【伊藤悦子】霞ケ浦総合公園(土浦市大岩田)の水生植物園内にある花蓮(はなはす)園では、白やピンク、淡い黄色などハスの花が咲き誇っている。一重咲きのほかに、豪華な八重咲きも花蓮園を彩る。ハスの花は早朝に咲き、昼には閉じてしまう。雨の降るなか朝早くからカメラを持った人や散歩の人が訪れていた。同市公園管理アドバイザーで、元日本花蓮協会学術研究主幹の香取正人さんにハスの話を聞いた。
香取さんによると、花蓮園のハスの花は「7月中旬から8月のお盆あたりまで」見ごろが続く。花1つひとつが開いている期間は4日と短く、咲いてから2日目が一番きれいという。見分け方は、ハスの花の真ん中にある花托(かたく)のめしべの色で、黄色なら2日目、黒ずんでいれば3日目だそうだ。
地下茎を大きく育てる食用のレンコン栽培と異なり、花蓮園では花を大きく美しく咲かせる。全体で約200品種あるが、まずたる容器で栽培し、1年に10品種ずつ池に移動することで大きく育てる。花蓮池には80品種、湖岸堤沿いの容器栽培には約120品種を展示している。
ハスを移動する前には、池を改修し土を入れ替え、肥料を加える。隣の区画からハスの実(種)が落ちてくると品種が交ざってしまうため、花期が終わったハスは種にできる前にこまめに切り取っているそうだ。
取手市から訪れた男性(84)は、「ハスの花を撮りに初めて来ました。これだけ種類があるのは珍しい」と話していた。