【川端舞】つくば市で異年齢の子供たちに遊びの提供を行っている市民団体「つくば遊ぼう広場の会」(五十嵐亨会長)が、6月から遊びを再開した。3月以降、新型コロナの影響で活動を一時中断していた。感染を予防しながら、どうしたら子どもたちに自由に遊んでもらえるか。活動再開後も模索が続いている。
会は、野外の遊び場、流星台プレイパーク(つくば市流星台)で毎月第1・第3土曜日に活動している。子育ての不安に寄り添いたいと、休止中は子育て家庭がどんなことを感じているかを知るためにアンケートを実施した。再開にあたっては、子どもたちが密になることを避けるために話し合いを重ねた。
アンケートに不安と工夫
会は今年3月、活動場所を流星台プレイパークに移すことになり、移転セレモニーを開催しようとしていた。しかし、新型コロナの影響でセレモニーはできなくなり、以降、活動自体も中断となった。
会では、子どもたちに遊び場を提供すると同時に、子育て中の人同士が交流できることも大切にしている。感染予防のために遊び場が限られる中、子育て家庭がどのような思いを抱えているのかを知ることは、子育て家庭に寄り添いながら活動を再開するためにも必要だと考え、ホームページ上で子育て中の保護者を対象に「外遊びに関するアンケート」を実施した。アンケートは5月5日から15日まで実施され、67件の回答があった。
アンケートには「先の見通しが持てない」「子どもが運動不足になっている」など不安や心配が寄せられる一方、「子どもと一緒に料理に挑戦してみた」「のんびり植物を観察している」など、自粛期間を楽しく過ごそうとそれぞれ工夫している様子も垣間見られた。
同会では当初、アンケート結果も踏まえて今後の活動に向けて動いていく予定でいたが、感染の状況が刻々と変化していく中で、「答え」を出すのは難しく、今後の状況を見ながら模索していくしかないという考えに至った。
「感染対策は子どもたちの人権にも踏み込む」と主張するのはメンバーの坂口暁詩さん(35)。「感染対策のもとで、自由な遊びが制限され、子どもたちの健全な育ちが保障されない状況を危惧している。感染の危険性がなくならない中で、社会の未来をつくる子どもたちに、どのような環境を提供できるかを考える時だと思う」と語る。
時間短くし2部制に
同会では、水遊びや穴掘りなど、一般の公園ではできない遊びもできるだけ自由に子どもたちにやってもらうことを大切にしている。6月から遊び場を再開したが、再開前には、どうすれば感染を予防しながら、子どもたちに制限をかけないで遊んでもらえるかをメンバー同士で話し合った。
その結果、今までは午前10時から午後2時までの活動時間の間なら、いつ来ていつ帰ってもいいとしていたものを、時間を前半と後半に分け、一度正午で子どもたちを入れ替えることにした。
滞在時間を短くし、2部制にすることで、子どもたちの遊びに制限をかけることなく、密になることを避ける。大人にはマスク着用を要請するが、子どもは熱中症のリスクから任意とした。
7月の第3土曜日も遊び場を開く予定だが、感染状況を見ながら柔軟に対応していく。詳細は開催日の数日前にホームページに掲載する。
◆「つくば遊ぼう広場の会」ホームページはこちら。アンケート結果の詳細も同会ホームページに掲載している。