打ち崩すかがカギとなったが、牛久栄進のアーチ2本に屈し、5-7で土浦一が敗れた。ひたちなか市民球場ではつくば国際大高が牛久と対戦、激しい打ち合いの末に8-10でつくば国際大高が敗れた。
序盤は優勢に展開 土浦一
【池田充雄】土浦一は序盤優勢に試合を進め、4回を終えた時点で3-1とリードした。先発の滝川悠斗は好調な立ち上がりで、3回には2死満塁の場面に四番打者を三球三振に仕留め、4回にもエラーがらみのピンチを最少失点で切り抜けた。
誤算が生じたのは5回。四番に左翼への3ランを浴び逆転される。「うまく当てられてしまった。徐々にタイミングが合ってきたのに気付けずにいた」と悔やむ滝川。その後は配球を変えて切り抜けるが、8回につかまり、またも一発を浴びる。
「後半は外の直球から入り、沈むカットボールを打たせる組み立て。だがその直球が甘くなった」。体調は良かったものの、練習で投げ込めない期間が2カ月続いた影響は大きく、最後は腕をつりそうになりながら投げた。
打線も相手エースを攻め立てるものの、あと1本が出ず、残塁の山を築いた。8回には滝川が自らの三塁打でチャンスを作り、先崎大空主将のスクイズで一度は追い付くが、攻撃もそこまで。「相手も中盤くらいから球威が落ち、ストライクとボールがはっきりしてきたが、そこを仕留めきれなかった」と先崎。
四番の中村優友は「相手投手は変化球主体で、高めのまっすぐが伸びる印象。それを打たされた。捕手の配球にやられた」と、大事な場面で自分のバッティングができなかったことを悔やんだ。
柴沼剛己監督は「コロナを含めいろんな状況に振り回されながら、最後の最後まで気持ちを切らさず戦い抜いてくれた。ここまで来たら何とか勝たせてあげたかったが応えられなかった。思いきりできなかった部分は今後、大学野球などで頑張ってほしい」と選手たちをねぎらった。
激しい打ち合い つくば国際大
【高橋浩一】つくば国際大高は継投策で試合に臨んだが、前半4回で投手4人を使い9失点。攻撃では初回に相手投手の立ち上がりを攻め、無死満塁から四番小菅大地の右前適時打などで3得点し、その後もコンスタントに得点を重ねたが、最後まで追い付くことはできなかった。
「序盤に点数をとられ過ぎたのが効いた。準備不足で難しかったが選手たちは頑張ってくれて、自分たちの野球ができた」と山口幸彦監督。
渡會優翔主将は「自分たちは攻撃が売りで守備が課題。最後の最後にその弱さが出た。投手陣も克復できなかった」と悔やむ一方、「打線は今まで通り3年間やってきたことができた。この1年間キャプテンをやらせてもらってよかった。うまくいかないことの方が多かったが、やり残したことはない」と感慨深げ。
5人目の投手齊藤颯太は、それまで二塁手を務めていたが「序盤から先発が打たれる中、登板があると言われていたので準備はできていた」と、5回からマウンドに上がり9回まで1失点で試合を落ち着かせた。
8回に自ら放った適時二塁打については「勢いが来ていたので、狙いを張って打てた」とコメント。試合には1年から出場していたが、なかなか結果が出ずにいた。冬から体を鍛え直した成果が最後に出て「最後まで国際で野球をやってきてよかった」と胸を張った。