【川端舞】新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、外出自粛を呼び掛けた「ステイホーム週間」が始まった。日中の障害者の居場所はどうなっているのか。県内3カ所の「ひまわり学園」で就労支援を行っている特定非営利法人「艫(とも)づな会」の理事長、大久保安雄さんに話を聞いた。
日常を守っていく
ひまわり学園つくば(つくば市上横場)は、一般企業等への就労を希望する障害者に、就労に必要な知識及び能力向上のための訓練をする就労移行支援と、一般企業等での就労が困難な障害者に、働く場を提供する就労継続支援B型を提供している。普段は40人の利用者が平日午前9時から午後4時まで通い、金属部品のバリ取りやサッシ部品の組立、調理作業などを行っている。
就労支援事業所が閉じてしまうと、障害者はほとんど自宅にいることになり、介助する家族の負担が増えるとともに、本人の身体機能の低下も危惧される。こうした不安も考慮し、学園では、利用者や家族に対する情報提供や、利用者・職員の健康管理を徹底しながら、通常通り開所している。それでも新型コロナ感染拡大の影響で、普段企業などから受注している仕事は減っているそうだ。
通所できない利用者への継続支援
特につくば市内の感染者が増え始めた3月からは、事業所がどんなに感染対策を行っても、持病のある利用者などは通所に大きな不安を持ち始めた。現在、6~7人の利用者は通所を中止し、日中も自宅にいるようになった。そうした利用者に対し、学園では毎日電話などで連絡を取り、困りごとの相談や、本人の機能低下を防止するために自宅でできる支援プログラムの提供を、家族とも連携しながら行っている。
身体障害のある男性利用者(25)は普段、つくば市のアパートで一人暮らしをしながら、平日ひまわり学園に通っているが、現在は感染予防のため下妻市の実家で生活している。いつもは介助者に自宅に来てもらってサポートを受けているが、実家にいる今は両親に介助をしてもらっている。
つくばのアパートでは車いすで自由に動け、トイレにも一人で行けるが、実家はバリアフリーではなく、ベッドで過ごすことが多くなった。ストレッチなどを可能な範囲でしているが、運動不足が心配だと男性本人は語る。学園にも通えなくなったが、学園職員が週に一度実家を訪問し、リース作りや折り紙など実家でできる課題を持ってきて、作業を一緒にやったりしている。
障害者の日常生活が変化すると、それだけで身体機能が低下する可能性もある。普段の生活が早く戻ってくることを就労支援事業所の利用者も職員も願っている。