【鈴木宏子】新型コロナウイルスの感染対策で、大井川和彦知事は22日、外出自粛と休業要請を25日からさらに一段階緩和すると発表した。25日以降さらに2週間、感染拡大が抑えられれば、規制を最も緩い段階に引き下げ、6月8日から学校を再開する。休校による授業時間数を確保するため、夏休みを半分に短縮し3週間程度、授業を行う。
県内の新規感染者数が16日間連続でゼロとなっているなど、6つの指標すべてで感染が抑えられているとして、25日から外出自粛と休業要請をさらに1段階緩める。ただし「新しい生活様式」といわれる感染防止対策を常にとることが前提となる
他県への観光も規制せず
外出自粛要請は、一般の人は夜間の自粛要請が解除され規制がなくなる。県外への移動についても東京など緊急事態宣言の対象地域以外は移動自粛を解除する。県外への移動自粛要請については都道府県によって対応が分かれているが、茨城県としては25日以降、他県への観光や帰省なども規制しないという。
ただし感染すると重症化するリスクが高い70歳以上の高齢者や基礎疾患がある人に対しては、あと2週間、外出自粛を要請する。
スポーツクラブ再開へ
休業要請は、スポーツクラブ、ヨガスタジオ、パチンコ店、ゲームセンターなどを休業対象からはずす。スポーツクラブなどに対しては県が感染防止ガイドラインを策定し、再開にあたって順守するよう要請する。あと2週間、休業要請を継続するのは、濃厚接触が避けられないライブハウスや、客同士の距離を1メートル以上確保できないカラオケボックスやスナック、バーなど一部に限定される。
イベント開催について大井川知事は、屋内なら100人以下の規模で収容定員の半分以下の参加人数とする、屋外は200人以下の規模で人と人との距離を2メートル確保できるなら自粛せず、開催してほしいとする。イベントについても県が感染防止ガイドラインを策定した。
学校再開後は毎朝検温、マスク
学校は25日から2週間は週3~5日の分散登校とする。ただし給食は提供されず、部活動も実施しない。
25日からさらに2週間、感染が抑えられた状況が続いた場合、県立高校は6月8日から再開する。小中学校も同様に対応するよう市町村に要請する。これにより3月に突然始まった臨時休校は6月7日までで一段落する。8日からは通常授業となり、給食も出され、部活動もできるようになる。
学校再開にあたって県として感染防止ガイドラインを策定した。毎朝検温する▽マスクを着用する▽こまめな手洗いをする▽教室は2方向の窓を常時開ける▽教材は使う前に消毒する▽給食は会話を控え対面を避ける▽部活動は接触を避けるーなどで、各学校に順守を求める。
夏休みの半分の3週間、授業を実施することについては、昨年度までに県内すべての公立小中学校、高校の普通教室にエアコンが整備されたため問題ないとした。
オンライン授業の取り組みは続ける。大井川知事は、第2波、第3波への備えも含め「これからの授業は、オンライン教育とリアル(な対面の授業)の組み合わせになる」との見通しを示した。
一方で第2波、第3波がきた場合、再び休校とするかについて知事は、10代の感染者が少なく、子供のクラスターの発生はほぼないというEUや中国の調査報告を紹介し「科学的な知見の蓄積をみながら、学校が一番脆弱かどうか、科学的知見に基づいて考えていかないといけない」との見解を示した。
東京圏への移動、6月18日まで自粛を
一方、国が25日、緊急事態宣言を全面解除し、移動やイベントなどのガイドラインを出したのを受けて、大井川知事は同日、県外への移動について国の方針に合わせるとし、31日まで県外の移動、特に東京圏への移動を自粛するよう要請した。
6月1日以降は、東京、千葉、埼玉、神奈川と北海道の5都道県に対して同18日まで引き続き移動自粛を要請し、それ以外の府県は全て移動可能とするという。6月18日以降は改めて判断する。