【崎山勝功】新型コロナウイルス感染拡大の影響で生活に困った世帯を対象に、生活費などを無利子で貸し付ける生活福祉資金貸付制度の申し込みがつくば、土浦両市でも急増している。
休業などで収入が減った世帯に20万円以内の少額費用を貸し付ける「緊急小口資金」と、失業した人などに月額20万円以内の生活費用を貸し付ける「総合支援資金」の2種類がある。3月25日から全国の社会福祉協議会(社協)で受け付けが始まった。
つくば市社協によると、3月25日のスタートから4月10日までに両資金併せて計207件の相談(電話含む)があった。「勤務先から休んでくださいと言われ仕事がなくなった」などの相談で、多い日は1日30件以上の相談があるという。昨年4月の緊急小口資金の利用は0件だったから皆増だ。
10日時点でつくば市社協が申請を受理し、実際に貸し付け手続きをする県社協に書類を送ったのが48件。県社協から1~2週間で振り込まれる予定だ。申請書類が不備などで保留となっているのが101件という。
一方、土浦市社協は取材に「相談件数などは集計できていない。(申し込み相談)電話が殺到している」と答えた。
同制度はこれまで低所得世帯などに限定して実施していたが、新型コロナウイルスの感染拡大による影響を受けて厚労省が対象者を拡大した。これまで利用条件が厳しかったが、ある社協職員は「申し込み基準を簡素化したことが、今回の急増につながった」と見る。
◆緊急小口資金の利用方法
利用できるのは、新型コロナウイルス感染症の影響で収入が減少した世帯など。所得制限は設けていない。
貸付金額の上限は原則10万円だが、上限20万円まで借りられる。無利子。保証人は不要。貸付日から1年以内は返済を据え置き、据置期間が過ぎてから2年以内に分割で返済する。
申し込みは、各市町村の社会福祉協議会。収入減少が確認できる資料(給与支給明細書、自営業などは売上高を記載した書類など)が必要。
利用は1世帯あたり1回のみ。県社協で貸付審査を実施し、申込受付から約1週間程度で審査結果が出る。
◆総合支援資金の利用方法
利用対象者は、新型コロナウイルス感染症の影響で失業などした世帯で、所得制限は設けず「店を閉めて会社務めを希望する自営業者」なども含まれる。
貸付上限額は2人以上世帯が月20万円、単身世帯が月15万円で、必要最小限の金額となる。貸付期間は原則3カ月以内。ただし、失業給付金などの支給が開始されたら、貸付は終了する。
利子は無利子で保証人は不要。据置期間・延滞利子は緊急小口資金と同じだが、償還期限は据置期間経過後10年以内と長い。
ただし、事前に自立相談支援事業等による支援を受ける必要があるため、併せて住所地の自立相談支援機関(つくば市在住者は市社会福祉課、土浦市在住者は土浦市暮らし自立サポートセンター)に相談する必要がある。
必要書類は、失業したことが確認できる資料(離職票など)▼世帯の収支状況表▼求職申込み・雇用施策利用状況確認票▼自立相談支援事業等により作成される計画書など。
つくば・土浦両市社協で申し込みを受け付け、県社協で貸付審査を実施し、約2週間程度で審査結果がでる。審査の結果では貸付できない場合もある。
◆全国で問い合わせが急増しているのに伴い、厚労省は11日から「個人向け緊急小口資金・総合支援資金相談コールセンター」専用フリーダイヤルを開設している。電話0120-46-1999。受付時間は午前9時~午後9時、土日祝日含む。
◆県社会福祉協議会生活支援部 029-244-4559
◆つくば市社会福祉協議会 029-879-5500
◆土浦市社会福祉協議会 029-822-7610