「認知症の予防は可能か」と題した勉強会が9日、つくば市茎崎保健センターで開かれた。つくば双愛病院(同市高崎)内の介護老人保健施設「ひまわり」の長廻紘施設長が講演し、「認知症の予防は社会性を保ち、考える習慣をつけること」などと語りかけた。
茎崎地区は高齢化率が今年4月1日現在35.56%と市内で突出して高いなどから、市茎崎地区連合会が主催した。できるだけ平穏な日々を送りたいと願う地区住民ら約60人が参加した。
長廻さんは東京女子医科大学消化器病センターで、選りすぐりの内視鏡を作ることに専念した後、群馬県立がんセンター病院長を務めた。その経験から、がんと認知症を比較し、予防について語った。
講演では「がんができる部位は決まっていて、小さいがんでも発見できるようになり死に至る病気ではなくなった。予防には検診です」と話した。一方「認知症は脳に垢(あか)がたまった状態。体内で脳細胞だけは再生できない。社会性の欠如や思考しない生活習慣が認知症の引き金になるとされている。認知症に有効な薬はできていない」などと述べた。
老齢の親と同居している50代の男性は「認知症になると介護が大変だと聞いて参加した。(親の)聴覚が衰えてきたが、できる限り会話して認知症にならないようにしていきたい」と話した。(橋立多美)